きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

旧朝吹山荘 睡鳩荘

2009-08-29 | 西洋館
小さな島の木々の間から
洋館が見えるので、湖畔を時計回りに歩き出しました。

実業家 朝吹常吉の山荘として建てられ、その後長女のフランス文学者登水子さんが長く使われた建物だそうです。
二手橋(軽井沢)先の崖地に建っていたものを解体移築し、2008年夏公開されました。

湖側のテラス脇にある玄関から
おそるおそる中に入ると
重厚な家具や調度品が、やさしく迎えてくれました。
上質な暮らしぶりが目に浮かびます。

2階のバルコニーに出てみると
まるで初めからここに建っていたような
そんな錯覚を覚えます。



















竣工 1931年
設計 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
所在 長野県北佐久郡軽井沢町塩沢湖217(軽井沢タリアセン内)

2009.8.6
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見学番外編

2009-08-26 | 日本建築




ノムさんのぼやき風。

先週一週間は、体調が悪く最悪でした。
夏ばてかもしれない。

土曜日、成城学園まで行ったついでに、かねてから訪ねたかった場所へ
バスに揺られて行ってみました。
うっそうとした傾斜地の庭を持つ邸宅。

旧小阪家住宅

門を入り、もう ショック。








今年3月に耐震上の問題で公開中止との立て札が立っていました。
せめてお庭でも…と、門をくぐってすくみました。
肉片らしいものをくわえた大きなからすと目が合ってしまいました。
木々が繁り、見通しの悪いうっそうとした庭は、人影もありません。
ぽっちゃり系の私は、身の危険を感じて引き返しました。(笑!)
調べて出かけたはずなのに、こんなことになるなんて…。

近所の美術館でも、と立ち寄ったら、なんと日曜日まで夏季休館。
ついていません。
ゆらゆらバスに乗って二子玉川へ。
この日は多摩川の花火大会!ということに渋滞のバスの中で気がつきました。
バスは、じりじりと進みます。
ついていないなー。

有楽町国際フォーラムでのイベントに間に合いそうなので
大井町を目指して
二子玉川で見たい場所が有ったのに、気が動転して
さっさと電車に乗ってしまいました。
大井町まで 距離感がわからず東急線に乗って
思ったより遠いことに気づいたけど
後の祭り。

途中急行に乗り換え、イベントにはぎりぎりセーフ。
もう写真を撮る元気も無く、帰路に着きました。
いつものパワー(?) まったくありません。


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レーモンド 軽井沢夏の家

2009-08-23 | アントニン・レーモンド
建物に近づくと、よく観光地にある顔を出して記念撮影をするパネルがどーんと置いてあり、おもわずひいてしまいました。
ここは、ペイネ美術館。いたしかたないのかな。
せっかくの全景を楽しむことが出来ません。

建築当時、物議を生んだ建物ですが
今はひっそりと佇んでいます。








 

内部は、ペイネの作品が所狭しと展示してあるため
印象は薄れ気味。もう少しゆったりとした展示のほうが
作品の良さを引き出してくれるような気がします。
カーテンの下りた室内は、少し違和感がありました。
居間にあるなだらかなスロープを上りながら
星薬科大学の大掛かりなスロープを思い出しました。
開放的な 良い空間です。

すだれがきっちり下がっているため
本で見た、開放的なイメージが
今はないのです。
美術館ですから、作品保護のために仕方ないですね。

資料等を閲覧する部屋があり、3方の窓が開放されていて
ここだけは オリジナルの雰囲気を楽しむことが出来ました。
私もそうですが、皆さん、ゆっくり腰掛けて休憩していました。
通り抜ける風が実に爽やか。

外壁の色は妙に明るい茶色で違和感がありました。
オリジナルの色なのかわかりません。
木造建築のため痛みがひどく、大穴が開いていたのが気になります。

「夏の家」…本に載っているモノクロ写真には
家の前の流れ落ちる水と戯れる子供の姿が写っています。
屋根は萱葺きで、窓は全開。
そして一番の違いは、高いコンクリートの土台の上に建っていること。
傾斜地を利用して建てられた建物だったようです。
なにか、大切なものを亡くしてしまったような
そんな気がしてなりません。

ああ、でもあのパネル、やめてもらいたい…。


湖にかかる橋を渡り小さな島へ。






◇夏の家(現 ペイネ美術館)
竣工 1933年
設計 アントニン・レーモンド
所在 長野県北佐久軍軽井沢町塩沢湖217
   「軽井沢タリアセン」内

2009.8.6
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短い夏休み 霧の中へ

2009-08-22 | 
谷あいの崖地に建つ温泉宿に着いて、夕食後、そぞろあるきを楽しみました。
土産物屋は早々と閉まり、人通りもまばら。

温泉は、無臭で鉄分が多く 茶褐色。
時折深い緑色に見えます。
源泉で飲んだら、血の味がして 飲み込めませんでした。
階段がうりの、歴史ある温泉 伊香保温泉です。

 

 


夜更けに降った雨も上がり、宿を後にしました。
榛名湖目指して 車はぐんぐん峠を上ります。
霧に包まれて 雲の中を進んでいるよう。
ロープウェイも 視界が悪くて
判ってはいたけれど ひどくがっかり。
乗らなければ良かった~。

