きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

東京工業大学百年記念館など

2014-01-20 | 戦後建築
建築史講義の後の見学会です。
東急大岡山駅前に立つと、東京工業大学正門脇に、不思議な形をした
シルバーの建物が目に飛び込んできます。
その名は「東京工業大学百年記念館」。
創立百周年を記念して、卒業生などから寄せられた募金により1987年に誕生しました。






地下一階と二階は展示室で、「科学・技術の教育・研究百年」の業績や研究資料の展示
を見ることができます。
係の方の説明を聴くと、その功績の偉大さが伝わってきました。
頂いた資料の中の、燕瞰図(えんかんず)というイラストマップは、
百年記念館の展示内容が一目でわかる優れものです。
パンフレットの小冊子も、写真やフロアガイドが
とにかくかっこいいのです。



1階展示室の吹き抜け





2階は、吹き抜けを囲んで、4つの展示室があります。










フェライト記念会議室



フェライト記念会議室前の談話室


窓際の空調

「外観の印象を、そのまま内部構成している建物。」
という講師倉方さんの説明は、的確で感心するばかり。

今年(2014年度)改修工事が予定され
4階のレストラン・ラウンジ「角笛」は休業中です。
残念…。


事務局1号館(管理棟)


コンクリート型枠の跡が
模様になっています。







「チーズケーキ」と呼ばれている付属図書館。
ガラス張りの学習棟です。






右手の緑の丘の地下が
図書館となっていて



このガラス部分が、トップライト



本館





傾斜を利用して建てられた、創立70周年記念講堂

さながら建築博物館のようなキャンパスです。


◇東京工業大学百年記念館
設計 篠原一男
竣工 1987年
◇管理棟(事務局1号館)
設計 清家清
竣工1967年
付属図書館
設計 東京工業大学施設運営部
竣工 2011年
◇本館
設計 橘 節男(東工大学復興部) 
竣工 1934年
◇創立70周年記念講堂
設計 谷口吉郎
竣工 1958年

所在 東京都目黒区大岡山2-21-1

2013.9.28
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武蔵野美術大学

2013-12-22 | 戦後建築
雨上がりの午後の見学会。

芦原義信は、1964年に武蔵野美術大学造形学部建築科の教授として迎えられ、
同大学キャンパスの設計に携わりました。
作品としては、銀座のソニービルが有名です。

芦原義信の著書「街並みの美学」を読んでから写真をUPしようと思いつつ
書店で購入して いまだ未読です。



正門から なだらかな階段をのぼり、本館のピロティをくぐると中央広場。

左手に、実にドラマチックなアトリエ棟があります。
柱も、螺旋階段も カッコいいのです。












高層階から見たアトリエ棟



デザイン棟












12号館





2010年に竣工した図書館。
一般の者は入れず、外から眺めましたが
中も外も 書棚で構成されている 不思議な建物。

そして 最後に見つけたものは…



守衛所脇にある武蔵美の看板猫「サバオ」像。
サバオは、2008年9月に死んでしまい、学生がこの像を造ったのだと守衛さんが教えてくれました。
皆さんにに愛されていたのでしょうね。 

武蔵野美術大学
所在 東京都小平市小川町1-736
◇アトリエ棟
設計 芦原義信
竣工 1964年

◇デザイン棟(7号館)
設計 芦原義信
竣工 1965年

◇図書館
設計 藤本壮介

2013.6.22
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東京さぬき倶楽部

2013-12-17 | 戦後建築
早稲田エクステンションセンターの講座で見学した場所を
数回に別けて紹介します。
講師は、建築史家 倉方俊輔さんです。
写真の整理が遅いのと、団体見学のため思うように写真が撮れないのと
再訪しよう!と思いつつかなわず
UPが遅くなりました。

午前中、テーマの建築家の講義を受け、その建築家の建物を見学に行きました。
説明に耳を傾け、メモすると 写真は撮れません…。

この回は、今年生誕100年の大江宏。

さぬき倶楽部は、門の右には「讃岐会館」、左には「東京さぬき倶楽部」のプレートがあります。
1972年に「東京讃岐会館」として香川県の県営宿泊施設として開業し、2003年に民間経営になり
名称が「東京さぬき倶楽部」と改称され、香川県民以外の一般宿泊ができるようになりました。
レストランもあるので、気軽に利用できそうです。









フロントやロビーの壁を飾るのは、香川県産の土を使った焼土タイル。

置いてある家具は、香川県との関わりが深い
日系二世の家具デザイナー ジョージ・ナカシマの作品です。

ジョージ・ナカシマは、帝国ホテル建設の際、フランク・ロイド・ライトに伴って来日し、
東京事務所を開設したアントニン・レーモンド建築事務所に入所した建築家です。

レーモンド経営のペンシルベニア州ニューホープの農場に移住し、その後家具製作を始めました。
作品は高く評価され、世界の美術館に収蔵されています。
訪れたら素材の美しさをひきだした 大らかで、座り心地の良い椅子を
是非体験してみてください。

















レースのようなグリルスクリーン




別館「花樹海」は
明治三十三年頃建てられた藤田四郎氏本邸の一部を移築したもの。
裏手の庭園にある石碑には「御田八幡宮旧跡」とあり、
今は都営地下鉄泉岳寺駅近くにある御田八幡神社が、最初はここにあったようです。

残念ながら、再開発の予定があるそうです。

さぬき倶楽部の見学後、ぶらぶらと街歩き。


可愛らしいモニュメントのある、オーストラリア大使館


旧逓信省簡易保険局


綱町三井倶楽部


慶應義塾大学


 
建築会館

東京さぬき倶楽部
竣工 1972年
設計 大江 宏
所在 東京都港区三田1-11-9

2013.4.27
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「東山旧岸邸」と「とらや工房」

2013-05-23 | 戦後建築
高速道路の渋滞を気にしながら、西伊豆の旅の最後に
立ち寄ったのは御殿場。
閉館前に、すべりこみました。





かやぶき屋根の山門を過ぎ、竹林のその先に
数寄屋造りの邸宅が佇んでいます。

個人の邸宅を数多く手がけている
吉田五十八が 晩年に設計した岸信介邸。
自然と対話するかのような
美しい建物です。

岸信介は、1970年(昭和45年)73歳のときこの地へ転居し、17年間をここで暮しました。



5時を過ぎ、人影はほとんどありません。







書斎へ通じる廊下は、かつては一段低いものでしたが
バイアフリー化されフラットになりました。



窓を全部開けると、外の景色が
まるで一枚の絵のよう。





家具は作り付けで、さりげなく収納があります。





奥の背もたれの大きな椅子は
岸信介愛用の椅子。
ここからの庭の眺めが好きだったとか。
自由に座れるのが うれしいです。

ここも、窓を開け放ってくれました。
言葉がありません。
















2階は非公開。




若い頃 北イタリア フィレンツェなどで、初期ルネサンス ゴシック建築に触れ
風土から生まれたものを大切にし、
美的感覚で、和風を近代化し新興数奇屋といわれる建物を造りだした
吉田五十八の集大成 住宅。
ただただ 美しい。

庭続きに、とらや工房があります。





内藤廣設計のとらや工房。
木のぬくもりが 伝わってきます。
品は ほとんど売り切れでした。
お土産に 残っていた干羊羹なるものを購入。



かぐや姫が生まれてきそう…。

薄暮の追った岸邸を後にしました。
またいつか、ゆっくりと訪ねてみたい場所です。

◇東山旧岸邸
竣工 1969年
設計 吉田五十八
所在 静岡県御殿場市東山1082-1

2013.5.4


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阿佐ヶ谷住宅

2013-03-31 | 戦後建築
雨の降り出しそうな肌寒い土曜日。
阿佐ヶ谷を散歩しました。
地図を持たずに初めて歩く街並みは
いつか来たことのある場所のような気がしました。

切妻屋根のテラスハウスや低層階の住宅が建ち並んでいます。
阿佐ヶ谷住宅は、全戸数350世帯。日本住宅公団創世記の団地で、分譲型集合住宅。
緑の小径に囲まれた、塀のない住宅は
どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
「団地」と呼ばず、あえて「住宅」と名付けたゆえんが解ったような気がしました。
直線の道路がないせいか、方向がわからなくなり
ぐるぐる周ってしまいました。

再開発の槌音が迫っています。
空き家になった建物の1階部分の開口部はベニヤ板で封鎖されています。
緑地の樹木の伐採が始まりました。



この風景、覚えておいてくださいね。














広場は、想像以上に広く
とても贅沢な空間。
この桜たち、残ることができるのかなあ。










給水塔


















ロープが張られて、この先の小径を歩くことはできません。

さようなら。さようなら。





善福寺川の桜
晴れていなくて残念。。
寒くて~寒くて参りました。



◇阿佐ヶ谷住宅
竣工 1958年
設計 日本住宅公団・前川國男事務所(傾斜屋根型テラスハウス)
所在 東京都杉並区成田東4
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東京文化会館 バックステージツアー

2013-03-05 | 戦後建築
青空の土曜日で、上野公園は家族連れで賑っています。
一番人気は上野動物園のパンダでしょうか。
国立西洋美術館、国立東京博物館や科学博物館、東京都美術館、上野の森美術館
そして芸大。
上野の森は、文化施設が盛りだくさん。
中でも東京文化会館はJR上野駅公園口の真ん前で
交通の便も最高です。

建物の周りを
ぐるっと一周。
お城の城壁のような壁を見上げました。

東京文化会館バックステージツアーは、有料で、事前販売チケット制で500円。(障害保険料込み)
春と夏休みに開催される人気イベントです。
ブロ友さんを誘って参加しました。

この日は受付で3班に振り分けられました。
はじめに見学者全員が、大ホールに集合。
写真は個人の記録用で…というお願いがあったので
守りたいと思います。

ワーグナーのローエングリン第3幕前奏曲が鳴り響く中
オープニングの舞台装置のデモンストレーションを見守りました。
気分が高揚する 素晴らしい選曲です。

奈落を見学し、オーケストラピットに入り、せり上がるのを体験。
5階に一気に階段で上り、照明スポット操作体験。
カーテンコールで出てきた方に
スポットライトを当ててみます。

今度は舞台で、カーテンコール体験。
拍手とブラボーの効果音とスポットライトを浴びて
気分はソリスト。
舞台上のプロンプターボックスに注目。
階段の上部に椅子状の板を敷き、モニターを見ながら
出演者に歌いだしのきっかけを声で教えたりする副指揮者などが
座って指示をする半分開いた箱。
客席方面はふさがっているので、客席からはわからないようになっています。
ここに入る人は閉所恐怖症の方は、絶対無理です。
舞台中央の指揮台にのぼり
ホールを見渡してみました。
有名マエストロの見た風景…。
5階の天井桟敷席までよく見えます。

舞台裏のコンクリート打ち放ちの壁や柱には
たくさんのサインがあります。
よく見たかったのですが、残念、時間切れ。
地下の楽屋を見学して、見学は終了。
プロのスタッフ直々の説明に耳を傾けながら、
華やかな舞台裏を垣間見た2時間。楽しかったです。
バックステージツアーの演出、素敵でした。
スタッフの皆さん、有難うございました。

そして 素晴らしい音楽ホールだと あらためて感じました。

是非、建築メインの見学会の企画もお願いします!






窓の桟のデザインは、ル・コルビュジェ風



舞台外観









建物内の壁にも、同じものが使われています。












枯葉が吹きたまったイメージ?







あの日 あの時 あなたと並んで聴いた曲やオペラが
鮮やかに思い出されたひと時。



階段室の外と中。



青い階段、見たかった…。
あと、ブロ友chamekoさんにはびっくり。5階までいっきに階段をのぼられました。
90歳なんです。

竣工 1961年
設計 前川國男
所在 東京都台東区上野公園5-15

緑の扉もあります。

ガーゴイル(雨どい)のデザインも、素敵です。
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赤い階段

2012-10-16 | 戦後建築
上へ 上へ
心は急ぐ。

のぼりきるまでの スリリングなひととき。











のぼりきったその先に
懐かしい季節の私が立っているような気がして










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葉山・藤沢 建築とアートめぐり 旧近藤邸

2012-09-23 | 戦後建築



9月の半ばというのに、傾きかけた太陽が、容赦無く照りつけます。


藤沢駅から徒歩10分。午後遅くに旧近藤邸を見学しました。
旧近藤邸は、藤沢市辻堂の松林に建てられた別荘です。
老朽化のため取り壊されることが決まり、保存を求める市民運動により藤沢市が譲り受け移築保存されました。
藤沢市民会館事務室に鍵を借りに行くと、先客が持って行っているとのこと。
玄関先で、帰る方から鍵を受け取りました。
そして緑が多いせいか、藪蚊の大群に襲われました…。

