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アフガニスタンでのソ連軍の活動

2009-02-14 | ラジオ
2月15日、ロシアではアフガニスタンからの、ソ連軍撤退20周年の記念日
が祝われる。
1989年2月15日にアフガニスタンに残っていた、最後のソ連軍部隊はソ連
とアフガニスタンの国境となっていたアムダリア川を渡り、アフガニスタン
から完全撤退した。
こうしておよそ10年間にわたって繰り広げられてきた、アフガニスタンでの
戦争が終結したのだ。

このアフガニスタンへでの戦争はソ連にとって、どの様な意味を持っていた
のだろうか。
またこの戦争からどの様な結論を導きだすことが出来るのだろうか。
アフガニスタン戦争退役軍人協会会長は、ロシアの声からのインタビューに
答え、ソ連軍がアフガニスタンからの撤退を決定した理由に付いて次の様に
語っている。
「ソ連・アフガン戦争が、ソ連にとってどの様な意味合いを持ち、またそこから
どの様な結論を導きだせるのかという質問に答えるためには、先ずはじめに、
何故ソ連がアフガニスタンに軍隊を派遣したかに付いて説明しなければなら
ない。
これに付いて知っている人は少ないのだが、全ての事の始まりは1978年4月
に起こった4月革命またはサウル革命と呼ばれる革命が発端となっている。
この革命の結果アフガニスタンでは、王朝支配が終焉しアフガニスタンの人民
民主党が政権に就き社会主義体制が宣言された。
現在ではこれに関して語る人は少なくなったが、アフガニスタンでの突然の政
権交代は、ソ連指導部にとって予期せぬ出来事だった。
しかしその後、ソ連は非常に積極的にアフガニスタンとの協力関係を構築し始
めた。

アフガニスタンとの協力関係の構築は、ソ連の国境地域の安全を保障するこ
ととなった故、正しい対応であったと言えるだろう。
ソ連が自国軍隊をアフガニスタンへ派遣したのは1979年のことだ。
それまでにアフガニスタン指導部は、アフガニスタンにソ連軍を派遣するよう、
ソ連政府に13回要請している。
そしてソ連政府は14回目にしてやっと、アフガニスタンからの要請を承諾した
のだ。
その際アフガニスタン指導部は、ソ連軍がアフガニスタンで戦闘を行う必要は
無く、ソ連軍の課題はアフガニスタンでの安定を維持する事であると主張した。
およそ10年という長期間にわたったソ連軍のアフガニスタン駐留は政治、軍事
そして経済的視点から見て完全に無意味なものとなった。
しかもアフガニスタンでは1万5千人の兵士が死亡し、それに加え戦争終了から
2,3年後にソ連の病院で無くなった兵士たちもあり、このことは言うまでも無くソ
連で大きな反発と懸念を呼んだ」
アフガニスタン戦争退役軍人協会会長は、この様に語っている。

また続けてソ連・アフガン戦争の結果に付いて考察するとき、ソ連軍がアフガニ
スタンで(?)していた麻薬組織と麻薬密輸ルート、そして活発化する国際テロリズ
ムの防止に努めたことを憶えている人は少なくなった。
ソ連軍は長期に亘ってアフガニスタンで、麻薬犯罪や国際テロリズムを阻止した
のだ。
アフガニスタンからのソ連軍撤退後、アフガニスタンに拠点を置くテロ組織が、20
01年9月11日にアメリカで同時多発テロを行った。
そしてこれを受けアメリカとNATOの連合軍は、テロリズムとの闘いを口実にアフ
ガニスタンへと侵攻した。
またアメリカとNATOにとってアフガニスタンは、戦略的拠点といった大きな意味を
持っていると考え次の様に語っている。
「私は最近アフガニスタンを訪れたが、一週間の間に(?)を一人も見なかった。
見たのは以前ソ連軍が駐留したこともある、バグラムの飛行場に着陸したNATO
の飛行機と、アメリカ軍がアフガニスタンの(?)に送ったという自動車のハマーとフ
ォードだけだった。
現在アフガニスタンでは麻薬を生産する工場が約2000あり、何百本という質の高い
麻薬がアフガニスタンから中央アジア諸国へ運ばれ、この後ロシアを通ってヨーロ
ッパ全土、そして世界中へと密輸されている。
現在私がこの問題を強く懸念している。何故なら現在アメリカとNATOによる連合
軍は、悪である麻薬との闘いを実際には行っていないからだ」
この様に語っている。

ソ連・アフガン戦争の要因に関する論争は現在も続けられている。
ですが時が経つにつれ真実が次第に明らかになっている様だ。
現在アフガニスタンでは、当時の出来ごとが少しずつ見直される様になっている。
そしてアフガニスタンでは、過去に兵士だった人も含めたアフガニン人たち自らは、
ロシア人はアフガニスタンへ闘いに来ただけではない。
彼らは工場、道路、住宅そして学校を建設したと語っている。
長年戦争によって苦しめられてきたアフガニスタンにとって現在必要なのは、他で
もないこうした政策なのではないだろうか。

(?)は聴き取れず

アフガン戦争の真実―米ソ冷戦下の小国の悲劇
(NHKブックス)


金 成浩
日本放送出版協会


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2月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル