残暑お見舞い申し上げます。
いつもお訪ねいただき有難うございます。
今年は、夏らしくない日々が続いて
心配です。
いかがお過ごしですか?
あっという間に 8月も半ば。
ちょと置き去りにした
裏庭へ…。
半年過ぎたので、ストーリーはすっかり頭から抜けてしまいました。
矛盾していることろは
あははと 笑い飛ばしてください。
いままでのあらすじは、こちら
魔女が池のほとりにやってきました。
きゃおきゃおへ言いました。
「王子の魔法は、王子が考えて答えなければ
解けないのじゃぞ」
「それは本当?
魔法缶を使おうとしたら
体が急に動かなくなって 眠ってしまったの。」
池の中で ぐるぐる王子が泳ぎまわり
きゃおきゃおが持ってきてくれた
お土産を高らかに 頭の上に載せて岸に近寄ってきました。
王子が差し出したのは
赤い薔薇と貝殻の入った小さな小瓶。
からからと 桜貝が揺れています。
魔女の瞳の奥に
ずっと昔 まだ魔女の見習いだった頃の
遠い記憶が甦りました。
いつも私は、あの東屋の下であなたを待っていた…。
白い砂を蹴って 風のように来てくれて
幸せだった。お誕生日に 一輪の薔薇をもらったっけ。
船乗りだった男は、また来るからという言葉を残して
去って行き 再び来ることはなかった。
残されたのは 楽しかった想い出だけ。
私は 立派な魔女になる。
もう 恋はしない。
魔女は 何百年もかけて 想い出を消して
魔法に磨きをかけたのでした。
「王子よ、よく似ていたのだ。
消えてしまった ある男に。
だから池に閉じ込めた。
どこへも やらないと」
池の中でぴちんと鯉の王子が跳ねました。
「赤い薔薇の花言葉は
情熱、愛情・あなたを愛します。
この小さな瓶に閉じ込めたのは
恋人達の恋の想い出。
謎にお答えします。あなたの名前は 《愛》。
魔女になるために 捨てた名前!」
「嫌いなのよ、その名前。」
「ああ、当たり!!」
鯉の王子は 静かに池の中へと沈んでいきました。
大きな泡が次々と浮かんで
池全体に大きな波紋が広がりました。
魔法は 解けたのです。
きゃおきゃおは、ほっとして
おばあさまの夏の家へと急ぎました。
つづく。??。