施主の近藤さんは、子供が11人。
和室の多い海辺の別荘は、子供たちにとって楽しい場だったのだろうと思います。
























窓はすべて、閉ざされています。
建物を味わうべく佇む気持ちは 暑さのため消え失せました。
2階へ上がると、体温が急上昇。もう我慢できなくなって退散~。
人の常駐しない建物は、ことのほか暑くて長居できません。

旧近藤邸
竣工 1925年/移築 1981年
設計 遠藤 新
所在 神奈川県藤沢市鵠沼東8-1(藤沢市民会館前庭)

2012.9.15
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国際文化会館でランチ

2012-05-03 | 戦後建築
見学会の昼食はどこにしようか
悩みに悩んで…。

六本木付近で食事の出来る場所で
行ってみたいところナンバーワンは 国際文化会館。

1951年、対日講和条約締結準備のために来日した特使に同行したジョン・ロックフェラーは、
ジャーナリスト松本重治をはじめとした日本の知識人・文化人と会い、国際協調の場の必要性を感じ、
ロックフェラー財団からの助成を得て、日本国内では知識人・財界からの募金をもとに国際文化会館は造られました。

建設用地は、江戸時代から幕末にかけて多度津藩(現香川県丸亀市)藩主京極壱岐守の江戸屋敷で、最後は三菱財閥四代目、岩崎小弥太の旧邸宅跡。
屋敷は戦災で消失し、京都の造園家 小川治兵衛がつくった庭園が残るのみで、
国有地となっていましたが、松本重治らの働きかけにより払い下げられました。

設計者は 前川 國男、板倉準三、吉村順三の三人。
それぞれル・コルビュジエ、アントニン・レーモンドなどに師事し、友人でありライバルでした。
一年をかけて互いの特徴を活かし、国際文化の交流の場所をつくりだしました。
1973年に老朽化のため建て替え案が浮上しましたがオイル・ショックのインフレで断念し、前川國男設計により増築されました。
2004年に会員の高齢化と法人会員の減少で経営危機に陥ったことと老朽化のため
解体建て替えが発表になると、海外の研究者から反対の声が上がり、日本建築学会が保存再生案を提案し、2006年に地震とバリアフリー対策を踏まえた案が採用されリニューアル。
その後運営は開かれたものになり、会員以外も、料飲施設並びに宴会場を利用できるようになりました。

レストラン SAKURAに電話して予約。
気心知れたメンバーで訪れることができることになり嬉しくなりました。



かつてのお屋敷へのアプローチ



開店直後で、店内は静か。
窓際の丸いテーブルに案内されました。



プリフィックスランチ

野菜のポタージュスープ バジルの香り添え
柔らかく煮込んだ牛バラ肉と野菜のポトフー 粒マスタード添え
和風デザートの盛り合わせ
(抹茶おはぎ・蕨餅・抹茶アイス・胡麻団子)

 
 



庭園は、ガーデンパーティの準備中。



都心の一等地とは思えない空間です。





風に吹かれながらティーラウンジのテラス席で、のんびりお茶を飲む人の姿が
とても優雅に見えました。








訪れる人に安らぎを与えてくれる建物…
あっさりと取り壊されて消えてしまう建物が多い中、保存再生された幸せな建物を
中と外から楽しんできました。

◇国際文化会館
竣工 1955年
設計 板倉準三+前川國男+吉村順三
所在 東京都港区六本木5‐11‐16

続く…。
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第3回きゃおきゃおツアー 番外編

2010-10-25 | 戦後建築
第3回きゃおきゃおツアーのコースを決めるに当たって
2回ほど 下見に出かけました。
自由学園明日館をメインとすると、どの辺がアクセスがいいのか
移動距離と 見学時間のバランスなど考慮して
決めたいと思いました。
池袋の街はあまり好きではないので、目白から歩くことに。

目白といえば やはり学習院。
駅前に校門があるのです。

守衛所の前を胸をはって通過し、かつてそびえていた
あの建物のあった場所へ。
ずいぶん 小さくなっちゃいました。





 中央教室 頂部
 中央教室は、建築家前川國男設計事務所によって、
 昭和35年(1960年)竣工した。大学のシンボル的存在
 として50年近く愛されたが、中央教育研究棟建設のため、
 平成20年(2008年)惜しまれつつ取り壊された。
 頂上までの高さは25m、700名を収容できる大型階段教室
 で、その形状から「ピラミッド校舎」と称された。
 教壇を西南方向に設けた構造上、音響効果を最大限に
 活かすことができるよう、北東側に偏心していたことが、
 この頂部からもわかる。

と、碑が建っています。





You do not forget.
Goodbye .

さようなら ピラミッド校舎


学習院大学キャンパスには 乃木館、東別館、北別館、西1号館など
古い建物が点在しています。
でも、すべて外観のみの見学だし、学習院の敷地は広くて
歩くと結構時間がかかるので 今回は見送りました。

2010.10.2

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国立代々木競技場 その2 第二体育館

2009-09-22 | 戦後建築





正面入口から入ると、そこは最上階の通路となっています。
ちょうどアジアユースパラゲームズ大会の表彰式を行っていました。

円形のアリーナは、バスケットコートが1面のみの広さ。
なんて贅沢な造りなんでしょう。



 

天井は、センターポール上を目指して弧を描いて伸びています。
メカニックな構造は、見ていて飽きません。

HPによると
《1本の主柱からアンカーブロックに螺旋状にメインパイプが張られ、
そのメインパイプと円形スタンドの外側に立つ柱の間に吊り下げられたトラスによって、
全体の屋根が張られています。》
なのだそうです



















左が第二体育館、右が第一体育館

竣工 1964年
設計 丹下健三
所在 東京都渋谷区神南2-1-1

国立代々木競技場

2009.9.13
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国立代々木競技場 その1 第一体育館

2009-09-19 | 戦後建築
東京オリンピックの会場として建てられた代々木競技場。
NHKお昼の天気予報の背景でお馴染みの建物です。

中に入ったことがないので、いつか訪れたいと思ってはいましたが、有料イベントが多いのでなかなか実現しませんでした。
この日は、アジアユースパラゲームズ大会が開催され、入場無料と知り、出かけてみました。

秋晴れの日曜日。
国際大会ということで、人出を気にしながら出かけましたが
建物周囲を歩く人影は まばら。
建物内へ入って、観客のいないことに驚き、声が出ませんでした。
おかげで、写真を気兼ねなく撮れたのは嬉しいけれど
競技するものと感動を供にする人のいないスポーツ大会。
残念に思いました。

会場に入り、競技場を目の前にして
天井の照明の輝きに目を奪われました。
曲線を描きながら、吸い込まれるように高く引き上げられている吊り天井。
柱のない構造は、広い空間をさらに広く感じさせてくれます。
屋根の腐食が気になりますが
さすが丹下健三の代表作です。
      



























ウルトラマンの悲しいお話「故郷は地球」で、ジャミラがこの競技場へ向かう特撮シーンがあります。
最後に本物の競技場前でエンディングとなります。ぜひこちらも見てください。



竣工 1964年
設計 丹下健三
所在 東京都渋谷区神南2-1-1

2009.9.13

いつになく写真が多くて…ごめんなさい。

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前川國男邸

2009-08-13 | 戦後建築





建築家前川國男の自宅として建てられた建物です。
戦時中の物の無い時代の建物だとは思えないモダンな造りです。
中央に居間を挟んで、左右に寝室、浴室、台所を配置。
廊下の少ないシンプルな間取りとなっています。
大きな回転ドアを過ぎると 吹き抜けの伸びやかな空間 居間が広がっています。
ボランティアのかたが、窓の秘密などを説明していました。












