1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

北京パラリンピックを振り返って

2008-09-20 | 障害者・福祉
いつもの事ながら今大会も、パラリンピックに出場した選手たちの活躍ぶ
りをリアルタイムで、観る機会がほとんど無かったに等しい。
NHK教育では放映時間が比較的あったようだが、自分のライフスタイルと
なかなか時間が合わないことも、テレビ観戦を出来なかった理由の一つ
だ。
オリンピックの時のようにテレビのスイッチを付けると、何かしらの競技が
放送されているとまではいかないらしい。

それに民放テレビ局のニュース番組でも、パラリンピックの結果を取り上
げないことが多かったように思う(テレビ局側からすれば、いろんなニュー
スが多すぎるとの言い訳が聞こえてきそうだが)
僕のように捻くれ者から見れば、民放テレビ局はあえてパラリンピックの
話題から避けたかったのではないかと思ってしまうのだが、理由はどうあ
れ、民放テレビ局にとっては関心の薄いイベントであったことは否定でき
ないと思う。

ただNHKのキャスターの中にも、番組でパラリンピックの話題を取り上げて
はいるものの、オリンピックの時とは違い、声の感じから言って実感がこも
っていない人も見受けられた。

一方でTOKYO FM「OPEN SESAME!」のスポーツコーナーでは、一番目に
北京パラリンピックの話題を取り上げてくれるラジオ番組もあったが、残念な
ことにこのコーナーが放送されている時間帯は、青森と秋田のみの放送とな
っていることだった。
ついでにと言っては失礼だが、2001年からスタートしたこの番組も、9月いっ
ぱいで終了となってしまい、船守さちこ・山川牧の両パーソナリティのトーク
を聴くことが出来なくなってしまう。

さて肝腎の競技に付いて、少しばかり触れておきたいと思う。
個人的にメダル獲得を確実視していたのが、女子車いすマラソンの土田選手
だ。
彼女は17日開催の陸上車いすマラソン女子に出場予定だったが、8日に行わ
れた女子5000m(車いす)決勝レース中に転倒し、腰部を負傷するというアク
シデントに見舞われてしまった。
その後治療を続けていたものの痛みが伴う状態が続いており、競技への出場
は出来ないと判断し、棄権という非常に残念な結果となってしまった。
国内の女子車いすマラソンで無敵を誇る土田だが、今回の結果は無念だった
と思う。

次は女子競泳の成田真由美選手に付いて触れてみたいと思う。
彼女は前回のアテネ大会で金7個獲得という偉業を成し遂げた。しかし彼女は
アテネ大会後、股関節の手術を受け長期間ベッドの上で安静しなければなら
なかった状態であったことに続き、今大会では自由形と背泳ぎが一段階障害の
軽いクラスに変更されてしまったのだ。
そのため個人メドレーへの出場は取りやめることになってしまった。
今回は残念ながら無冠となってしまった。
また改めて障害の程度が異なる選手が競う、パラリンピックの矛盾点が浮き彫
りになったと言えるだろう。閉会式の写真を新聞で見たが、そのなかに写ってい
た成田選手の顔が寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。

次は車いすテニスの男子シングルスで、金メダルを獲得した国枝慎吾選手。
決勝の対戦相手は、前回覇者のオランダの選手をストレートで退けた。
彼は車いすテニスのプロツアーで4大大会制覇を達成しており、今回の優勝で5
冠を成し遂げたのだ。
さて競技種目によって車いすには、それぞれ工夫が施されているのはご存知だ
ろろうか。

最後は車いすバスケットボールの京谷和幸選手に付いて、少しばかり記したい
と思う。
元JリーガーということでNHKでも取り上げられていたが、彼を紹介する番組の中
で北京へ向かう成田空港で、たまたまサッカー日本代表の岡田監督と遭遇する
シーンが映しだされていた。
その際、京谷選手が岡田監督に「頑張ってください」と声をかけたら、監督は
「俺にも頑張れと言ってくれ」
と言い返した光景が印象に残っている。
今は別々の道を歩んでいるが、どちらもも世界一を目指す志は共通しており、同
じ仲間なんだと思う。

さて個人的に思いつくまま書いたが、もちろん他にも活躍した選手はたくさん居る
ことを忘れてはいない。
9月20日(土)の15時からNHK教育TVで、北京パラリンピックの総集編
が再放送されるので参考までに記しておきたい。

障害者の権利条約―国連作業部会草案

長瀬 修,川島 聡
明石書店


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