1月24日(火曜日)。☁🌧☁🌫。天気はしょぼいけど、寒波が襲来するのは週末ということで、当面はわりと普通の1月の天気らしい。きのう、夕方のラッシュ時に、下の6番ストリートで、見える限り坂の下まで尾灯の列で、それがほとんど動かない。去年の11月の終わりだったか、急な大雪で大渋滞したときにそっくりだけど、雪も雨もなくてただの曇り空。もしかしてと、双眼鏡で下流のアレックスフレーザー橋を見たら、橋の真ん中で警察の赤と青の非常灯が点滅中で、あ、事故か。でも、よほどの大事故なのか、夜になっても橋の上では非常灯がチカチカ・・・。
けさになって、橋からの飛び降り自殺を防ごうとしている警官たちのそばを、クラクションを鳴らしたりヤジを飛ばしたりしながら走り抜ける車が邪魔になったために、南方面の車線を通行止めにせざるを得なかったと、管轄のデルタ市警察が発表。通行止めにしても、バリアを回り込もうとして中央分離帯に衝突したおバカが何人もいたり、強行突破を図って止められて酔っ払い運転がばれたおバカがいたり、わざわざ現場まで歩いて来て写真やビデオを撮ろうする野次馬がいたりで、警察は自殺志願者を説得しながら、同時にそっちの処理もしなければならなかったために、説得に成功したときには通行止めは何と8時間。どうりで6番ストリートが渋滞したはず。それにしても、今どきの何とかはとは言いたかないけど、ほんとに今どきは常識が通じない人間が増えているような感じがする。まあ、いつもそのときが「今どき」なんであって、遠い昔になった戦後昭和のベビーブーム世代も、事あるごとに今どきの若い人はと、やられていたもんだけど・・・。
メールをチェックしていたら、Arts Clubから来月のディナーのお知らせ。Signature Dinnerと言って、ちょっといいレストランで各シーズンに3回くらいやるファンドレイジングのイベントで、数十人の規模なので、チケットが売り切れるになることが多い。今回はArts Clubが依頼して初演した『The Piano Teacher』で総督文学賞(戯曲)を受賞した劇作家のドロシー・ディトリッチがスペシャルゲストとして出席すると書いてあるじゃないの。日本語訳を始めたワタシとしては、ドロシーに翻訳に同意してくれたことへのお礼を言いたいし、チャンスがあれば作品についていろいろと話をしたいから、うわっ、エキサイティング。これは何としてでも出席しないわけには行かない、ということで、即行で席を2つ確保してぇ~とアリシアにメール。もう今からわくわくして来ちゃった。今年はワタシの人生がさく裂している感じがするとカレシに言ったら、「そりゃあ良かった」。うん、人生が木っ端みじんになるような悲劇的な爆発なんかじゃなくて、打ち上げた花火が盛大に炸裂しているような、世界がパァ~ッと開けたような、エキサイティングな感覚なの。新しい眼鏡のせいかもしれないけど・・・。
翻訳の方は、ちょうど第1幕の終わりまで来たところで、ここで初めに戻って読み直し、訳し直しをしようか、それとも流れが変わる第2幕に進んで、最後まで行ってから全体の見直しをしようか、とあれこれ思案投げ首。英語だと、印刷した文字からは登場人物の関係性の変化を掴みにくいところがあるけど、日本語には「言葉遣い」というものがあって、関係のレベルによって敬語、ていねい語、ため口というように、それぞれ使う単語が違うので、字面から人間関係がわかる。だから、初対面は敬語で簡単だけど、その後のどこで少しくだけたていねい語になって、どの場面から対等な関係として砕けた言葉遣いになるのか、深く考えながら訳さなければならないわけで、まさに、登場人物を役として演じてながら、それを自分で演出しているような気分で、ついでに日本語の勉強もしている感じ。ビジネスの文書や論文の翻訳とは似ても似つかない、まったく違う世界に踏み込んだようで頭がくらくらするけど、すごく刺激的でもある。ああ、言葉は音楽、音楽は言葉、されど、されど・・・。