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インド・パキスタンの対話を中断させるムンバイでのテロ事件

2008-12-01 | ラジオ
27日、インドのシン首相はパキスタンとの公式筋との、次の会談の際
にインドのムンバイで発生したテロ事件において、インドへ攻撃するた
めにテロリストらがパキスタン領を利用したことに関する問題を、必ず
取り上げると述べた上で、パキスタンに対しこのことは、
ムンバイで発生したテロ事件に加担したことになるとした。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次の様にコメントしている。
この問題はインド・パキスタン関係において、決して目新しいものでは
無い。
インド政府はこれまでに何度も、パキスタン当局に対しテロリストへの
充分に厳しい措置が講じられていないこと、またインドとの国境地域付
近であるパキスタンのカシミールに国境を超えてインドに侵入する、イ
スラム過激主義勢力やカシミール原理主義グループの、基地や収容所
が存在していることを批難してきた。

しかしパキスタン政府はカシミールの人々の独立を求める闘いを、インド
政府が政治的、道徳的には支持したことを批難することで、いつも反論し
てきた。
インドのムンバイで発生した悲惨なテロ事件は、インド政府にとってイスラ
ム過激主義勢力からの脅威があることに付いて、再度パキスタン政府に
注意を向けさせるための(?)を与えさせることになった。

もちろんパキスタン政府指導部は、こうした武装集団の行動を支持しては
いない。
パキスタンもまた他の国々と同様に、ムンバイでのテロ事件を批難してい
る。
とりわけパキスタンのクレシ外相はこの事件を厳しく批難し、インドに対して
はあらゆる援助を行うと約束している。
また外相はパキスタンは反政府組織や、過激主義に対抗するための闘い
を行う用意が完全に整っていると述べている。

イスラム過激原理主義―なぜテロに走るのか
(中公新書)


藤原 和彦
中央公論新社


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またパキスタンが今回の事件に関与していないことに付いては、パキスタン
のフェルナンデス国防相や、パキスタン軍特務機関の代表、また内務大臣
も発言している。

パキスタンはイスラム過激主義勢力が、こうした行動によってすでに数年に
亘って、インドとパキスタンの間で続いている和平交渉を中断させ、カシミー
ル紛争を含む、両国間の(?)問題の解決を阻止しようとしてることを理解して
いる。

インドとパキスタンはそうした交渉を通じて、すでに多くのことを達成した。
例えば両国間には鉄道やバス、航空機を使った定期的な輸送路が復活した
ほか、経済関係や貿易関係も拡大し国境地域の状態も落ち着きを見せ、人
道分野での関係も広がりつつある。
しかし過激主義勢力のメンバー達は、こうした状況を快く思ってはいない。
そこで彼らは共同体や地域の対立を煽り国を揺さぶり、インドでもそしてパキ
スタンでも政権を拉致しようと試みている。
こうした武装勢力の計画に対抗するためには、南アジアの主要国であるイン
ドとパキスタンが協力するしかない。

テロリストを良いものと悪いものに分けることは出来ない。
つまりこの問題においてダブルスタンダートは許されないのだ。
これに関連してインド問題研究所のワニナ歴史学博士は、次の様に指摘して
いる。
「ダブルスタンダートがテロリズムを生むのです。テロリストはある場所では開
放の紳士と呼ばれる存在であり、ある場所では忌み嫌われる存在だ。
しかしテロを正当化するような宗教は存在しない。
コーランにも聖書にも、罪の無い人々を殺してはならないと書かれている。
またこれらの聖典は女性や子どもの殺害、或いは爆弾テロを奨励してはいな
いのだ。ムンバイのテロ事件では、ヒンズー教徒もイスラム教徒も、そして女
性も子どもも、あらゆる人々が犠牲となった。事件の犯人達、そして彼らを動
かしている全ての者達は、自分たちの犯した罪の責任を取らなければならな
い」
インド問題研究所のワニナ歴史学博士は、この様に述べている。

(?)は不明瞭な発音で聴き取れず

ジハード戦士 真実の顔――パキスタン発=国際テロ
ネットワークの内側


アミール・ミール
作品社


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11月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル