見学会の昼食はどこにしようか
悩みに悩んで…。
六本木付近で食事の出来る場所で
行ってみたいところナンバーワンは 国際文化会館。
1951年、対日講和条約締結準備のために来日した特使に同行したジョン・ロックフェラーは、
ジャーナリスト松本重治をはじめとした日本の知識人・文化人と会い、国際協調の場の必要性を感じ、
ロックフェラー財団からの助成を得て、日本国内では知識人・財界からの募金をもとに国際文化会館は造られました。
建設用地は、江戸時代から幕末にかけて多度津藩(現香川県丸亀市)藩主京極壱岐守の江戸屋敷で、最後は三菱財閥四代目、岩崎小弥太の旧邸宅跡。
屋敷は戦災で消失し、京都の造園家 小川治兵衛がつくった庭園が残るのみで、
国有地となっていましたが、松本重治らの働きかけにより払い下げられました。
設計者は 前川 國男、板倉準三、吉村順三の三人。
それぞれル・コルビュジエ、アントニン・レーモンドなどに師事し、友人でありライバルでした。
一年をかけて互いの特徴を活かし、国際文化の交流の場所をつくりだしました。
1973年に老朽化のため建て替え案が浮上しましたがオイル・ショックのインフレで断念し、前川國男設計により増築されました。
2004年に会員の高齢化と法人会員の減少で経営危機に陥ったことと老朽化のため
解体建て替えが発表になると、海外の研究者から反対の声が上がり、日本建築学会が保存再生案を提案し、2006年に地震とバリアフリー対策を踏まえた案が採用されリニューアル。
その後運営は開かれたものになり、会員以外も、料飲施設並びに宴会場を利用できるようになりました。
レストラン SAKURAに電話して予約。
気心知れたメンバーで訪れることができることになり嬉しくなりました。
かつてのお屋敷へのアプローチ
開店直後で、店内は静か。
窓際の丸いテーブルに案内されました。
プリフィックスランチ
野菜のポタージュスープ バジルの香り添え
柔らかく煮込んだ牛バラ肉と野菜のポトフー 粒マスタード添え
和風デザートの盛り合わせ
(抹茶おはぎ・蕨餅・抹茶アイス・胡麻団子)
庭園は、ガーデンパーティの準備中。
都心の一等地とは思えない空間です。
風に吹かれながらティーラウンジのテラス席で、のんびりお茶を飲む人の姿が
とても優雅に見えました。
訪れる人に安らぎを与えてくれる建物…
あっさりと取り壊されて消えてしまう建物が多い中、保存再生された幸せな建物を
中と外から楽しんできました。
◇国際文化会館
竣工 1955年
設計 板倉準三+前川國男+吉村順三
所在 東京都港区六本木5‐11‐16
続く…。