アンティーク・ディーラーをしていますと、能動的に買い付けるときと受動的に買い付けるときがあります。能動的とは、まさしく自発的に仕入れる訳ですから、自分の気に入った、良いと思った品を買い付けることになります。この場合、少なくとも自分の興味のある品を買い付ける訳であり、かなり目が利くことになります。しかし、なかなか突拍子も無い、過去に買い付けた事の無い品には手が伸びにくくなるものです。
逆に、受動的に買い付ける場合は、いわゆる『買い入れ』と呼ばれるものです。
この場合は、買って欲しいと、話を持ちかけられる訳だから、自分の詳しくない商品の
場合もある。結果的に、鑑定が難しくなる。もちろん、その商品の出自を尋ねてもいいし、幾らで買ったのかを聞いてもいい。
まあ、値段については多少、高めに言われるお客様が多いですし、特にアメリカ人は何においても主張するものです。逆にお客様が商品知識を持っていない場合も結構ある。
このような場合の対応には苦慮する事も。受動的な場合、自分の欲しいものだけを買う訳にはいかない。そうすると次からは、声がかからなくなるかも知れないから・・・。いずれにせよ、買っていただくお客様も売っていただくお客様も大事です。
なので、自分が本当に欲しい1品の為に10品購入するなんて事もあるのですが、
その場合、今まで知らなかった新しい分野へ入り込むきっかけ(いろいろと調べたりするし・・・)になったりするので、結構興味深い展開になることも・・・。
また。それらが予想外に高値で取引されていたりする事を知ったりすると、『ムフフ』となるわけです。
以前にモダンなフロアランプを買い入れたことがありました。支柱から細いアームが6本くらい出ていて、各々の先にクロームメッキで仕上げられた小さな照明がついているもの。コンディションも良い。
ただ、見た感じあまり時代はないと感じたのだけれど・・・。70年代頃のものでしょうか・・・。
買い入れの際、最初は話だけ聞いたのですが、『実際に物を見てみないとわからないよぉ』と伝えると、
『O.K.じゃあ、今から持ってくるね・・・ちょっと重たいけど』と言って、戻っていきました。しばらくすると、片手でランプを持ちながら、自転車でせっせとやってきました。
売りにきた彼は、同業者ではなく、一般の方。昼間にも関わらずお酒のにおいが・・・。このランプもしかして・・・?とある考えが頭をよぎりましたが、特にそんな話はしてないし、彼は一刻も早くお酒を購入したい様子。
アメリカでは古物商のような免許制度もありませんし、故買のような法律があるのかはわからないけれど、たぶん無いと思います。身元のチェックもしませんし・・・ネ。
で、ここで、私がヒミツのある言葉『○○○○○○○○○○』をささやくのです(笑)。
すると、スパッ、と値段が決まりました。お互いにハッピーです。
こういったやり取りもなかなか楽しいものです。
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