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イラクから去る日本の航空自衛隊によせて

2008-12-22 | ラジオ
日本の防衛省は航空自衛隊はイラク撤収を開始したと伝えた。
これに関してロシアの声の評論委員は、次の様にコメントしている。
日本の航空自衛隊機のイラク駐留は、4年9ヶ月に亘り続いた。
つまりイラク南部のサマワに派遣されていた陸上自衛隊に比べて、ずっと
長くイラクに残っていたと言うことだ。
陸上自衛隊の部隊はすでに昨年イラクから撤退している。そして今度はク
ウェートからイラクの様々な地方へ、アメリカ軍部隊や軍事物資の輸送任務
に携わっている、航空自衛隊も日本へと帰還することとなった。

陸上自衛隊、航空自衛隊およびペルシャ湾に今も送られている海上自衛隊
の派遣は、日本の軍事同盟国であるアメリカ側からの強い圧力の下実施さ
れたもので、日本の野党勢力はフセイン政権が大量破壊兵器を所有してい
ると言う口実の下、国連安全保障理事会の承認も無しに始められた、イラク
における、アメリカとイギリスによる軍事作戦に当初から反対の立場を明らか
にしていた。

国際原子力機関が念密な調査の下、アメリカ政府やイギリス政府も含めて、
彼らがイラク侵攻を決定する以前に、世界中に対しフセイン政権は大量破壊
兵器を保有していないと発表したにも関わらず、自衛隊のイラク派遣は決定
された。
大量破壊兵器に付いてはご承知のように、アメリカとイギリスによる侵攻の
後も、イラク国内ではついに発見されなかった。

一方アメリカとイギリスはこの戦争に、日本を含めて一連の国々を巻き込む
ために少なからぬ努力を傾けた。
イラクにおける悲劇的な出来事への日本の参加は、戦後制定した日本国憲
法の精神や文言ともハッキリと矛盾するものだった。
しかし陸上自衛隊、航空自衛隊がイラクから撤退した後も、極めて深刻な疑
いが残ると思われる。
つまり軍事同盟のパートナーであるアメリカに対する忠誠心だけで、遠いイ
ラクにまで自衛隊を派遣したのかという疑いだ。

日本の周辺空間で自衛隊を使用する可能性がある戦争のため、体験を積む
べき一種の予行練習であったのではないかという疑いだ。
日本に隣り合う周辺空間で、日米両軍を使用する可能性に付いては1997年
の、日米軍事政治合意のなかに直接規定されている。

誰も書かなかったイラク自衛隊の真実―人道復興
支援2年半の軌跡


産経新聞イラク取材班
産経新聞出版


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12月16日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル