海の記念日に開催された東京海洋大学(越中島キャンパス)一般公開に行ってきました。
駅前とはいえ、家からはあまり交通の便が良くなく、なかなか訪れられなかった場所です。
正面入口受付で、「海の日」記念行事のパンフレットとキャンパス内史跡めぐりパンフレット、そしてブルーのうちわを頂きました。
品川キャンパスヘの連絡バスも出ていました。雨が落ちてきそうな空模様。さえないお天気のせいか、人出もまばらです。
1号館(本館)
大学の歴史は古く、1875年に三菱商船学校として開校し、戦後東京商船大学となり、
2003年に東京水産大学と統合しました。
越中島キャンパスには、歴史ある建物が多く残っています。
1号館屋上には、航海船橋を模した建造物や気象観測室があったそうです。
第一観測所
以前知り合いのスケッチで見た、この小さな建物が見たくて来たのでした。
レンガ造りの天体観測所。八角形の小さな建築物。
屋根の半円ドームは、かつて手動で360度回転し、
内部には東洋一といわれた最新鋭7インチ天体望遠鏡がありました。
航海天文学の研究用に使用されていましたが、1945年米軍に校舎接収の際に撤去されました。
使われていた頃は、きっと周囲にはこんなに木々は無かったはず。
第二観測所
こちらは屋根も八角形。
内部に子午儀を備え、子午緯方向にだけ動く望遠鏡が設置され、精密に時刻を測定記録する印字機が置かれていましたが、
これも米軍によって撤去されました。
航海には、天文学が必要だったのですね。
建物内は、今はがらんどう。何度もぐるぐる歩き回ってみましたが
ロマンが消えていきそうなくらいの藪蚊の襲撃にあい、撤退しました。
百年記念講堂では、OBの方が楽しそうにボランティアとして活躍していました。
ロープワークの手品を教えてもらいました。
「結び KNOTS」(財)帆船日本丸記念財団発行 というロープワークの小冊子を購入。
帆船時代に考案されたロープの結び方が載っていて、面白そうです。
家で練習してみようっと。日常生活にも役立ちそう。
手作りの厚紙に貼った、もやい結びと巻き結び、引き解き結び(トラックの荷締め)のカラーワイヤー見本を頂きました。
内燃機関工学実験室を見学。建物内はとても暑いです。
船のエンジン、とてつもなく大きいのでびっくり。
明治丸
キャンパスの芝地の奥に どーんと見えます。
1873年(明治6年)日本政府が発注し、英国グラスゴーのネピア造船所で灯台巡廻船として建造された補助帆付汽船で、現存する国内最古の鉄船です。
1897年に商船学校に移管され、教育訓練の場として活用されましたが、
1964年に構内に陸上固定され、1978年に重要文化財に指定されました。
1980年から1988年にかけて修復工事が行われました。
説明文は、史跡めぐりパンフレットよりの抜粋です。
なんだか今回は、社会科見学風になってしまいました。
天体観測所、思ったより小ぶりで味のある建物でした。
東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大学)
所在◇東京都江東区越中島2-1-6
■1号館(本館)
竣工 1932年
設計 文部省+大蔵省
■第一観測所(旧赤道儀室)
竣工 1903年
設計 三橋四郎
■第二観測所(旧子午儀室)
竣工 1903年
設計 三橋四郎
2009.7.20