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原発に頼らないエネ経済会議が発足

2012-05-02 23:39:46 | 産業・ものづくり

原発に頼らないエネルギー体制で地域づくりをめどそうと、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」(エネ経会議)が3月に結成されました。結成の思いなどを、世話役代表・鈴木悌介氏(「鈴廣かまぼこ」副社長)に聞きました。

原発に頼らぬ地域・経済づくり私たちが思い立ったわけ

エネ経会議は、北海道から沖縄まで企業のトップが400人近く会員になり、さらに増えそうな勢いです。
私は1981年から1991年の10年間、アメリカで会社経営に携わり、外からこの国をみる機会を得ました。帰国後は商工会議所青年部の活動を、全国の会長職も含めて、長く一生懸命やってきました。地域の自立とは? 持続可能なまちづくりとは?とずっと模索してきました。そのなかで起こった昨年3・11の東京電力福島原発事故でした。

原発がボンといってから、本店がある(神奈川県の)小田原や箱根はお客さんがほとんどゼロになりました。そして、計画停電。工場も店もほとんど仕事になりませんでした。日本は先進国でエネルギーのことも万全で、電気料金さえ払っていればいつでもいくらでも電気を使える。その電気がどこから来るのかもあまり考えていなかった。考えが甘かった。忸怩(じくじ)たる思いです。

東京の水進水も放射能に汚染されていることがわかり、一時は水のペットボトルが売り切れになりました。幼い子をもつ若い親たちが困っていると知り、私どもがいつも使っている地下水をお分けしたいと、安全を確認した上で、仮設の給水湯をつくり、メールなどで「よければ水を差し上げます」と発信しました。東京や横浜からタンクを積んで一日に何百人もきました。

その時つくづく思ったことがあります。普通に街を歩けて、水を飲めて、普通に空気を吸えるから、「何かおいしいものを食べにいこう」とか、「箱根に遊びにいこう」となるわけで、その前提がなければ、経済成長やGDP(国内総生産)といっても意味がないと。

 実際、悲しいことに福島ではその前提が壊されてしまっているわけですよね。絶えず線量計を気にする日々。いつまでがまんすればいいのか、どこが安全なのかも分からず、見えないものにおびえながらの暮らし。経済活動の大前提は、安全な普通のくらしだと痛感しました。

夏の節電では、15%の「義務」を負わされました。が、社内であえて 25%に挑戦しようと思いました。原発からの電気は3割だといわれていました。全54基のうち、その当時動いていたのは、確か17か18。既に20%もないだろう。ならば25%カットに挑戦して、お客さんに迷惑をかけないで、社員の首も切らないで、いわば経済を回してみよう。それができれば小さな声かもしれないが「うちは原発いらないよ」といえる。そして、なんとか達成できました。もっと賢いエネルギーの使い方はある、まだまだ工夫の余地はあると実感しました。

「2割・6割・2割」という論があります。2割はどうしても原発が必要だという人たち。その逆の2割は昔から反対の人たち。真ん中の6割の人は、今回初めて気づき迷っている人たち。声が大きいのは最初の2
割です。

テレビや新聞は「原発がないと電気が足りなくなって、産業が空洞化して上という 「経済界」の考えを流
します。多くの人たちは、原発は危ないと思っているけれど、原発を動かさないとメシが食えなくなると言われ、黙ってしまう。黙ることはイエスになってしまいます。

地域支える中小企業が動く時

そこであえて経済界の中から声を出していかないと、6割の人たちを含め、大きなうねりにはならないのではないかと思い始めました。同じ経済界のなかでも声の大きな団体とは違う考えを持っている経済人もいることをきちっと発信していくことが、原発やエネルギーの問題についてのまっとうな議論につながると思います。

エネルギーのことはエネルギーにとどまらず、健全なまちづくりやこの国のありようにもつながる広がりのある話なのです。
 地域を支える中小企業が、エネルギーのことに正面から向き合い、議論し声を出していく。そして、声を出すだけでなく、地域で再生可能エネルギーの自給体制を、小さくともいいから全国で同時多発的につくるために具体的に動き始めます。(しんぶん「赤旗」5月1日付より)