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来年度予測されるロシアの財政赤字と対応策

2008-12-29 | ラジオ
ドボルコビッチ大統領補佐官は来年1月から始まる会計年度で、この10年で初
の財政赤字となるとの見通しを示した。
一方でこれまでに蓄えられた準備金により、赤字分を補うことは可能との見解
を示している。

ドボルコビッチ大統領補佐官によると、来年度の財政赤字は主な歳入減となっ
ている原油の価格下落によるものだとした。
ロシアは2000年以降、厳格な財政に加え原油価格の高騰で、黒字に転しだも
のの今回10年ぶりに赤字となる見通しだ。
ではこの下落傾向が続いた場合、それを補う財源はあるのだろうか。
これに付いてドボルコビッチ大統領補佐官は、次のように語っている。
「来年度の赤字転落は、ほぼ明らかだ。それを恐れるべきか。そんなことは無
い。何故なら黒字が続いた期間、こうした場合の為に準備基金として蓄えを作
ってきたからだ。
赤字といっても国民に対する国家の社会的義務は、完全に遂行する。
教育、保健、安全、科学といった分野に付いても同様で、これらの目的のため
に準備基金からのお金を充てる。
ですから増税に踏み切る必要も無い。また財界にこれ以上の負担を課すことも
無い」
ドボルコビッチ大統領補佐官は、この様にコメントしている

さらに補佐官は来年度の財政方針では、二通りのシナリオがあることを明らかに
している。
楽観的なシナリオのほうでは来年の半ばにも世界経済、ロシア経済共に回復す
ると見込み、来年度の赤字分をGDPの3%分としている。
一方悲観的シナリオのほうでは、GDP比5%の財政赤字が予想される。
いずれにしても準備金は来年度、そして2010年度が赤字だった場合も赤字分の
補うことが出来るとした。

専門家のヤコブレフ氏は、次の様にコメントしている。
「いずれにしても先ず第一に、来年半ばまでに商品市場、原油市場で市況が何
らかの回復を見せるだろう。
第二に政府は危機に対して金融政策、通貨歳入だけでなく経済状況を変えるこ
とに、一層積極的に取り組むことに集中すべきと考えている。
鉱工業生産のマイナス成長への対応が不可欠で、また投資の大幅な縮小、国民
生活水準の悪化を許してはいけない」
専門家のヤコブレフ氏に、今回の財政赤字に付いて話を伺った。

尚、政府の中期計画では赤字転落は予測されていたものの、2011年以降とされて
いた。
今回国際的な危機により、見直しを迫られる形に至った。

日本の財政―何が問題か

湯本 雅士
岩波書店


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12月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル