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さらなる国際的努力が求められるアフガニスタン情勢

2009-02-01 | ラジオ
メドヴェージェフ大統領は先日ウズベキスタンを訪問した際、アフガ
ニスタン国内の安全保障問題に付いて、アメリカを含めあらゆる国
々と完全に協力していく用意があると述べ、オバマ新政権がアフガ
ニスタン問題解決において、より首尾よく行動するよう望んでいると
の期待感を表明した。
これに付いてロシアの声の評論委員は、次の様にコメントしている。
オバマ大統領はホワイトハウス入りする前、グローバルなテロリズ
ムとの闘いの主要な善戦は、イラクではなくアフガニスタンであると
の考えをすでに何度も言及してきた。
多くの専門家もそうした見解を取っている。

NATO26ヶ国及び、その他17ヶ国の軍隊からなる連合軍はアフガニ
スタンを平和に打ち勝って、安定化させる作戦をこれまで展開してき
たが、あべこべにこの国は、国際テロリズムと組織犯罪の巣窟と化
してしまった。
タリバンやアルカイダの犯罪集団は、この国でコントロール下に置く
地域を益々広げており、ここ数年の間に芥子や大麻の栽培面積と収
穫量は数倍に増えた。
アフガニスタンから中央アジア諸国、ロシアそしてヨーロッパ諸国に
対する麻薬の密輸も当然のことながら増加した。

あらゆることから判断してアメリカ政府は、先ずアフガニスタンでの軍
事プレゼンスを拡大することによって、状況を変えたいと考えているよ
うだ。
バイデン副大統領は今年アメリカ政府は、アフガニスタンにさらに3万
人の将校を送り込み、駐留軍の数を6万にする計画だと伝えた。
一方オバマ大統領はイギリスのブラウン首相に対し、アフガニスタンに
さらに4000人のイギリス軍部隊を派遣するよう要請している。
こうした要請は他の国々にもなされる可能性がある。

連合軍部隊の戦力が充分なものでなくてはならないという考えは理解
できるが、アフガニスタン問題の解決を武力のみに期待すれば、失敗
する運命にあることは明らかだ。
ましてテロリスト一掃作戦の過程でなされた、爆撃やロケット弾攻撃に
よりしばしば一般市民が巻き込まれ、多くの犠牲者が出ているからなお
さらだ。
昨年2008年だけでも2000人以上の一般市民が亡くなっている。

ロシアはアフガニスタンに、平和を取り戻す国際努力を活発化し、もっと
それが効果的になるよう、それを調整すべきだと提案している。
そうした努力はアフガニスタンの国家権力や秩序の強化、内戦後のアフ
ガン経済の復興及び住民への人道支援に先ず向けられるべきだろう。
このことに付いてはメドヴェージェフ大統領と、ウズベキスタンのイスラム
・カリモフ大統領がタシケントで調印した、共同コミニュケのなかで述べら
れている。
またロシアとウズベキスタンは形成された状況と、今後成すべき共同行動
を話し合うため上海協力機構後援の下、アフガニスタン問題に関する国際
会議を開催してはどうかと提案している。

これまでNATOとアメリカはアフガニスタン問題の調整に当たって、上海協
力機構や集団安全保障条約機構との協力を全く避けて来たという経緯は
あるものの、この提案の実現は今の状況では非常に慈悲を得たものである
ように思われる。

アフガニスタン―再建と復興への挑戦

武者小路 公秀,遠藤 義雄,総合研究開発機構,NIRA=

日本経済評論社

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1月27日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル