ロシアと中国間の貿易が、世界的な金融危機のために停滞した。
そして世界の経済問題が深刻化するにつれ、この否定的な影響が益々
大きくなっている。
この様にロシアの在中国通商代表が、新華社通信のインタビューに応
じて答えた。この話題に付いてロシアの声の評論委員は、次の様にコ
メントしている。
ここ数年間ロシアと中国は経済成長率の点で、世界で主要な立場を占
めてきた。
しかしながら現在の金融危機が世界的なものと呼ばれるだけあって、金
融危機はロシアと中国を含めた、全ての国家の経済状態に影響を及ぼ
している。
ロシア科学アカデミー極東研究所次長で、中国経済社会研究所所長は、
ロシアの声からのインタビューに応じそのなかで、金融危機がロシアにも
中国にも悪影響を及ぼしたとして、次の様に述べている。
「中国では金融危機の結果、先ず株式市場での株価の下落、繊維製品
などの輸出の大幅な減少、労働力の削減という形が現れた。
一方ロシアも金融危機の後遺症は、かなり深刻なものとなった。
これは原油価格の下落によるものだ。何故ならロシアでは原油価格がGD
Pの成長率を大きく左右するからだ」
ロシア科学アカデミー極東研究所次長で、中国経済社会研究所所長は、こ
の様に述べている。
ロシアと中国の貿易の成長率が低迷した原因は数多くある。
在中国通商代表が新華社通信のインタビューのなかで指摘したように、ロ
シアから中国への輸出品の中で原油、(?)、肥料、木材及び製材の価格が
低下した。
ところがこうした商品は、中国はロシアで買占めを行う品目の中で大部分を
占めているのだ。
昨年のロシア・中国間の貿易高が前年比18%増であったのに対し、2年前は
対前年比44%以上の増加であったことからも、世界的な金融危機が露中貿
易の成長率に如何に影響を与えているかが判る。
しかしながらこれに反した楽観的な予測もある。
例えば通商代表がインタビューの中で、今年下半期の状況は改善される可
能性があると発言したことが注目される。
昨年ロシアと中国は相互貿易の構図を変えることで、肯定的な成果を上げる
事が出来た。
このことを裏付けているのが、ロシアから中国へ輸出した商業用の電気機器、
工作機械が若干増加したということだ。
通商代表は来年2010年、ロシア・中国間の貿易高を600億ドルから800億ドル
程増加させる目的は達成されるだろうとの見方を示している。
※ (?)は聴き取れず
2月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル