針谷みきおの一言 集まり処「はんの木」情報 

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介護保険業務の委託を一部撤回

2016-05-26 22:54:18 | 介護・福祉

戸籍業務見直しの教訓生かし、6400万円経費も縮減に

区は介護保険の業務委託を一部撤退し、区の運営に戻すと区議会に報告してきました。
 これは「戸籍業務外部化の是正結果を踏まえると違法な偽装請負につながりかねないような指揮命令や疑義照会等については、予定していた委託から見送り、委託はしない。また、いわゆる公権力の行使に関わるような委託は、不可能ではないが、非常に非効率になるので、見送ることにした。
 契約金額の変更については、28年度、単年度は金額ベースで1000万円程度の増となるが、29年度、30年度は2年連続で3700万円、5年間の累計で6400万円の減となる。(下記一覧表)

 今後は職員体制の見直し、当初で減らす予定であったものを、見直すという議論をしていく予定です。」と報告がありました。
 これは業務委託がサービスの向上にも、経費削減にもならない幻想であり、逆にお金がかかることを認め、戸籍事務の外部化による弊害や是正結果を反映させたものということができると思います。
 やはり、区民の運動と共産党の議会論戦が区政を動かしたものと考えます。
 区民のみなさんのご意見・ご要望をお寄せ下さい。
  区議会議員  針谷みきお


ヘルパー報酬23%減「お話する時間もなくなった」

2016-02-09 23:06:03 | 介護・福祉

東京郊外の国立市。1月中旬の朝、ホームヘルパーの岡田千奈美さんが雪道を自転車で急ぎます。都営住宅の3階で1人暮らしの栗田栄子さん(93)が待っていました。「お変わりありませんか」。健康状態を確認し掃除の準備をします。要支援1の栗田さんは週1回訪問介護を利用。「ヘルパーさんが掃除機をかけて、拭き掃除もしてくださるので助かっています」

 同市は昨年4月から要支援者の総合事業への移行を開始。「緩和した基準による訪問型サービス」を導入し、ヘルパーによる「生活援助」の時間を1回45分に15分短縮。報酬を23%カットしました。市内の全訪問介護事業所がこれに参入。総合事業の訪問介護の95%を占め、栗田さんも同サービスを受けています。

 たちまち40分が経過。「時間ですよ」、栗田さんがヘルパーの岡田さんに声をかけました。「お話しする時間がなくなりましたね」と栗田さん。岡田さんは実働時間が減り収入が落ちたと言います。

 ヘルパーを派遣する地域福祉サービス協会・コスモス国立の服部文恵管理者(63)は訴えます。「これまでヘルパーが要支援の方といっしょに家事をすることで重度化を防いできました。それなのに時間や単価を削るなんて『予算削減先にありき』。重度化する危険があります」

 総合事業への移行でコスモス国立の収益は減り、要支援者の受け入れを控えざるを得なくなっています。市当局も「『減収になる』と面と向かっていう事業者があることは否定できない」(高齢者支援課)と認めます。

 さらに同市は研修を受けた無資格者による生活援助を計画しています。報酬は49%減です。服部さんは言います。「今後認知症の方が急増します。生活が組み立てられなくなる初期の認知症の方に必要なのは、生活全体を見通すことができる有資格のヘルパーによる援助です。なくなれば地域で暮らせません」

安倍政権 要介護1・2外しも狙う

 自治体が介護サービスからの「卒業」や、基準緩和サービス導入に走るのは、国が総合事業費の伸び率を75歳以上の高齢者人口の伸び率(3~4%)以内に抑え込むよう規制しているからです。2035年度には2600億円の介護給付費の大削減になります。

 改悪はこれにとどまりません。安倍政権は要介護1・2のサービスの保険外しまでねらっており、17年の通常国会への改悪案提出を計画しています。

 介護保険改悪に反対してきた大阪社会保障推進協議会の日下部雅喜介護保険対策委員は語ります。「さらなる改悪を止めるためにも国に総合事業の撤回を求めるとともに、自治体に『卒業』や『基準緩和サービス』の導入をさせないたたかいが大事です。国に総合事業費の上限撤廃を求めながら、当面、事業費が不足すれば自治体にも財源投入を迫っていく必要がある」しんぶん「赤旗」より


 要支援者の保険外し 介護保険の要介護認定は軽度な者から、要支援1、2、要介護1~5に分かれます。改悪では、170万人の要支援者の5割以上が使う訪問介護と通所介護を保険から外し自治体に丸投げします。

 


認知症カフェを訪問

2015-09-10 23:55:24 | 介護・福祉

足立区西新井にある認知症疾患医療センターを訪れて、認知症カフェの見学をさせてもらいました。

1、認知症カフェとは?
 認知症の人やその家族・知人、地域の方、専門職が気軽に集まし、お茶を囲み和やかに交流する
 場所です。必要な時には、医療・介護専門職がいるので、いっでも気軽に相談できます。
 オランダのアルツハイマーカフェをモデルとして、日本でも、2012年に厚労省が発表したオ
 レンジプラン(認知症施策推進5ヵ年計画)で位置づけられ、各地で開催されるようになりました。
2、スタッフは、認知症についての知識と対応力を備えており、カフエとして運営を行う準備をする
 ことが求められます。通常は、週1回~月1回程度の開催が多いため、その形式を念頭に置いて準備します。
3、どんな人や団体が認知症カフェを開<のか?(運営主体)
 一つの団体だけでな<、いくつかの団体が集まって共同開催することがよくあります。
地域包括支援センター、社会福祉協議会、社会福祉法人、ブループホームや小規模多機能などの地域密着型施設
認知症の家族会、医療機関(病院・診療所・訪問看護ステーション)などです。

認知症を正しく理解することが大事です。

詳しくは次回お知らせします。

 

 


介護 削減やめよと小池晃参院議員の追及

2015-02-14 23:42:38 | 介護・福祉

日本共産党の小池晃議員(副委員長)は2月3日の参院予算委員会で、安倍政権が、特別養護老人ホームをはじめ介護施設・事業者に支給される報酬(介護報酬)を大幅に引き下げようとしていることを厳しく批判しました。

 今でも特養ホームなどは経営が苦しく、介護職員の給与の低さが大問題になっています。削減は、介護現場をいっそう困難な事態にするだけです。
 小池氏の批判に、安倍首相は「介護職員の処遇改善の加算をつけた」と正当化しましたが、小池氏は「加算を含めても2.27%の削減だ。それを除け4.48%の削減になる。過去最大の削減だ」として、これで給与が上がると言うのは「手足を縛って泳げというようなもの」だと指摘しました。そして、本当に処遇改善をやるなら、「かつて自民党の麻生政権(2009年)がやったように保険料でなく(別枠で)国の予算でやるべきだ」と提案しました。

 安倍政権が、〝職員の待遇が良くなる〟と言っていることや、今回の介護報酬引き下げの「理由」としている、〝社会福祉法人はもうかっている〟などの話には、まともな根拠がありません。そのことは自民党議員さえブログで反論しているほどです。小池氏がそのブログを紹介すると議員席からは「ほう」とどよめきがおきました。

さらに東京北区で特養ホーム建設を予定していた事業者が「介護報酬の引き下げ」を理由に撤退した事実を示し、施設や職員、住民に被害をもたらす削減の撤回を迫りました。

躍進した力で、社会保障守るため全力

介護職員の給与は介護報酬から支払われます。それを削るなんて許せません。深刻な介護施設と職員の状況を改善するには、現在2割台の国の負担割合をただちに10%引き上げ、低所得者の負担を減免しつつ、介護報酬を抜本的に引き上げることです。命と暮らしを守る政治へ全力をあげます。

 

 


介護保険料 自治体減免 禁止されず

2015-01-31 23:14:28 | 介護・福祉

介護保険料 自治体減免 禁止されず

厚労省が認め 厚生労働省が介護保険料に対する自治体の独自減免について「独自補てんはできない」などとする見解を自治体に通知していた問題で、同省は30日までにしんぶん「赤旗」の問い合わせに対し「(独自減免は)法令上は禁止されていない」(介護保険計画課)と認めました。 

この問題は、安倍内閣が介護保険料の低所得者減額措置のほとんどを見送ったため、自治体が補てんして減額を行うとしたところ、厚生労働省が「独自補てんはできない」などとする見解を示した問答を16日に出して締め付けようとしていたもの。自治体が独自に減免を行うことは法律上も禁止されておらず、「国が約束していた保険料軽減を見送っておいて自治体にやるなというのはおかしい」との声が広がっていました。

介護保険料は全国平均で約5000円、最高で7000円近い自治体など高すぎる保険料が大問題となり、引き下げを求める声が広がっています。足立区でも基準額月額5570円を6180円に月610円の値上げ案が提案されています。

こうした声に押されて政府は来年度、低所得者に対して公費を1300億円投入して、所得別の第1段階から第3段階まで約1000万人を対象に、最大で7割の減額を行うと表明していました。

ところが安倍首相は消費税10%の「先送り」を口実に、来年度は最も所得の低い層(第1段階)だけを対象とし、減額割合も20%拡大する予定だったのを4分の1の5%にとどめました。しかし、保険料は来年度以降もさらに約10%も上がる見通しで軽減は待ったなしの課題です。


介護保険料の値上げしない別の道

2015-01-23 23:05:24 | 介護・福祉

 足立区は2015年度からの介護保険料の大幅な値上げや利用料の負担増など事業計画を1月末の介護専門部会などを経て決定しようとしています。

 11月20日には「足立区高齢者保健福祉計画・第6期介護保険事業計画」の中間報告を発表し、来年度からの介護保険料を、現在の5570円(基準月額)から6200円程度に引き上げる案を示しました。

 提案された専門部会では多くの委員から「なぜ、毎回、保険料があがるのか。これ以上の負担はもう限界」など区民代表の委員から意見がだされました。
 自民党と公明党は、消費税増税の実施前、8%になれば、1兆円の国費を投入し、介護保険の公費負担割合を現行の50%から60%に引き上げると主張していましたが、増税が決まったとたん、その公約を反故にしました。消費税が社会保障にまわっているという誤魔化しがここにあらわれています。

 国は2015年度から、消費税増税で得られる財源の一部を使い、65歳以上の保険料の低所得者軽減を行うとしていましたが、そこに使われる予算は1300億円で消費税8%増税で得られる増収の60分の1に過ぎません。しかも、この軽減策は2年後の2017年度からで、保険料が上がっていくことには変わりはありません。
 現在の介護保険は、サービス給付が増えると、ただちに保険料・利用料の負担増に跳ね返るという根本矛盾をかかえています。
 日本共産党は、当面の緊急措置として区が一般財源を繰入れて介護保険料の上昇を抑えるべきと考えます。また、介護保険の根本矛盾を解決するための提案(左記一覧表)をしていきます。

非課税の高齢者に年1万円こえる過酷な値上げ
 
 今回の値上げ案は額にして月630円、率にして11・3%の値上げで、本人非課税の高齢者が年間10560円の値上げとなる過酷なものです。  
 この案を知らされた高齢者からは「今でも高いのにこれ以上あがったら払えない」の声が上がっています。
 それもそのはずで、介護保険料は介護保険制度が平成12年度に始まってからわずか15年間で3・5倍にも跳ね上がっています。1月9日まで行われたパブリックコメントには80人(団体含む)から意見の提出があり、保険料についての意見が多数を占めました。
 これ以上の保険料の値上げは行うべきではありません

日本共産党区議団の提案要旨

①国が公約通り10%の補助金をふやせば、足立区では年45億円収入増になります。値上げに歯止めが
②介護保険以外の高齢者福祉サービスを拡充します。たとえば
・住宅改修や紙おむつ支給、ホームヘルプサービスなど介護保険では使えない人のサービスを拡充し、現在より高齢福祉サービスの予算を大幅に増やします。介護保険と福祉制度の組み合わせで高齢者福祉を充実させる。
③保険料料率で所得の多い人の限度額増やして、応能負担を徹底する。

※区財政を必要に応じて、事業者や介護従事者への支援を増やします。


医療 介護 生活保護 選挙が終われば公約投げ捨て

2015-01-10 21:55:27 | 介護・福祉

厚生労働省は9日、来年度予算案などに盛り込む医療、介護、生活保護の改定案を三つの審議会にいっせいに示しました。高齢者から現役世代まで医療負担増を強いるなど社会保障制度を大改悪する内容です。総選挙では「医療・介護等の充実を図る」(自民党の政策パンフレット)と公約しながら、国民をあざむいて“選挙が終われば改悪”に暴走する安倍政権の姿勢が浮き彫りになっています。

厚労省が改定案

 医療では、75歳以上の後期高齢者医療の保険料を最大9割軽減している特例措置を2017年度から廃止。保険料が2~10倍に増え高齢者を診療から締め出すものです。

 現役世代に対しては入院給食の自己負担を1食260円から460円程度に引き上げます。紹介状なしで大病院を受診する患者には、5000~1万円の定額負担を押し付け、入院・診療ともに締め出しをはかります。

 市町村が運営する国民健康保険は18年度から都道府県に移行。市町村に保険料の収納目標などを課し、保険料引き上げと徴収強化、医療費削減を押し付けるねらいです。

 介護では、特別養護老人ホーム(特養)や小規模デイサービスなど事業所に支払われる報酬を引き下げます。介護従事者の待遇悪化を招き、サービス低下につながります。

 「特養」の相部屋入所者から室料として1万5000円を徴収するなど利用者に対しても負担増を盛り込んでおり、低所得者が追い出されかねません。介護労働者の増員を求める世論に押されて「処遇改善加算」に上乗せを行いますが、労働者全体の処遇底上げにはほど遠い内容です。

 生活保護でも、現在実施している生活扶助費削減に続いて、「住宅扶助」や、暖房費用である「冬季加算」の引き下げを打ち出しました。切り詰めた生活を強いられている利用者に追い打ちをかけるものです。

 安倍内閣は年金についても、向こう30年間にわたって削減し続ける制度改悪を打ち出そうとしています。

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躍進した国会議員団の緊急申し入れ

2014-12-26 23:55:13 | 介護・福祉

「介護報酬」の削減 中止を

共産党国会議員団 財務省・厚労省に申し入れ

 
写真

(写真)原審議官(中央)に申し入れる党国会議員団=25日、厚労省

 日本共産党国会議員団は25日、来年度予算編成にかかわって財務省が求めている「介護報酬」の削減を中止するよう財務省と厚生労働省にそれぞれ申し入れました。

 申し入れでは、介護報酬の削減は、介護事業所・施設の経営に大打撃を与え、「介護難民」の増大などを招くと指摘。平均月収が全産業平均の3分の2の水準という労働条件を悪化させ、人手不足を加速させると強調しました。介護サービス切り下げなどに直結し、「国民・利用者にとっても社会保障の重大な後退をもたらす」と批判しました。

 高橋千鶴子衆院議員は、通常国会で自民党も含めて全会一致で成立した介護労働者の処遇改善法にふれ、「介護現場の処遇改善は党派を超えた願いだ」と指摘。小池晃参院議員は「介護報酬の引き上げは、介護の質を保証していくことにつながる。物価上昇で施設の経営も苦しい状態にあり、引き下げなど絶対にやめていただきたい」と述べました。

 厚労省の原勝則・大臣官房審議官は、議員団の要請に「しっかりと介護報酬、介護人材を確保できるように全力を尽くしていきたい」と述べました。


足立区介護保険第6期計画案示される

2014-11-21 23:15:42 | 介護・福祉

第6期足立区介護保険事業計画(平成27~29年)を検討している足立区介護保険専門部会が11月20日、開催され、介護保険事業計画答申案につながる中間報告が示されました。要旨を紹介します。

厚労省は全国介護保険担当課長会議で市町村が「新総合事業」を実施する際のガイドラインを示しました。それによると要支援者(要支援1・2)の人には介護保険を使わせず「介護予防・生活支援サービス」で費用の効率化をはかる。すなわち、介護給付費の抑制を図るよう市町村に要求しています。

 ガイドライン案は3つのやり方を示しています。
第一は「低廉なサービスの利用普及」です。ボランティアによる多様なサービスに転換するように求めています。
第二は介護保険の認定を受けさせないようにすることです。新制度では高齢者が地域包括支援センターに申請し、担当者が要支援と判断した場合には、「基本チェックリスト」に質問項目に答えさせるだけで、「新総合事業」のサービスを割り振れるとなっています。
 したがって、介護認定をうけさせない水際作戦を行い、介護認定者が大幅にへります。


第三は自立の促進という名目で一人で買い物に行けるようになるなどの「目標」を設定されます。それができるようになるとサービスの打ち切りや「卒業」と称して、介護報酬費を減らそうとしています。
「ガイドライン」が実行されれば、要支援者の給付費が2025年には800億円、2030年度で1500億円の削減ができるとしています。
 サービス切捨てによる給付費削減こそ制度改定の本質であることを政府、自らが宣言しているのです。

この上に立って、足立区では今回の改定で特別養護老人ホームに入所できるのは「要介護3」以上となります。
ただし、認知症、知的障がい、精神障害のある方や虐待で在宅生活が困難な方は「特例入所」を認めるとしています。

今回、利用料に2割負担の人(所得160万円以上)が生まれます。
さらに介護施設の入居費のうち、食費・居住費を軽減する「補足給付」の廃止が狙われています。

今回の専門部会では中間報告としながらも、次期介護保険料の基準額を6200円~6450円に値上げするという案が提案されました。 
日本共産党は値上げしない別の道があると対案を示しています。

日本共産党区議団の提案

①「新総合事業」は2017年度まで実施を延期しこのままでは、介護難民が生まれたり、介護従事者がいなくなる危険性があり、介護従事者の確保をはかるため、待遇改善をはかることを提案しています。
② 特別養護老人ホームの増設、入院患者の追い出し中止、低所得者の利用料の減免、虐待や孤立など「処遇困難」を救済する措置制度の再建を図る。
③介護保険料はこのままでは2025年には8200円になるという政府の見通しですが、保険料の高騰を抑えるには第一に国庫負担割合を大幅に引き上げること。第二に低所得者のために、区市町村の一般会計から繰入金を投入することが、医療・介護総合法に明記されたました。
 この法律の趣旨を活用して、保険料の値上げをおさえるために、区の一般会計から必要な予算を投入することを提案しました。


介護保険第6期事業計画

2014-11-18 23:56:52 | 介護・福祉

2015年度からの介護保険の仕組みの改悪と報酬削減に向けた動きを加速しています。6月の通常国会で成立を強行した「医療・介護総合法」にもとづく具体化ですが、法案審議では大きな焦点ではなかった負担増計画を追加してくるなど、国民の願う「安心の介護」に完全に逆行する動きです。財務省は公費で支払う介護報酬をかつてない規模で削減する案まで提示しました。介護保険制度を大本から掘り崩す大改悪は、やめるべきです。

手当たり次第の負担増

15年4月から次々と実行予定の改悪の具体化です。同年4月は、3年に1度の介護報酬改定もあります。制度改悪と報酬改定を一体で実行していくことを狙っています。

 改悪の大枠は「医療・介護総合法」で決められていますが、要支援1・同2の利用者の訪問・通所サービスを保険給付対象から外し、市町村事業に丸投げするなど、公的介護の支えを大きく後退させる中身に、地方自治体などから批判が上がっています。一定所得以上の人の利用料負担の1割から2割への引き上げ(15年8月)は、介護保険導入後初の利用料負担増であり、「2割負担原則化への布石」と危ぐの声が広がっています。

 「総合法」の具体化そのものの中止が必要だというのに、厚生労働省は先月末、特別養護老人ホームの多床室(相部屋)の部屋代徴収案をまとめました。厚労省審議会で法成立後になって提案された際に批判された負担増計画です。

 特養の相部屋は、ベッドをカーテンなどで仕切ったもので低所得の利用者が多く、保険給付の対象にして部屋代の負担をやわらげてきたものです。15年4月から部屋代を保険給付対象から外す方針を押し切ろうというのは、手当たり次第に負担増を求める安倍政権の乱暴さを浮き彫りにしています。

 特養をめぐっては、すでに要介護3以上の人に入所要件を絞り込む厳格化や、一定以上の預貯金などのある人の食事・居住費の軽減措置の縮小・打ち切りも行う方針です。お金のない高齢者が介護施設から締め出される「老人漂流社会」に拍車をかける改悪は許されません。

 財務相の諮問機関・財政制度等審議会が打ち出した介護報酬の「6%以上」引き下げ要求は、介護保険の土台を破壊させかねないきわめて異常な提案です。制度発足以来、これほど下げた例はありません。かつて2%台の引き下げを繰り返し、介護事業者や労働者が苦境に追い込まれ「介護崩壊」という深刻な事態を生み出したことを忘れたのか。取り返しがつかない被害を引き起こしかねない削減案はきっぱり撤回すべきです。

削減路線の転換こそ

 「軽度者」を切り捨てる介護改悪・報酬削減は、早期の発見・治療が必要な認知症の対策にも完全に逆行します。安倍首相は今月初めに日本で開催された認知症の国際会議で、認知症対策充実をうたいました。それなら真っ先に、認知症の人と家族が厳しく抗議の声をあげている「総合法」の具体化をやめることがスジです。

 介護改悪の具体化と実施を許さない市区町村ごとのたたかいを大きく広げるとともに、消費税増税に頼らぬ社会保障の再生・充実へ転換させることが急がれます。