たてもの園の中でも、ひときわ好きな場所です。
ソファーに座ると、心地よい風が通り過ぎていきます。
お昼を過ぎると、ボランティアの方が休憩に入り
静かなひとときを過ごしました。





美の巨人たちの取材風景で、モデュロール兄弟の写真が展示してありました。
8/22 放送されるそうです。
■建築シリーズ 前川國男「前川國男邸」

左手のモデュロール
ここに息づいています。


設計 前川國男
竣工 1942年(復元 1996年)
所在 東京都小金井市桜町3-7-1(江戸東京たてもの園)

2009.7.19
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学習院大学◇さよならピラミッド校舎

2008-01-14 | 戦後建築
取り壊し予定の中央教室見学会に行ってきました。
建物は、一辺の長さ約30m、高さ約25mの四角錐のピラミッド型です。
ピラミッド校舎(略してピラ校)は、何度か見ていますが、教室内に入るのは最初で最後になります。
築47年を経過し、維持管理に多額の費用がかかるのと、暖房設備が無く授業に使えないなどの理由で解体されるようです。



確かに、教室内は寒かった。。

床は、木をレンガのように敷き詰めています。
建設当時とは、学生の体格が違うので、机と机の感覚は少し狭く使いづらそうです。
建物内は、本当に教室でした。(笑!)

 


コンクリートの柱が、クロスして天井に伸びています。照明が、輪になって吊り下げられています。まるで天使の輪のよう。


でも
異様な熱気に包まれていました。



実はこの建物、ウルトラセブン第29話「ひとりぼっちの地球人」(68年放送)の中で、とある大学の建物としてロケに使われました。
それで、この日ゆかりの満田監督を招いて、トークショーと上映会が開催されるということで特撮ファン、建物ファン・OB・OGさまざまな思いの方がたくさん来ていました。

イベントが始まり、まず企画した史料館長の挨拶。建築当時の様子や、最近までのこの校舎の話など貴重なお話しを聞くことが出来ました。
中でも、「機能性を考慮しない斬新なデザイン」、「キャンパスの中央にファラオがあることの素晴らしさ」の話にたいそう盛り上がりました。

上映が始まり、興味はこのピラミッド校舎。
戦闘シーンの冒頭で、セブンがふらっとよろけて、あっけなく壊してしまうと、笑いの渦に包まれました。
そして終わり近くのシーンでは、すっかり元通り復元された校舎が映って、また笑いの渦。。

上映後、監督が登場し、撮影のエピソードや質問などに丁寧に答えていました。
監督の「壊される建物の中にいて、壊される体験をしたのは初めてだ。皆さんもそうですよね」のお話しに教室内は爆笑に包まれました。

 「シュワッチ!」

最後に、監督の掛け声に合わせ、全員参加で「シュワッチ!」の掛け声とポーズを決めて終了しました。

見学会開催に当り、準備等(内部清掃も)大変だったことと思います。
関係者方々に、ここで、お礼を申しあげます。
有難うございました。


■見学会
日時:1/12(土)12:00~15:30
    1/13(日)09:30~15:30
申し込み:不要

■上映会・トークショー
上映作品:ウルトラセブン/第29話「ひとりぼっちの地球人」(1968年)
日時:2008年1月13日(日)11:00~/14:00~ ※上映中の入退場不可
会場:中央教室(ピラミッド校舎) ※暖房設備なし
入場料:無料
申し込み:不要
協力:円谷エンタープライズ

中央教室は、建築物として貴重なものです。
一橋大学の兼松講堂は、1927年竣工で同じように空調設備も無く建物の痛みもひどかったようですが、関係者の尽力により見事に改修され、同大学のシンボルとして蘇りました。
安田講堂、早稲田講堂も、改修されました。
モニュメントとして建築された歴史あるこの教室を、大切に使う道を選べなかったことは、とても残念です。
またひとつ、歴史ある建物が消えようとしています。

◇学習院大学中央教室(ピラミッド校舎)
竣工 1960年
設計 前川國男建築設計事務所
所在 東京都豊島区目白1-5-1 

2008.1.13
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