昨年12月のとある日、職場の先輩から電話が掛かってきました。
「歌舞伎の招待券をもらったんだけど、観にいかない?」
「えっ、行きたいです!!良いんですか?」
「当日、歌舞伎座の前で会いましょう」
「わー、嬉しい!」
と、ものの一声で歌舞伎を観にいくことになりました。ぐるぐるお偉さんの間を周り、巡り巡って私の元へ~♪
歌舞伎座解体のニュースが流れていたので、残念に思っていた矢先のことです。歌舞伎座は、一度も訪れたことがありません。中学の歌舞伎教室は、新国立劇場でした。
インターネットで当日のプログラムを見ると、開演は16時30分で終演が21時。
こんなに長いとは思ってもいなかったので、びっくり。
その後先輩に電話をして「夕食はどうしますか?お弁当?おまかせします」
ということでおまかせして、当日を迎えました。
席は1階。思ったより良い席で、きょろきょろ天井を見たり、脇の座敷席を見たり 落ち着きません。
この中途半端な時間。それに平日。なのに満員なのはなぜ?
緞帳が何重にも下がっていることも初めて知りました。
プログラムは
1 名鷹誉石切
2 高坏
3 籠釣瓶花街酔醒
始めは、上手に座る口上の歌い手と三味線の弾手に目がいってしまいました。
舞台の桜の木や衣装の美しいこと。
セリフも、耳慣れない言葉で ぼーっとしていると、不思議なことに
だんだん何を言っているのかが解るようになってきました。
同じセリフを言って、ポーズをとるのは 「見得を切る」って言うんでしょうか。
お弁当を取りにいき、座席で食べました。映画館のように、飲み物を置くスタンドがあると良いのになあ。
脇の座敷席には、ポットとお茶の用意がしてあります。差別化された席は、オペラ座のボックス席のよう。
せっかくなので、建物内を探検。
売店は品揃えが多く、うきうきして見て回りました。
食べ物の実演販売もありました。食べながら観るのが歌舞伎座流などといいながら販売しています。おいしそうなので焼きたてのきんつばを買い、客席へ。
歌舞伎でありながら、ラップのようなノリで舞う染五郎に拍手。
最後の出し物は、あでやかな花魁の悲しい恋の物語。TVではよく見る幸四郎の本来の姿に見入ってしまいました。
悲しいクライマックスに 悲しい出来事…。
真後ろに座っている年配の女性の食べ物を食べる音と、かばんをがさがさする音には開幕からずーっと不快感を持っていましたが最後の涙うるうるする福助演じる花魁の死の場面。
後ろにゆっくりと倒れる花魁の姿に感銘していると「あら~~ 体 柔らかいわね~~!」の声が。
先輩と顔を見合わせてしまいました。気をつけたいものです。
日本のオペラ… 実にドラマチックな歌舞伎でした。
先輩、有難うございました!!
2008.12.11
初めての歌舞伎座に舞い上がってしまい、建物の写真は撮り忘れました。
あー、残念。