にびいろの湖の遊歩道を
どこまでも歩いてみたい気がしました。









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短い夏休み

2009-08-19 | 
高速道路があまりにも空いていたので
ちょっと方向変換して
「碓氷峠鉄道文化むら」を訪れました。

子供が小さい頃は
子供が喜ぶかなって何度か来ましたが
あらためて 実は
私は電車が大好きだった…ということに気づいたのでした。





  

大好きだったトーマスに再会~♪

暑いので トロッコ列車に乗って旧丸山変電所へ。
以前はレンガの壁だけ残る廃墟だったのが
すっかり綺麗に復元(外観のみ)されていました。 

レンガの廃墟 好きだったのにな。














■旧丸山変電所(重要文化財)
竣工 1911年
所在 群馬県安中市松井田町横川



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三溪園 古建築全17棟一般公開

2009-08-16 | 日本建築
久々に晴れた休日。
横浜開港150周年記念企画の一般公開に行ってきました。
最寄り駅から少し遠いので、車で出かけました。
お盆休みの土曜日、首都高はがらがら。
早く着いたけど三溪園の駐車場は満車で、近くの細い道は大渋滞。
車で出かけると往復は楽だけど、停めるところに悩みます。

正門をくぐってすぐに、蓮池がありました。
蓮の花を見たのは初めてで、あまりにの大きさにびっくり。

三渓園の歴史はこちら

初めに見学したのは、鶴翔閣。
私邸でこれほどまでのものを造ったことに
驚いてしまいました。
装飾は華美ではありませんが、上質な空間です。



 

 




臨春閣に入って、ここが横浜であるということを忘れました。
移築された壮大な建物です。





建物内は、三脚・ストロボは禁止ですが撮影はOK。
楽しく写真を撮り、建物17棟すべて見学して
ぐるぐる4時間あまり園内を散歩しました。
見学者が多くて、思うように写真が撮れないのが残念でした。

傾斜地を利用した景観の良い建物を見ていると、
深山にいるような錯覚に陥ります。

 




茶室や寺院に驚いていたら、最後に白川郷の合掌造りに
言葉がありませんでした。
おそるべし、三渓園。







蝉が胸騒ぎするくらい
大きな声で鳴いていました。
森を渡る風、暑さを忘れさせてくれます。

ああ、本当に ここは どこ。







三渓園HP
所在 神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
◇横浜開港150周年記念企画・公開
2009.8.1~8.16

2009.8.15

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裏庭Ⅴ 謎

2009-08-15 | 裏庭

残暑お見舞い申し上げます。





いつもお訪ねいただき有難うございます。
今年は、夏らしくない日々が続いて
心配です。

いかがお過ごしですか?
あっという間に 8月も半ば。
ちょと置き去りにした
裏庭へ…。

半年過ぎたので、ストーリーはすっかり頭から抜けてしまいました。
矛盾していることろは
あははと 笑い飛ばしてください。

いままでのあらすじは、こちら

魔女が池のほとりにやってきました。

きゃおきゃおへ言いました。
「王子の魔法は、王子が考えて答えなければ
解けないのじゃぞ」

「それは本当?
魔法缶を使おうとしたら
体が急に動かなくなって 眠ってしまったの。」

池の中で ぐるぐる王子が泳ぎまわり
きゃおきゃおが持ってきてくれた
お土産を高らかに 頭の上に載せて岸に近寄ってきました。
王子が差し出したのは
赤い薔薇と貝殻の入った小さな小瓶。

からからと 桜貝が揺れています。
魔女の瞳の奥に
ずっと昔 まだ魔女の見習いだった頃の
遠い記憶が甦りました。



いつも私は、あの東屋の下であなたを待っていた…。
白い砂を蹴って 風のように来てくれて
幸せだった。お誕生日に 一輪の薔薇をもらったっけ。
船乗りだった男は、また来るからという言葉を残して
去って行き 再び来ることはなかった。
残されたのは 楽しかった想い出だけ。

私は 立派な魔女になる。
もう 恋はしない。

魔女は 何百年もかけて 想い出を消して
魔法に磨きをかけたのでした。

「王子よ、よく似ていたのだ。
消えてしまった ある男に。
だから池に閉じ込めた。
どこへも やらないと」



池の中でぴちんと鯉の王子が跳ねました。
「赤い薔薇の花言葉は 
情熱、愛情・あなたを愛します。

この小さな瓶に閉じ込めたのは
恋人達の恋の想い出。

謎にお答えします。あなたの名前は 《愛》。
魔女になるために 捨てた名前!」

「嫌いなのよ、その名前。」

「ああ、当たり!!」

鯉の王子は 静かに池の中へと沈んでいきました。
大きな泡が次々と浮かんで
池全体に大きな波紋が広がりました。

魔法は 解けたのです。

きゃおきゃおは、ほっとして
おばあさまの夏の家へと急ぎました。

  



つづく。??。









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前川國男邸

2009-08-13 | 戦後建築





建築家前川國男の自宅として建てられた建物です。
戦時中の物の無い時代の建物だとは思えないモダンな造りです。
中央に居間を挟んで、左右に寝室、浴室、台所を配置。
廊下の少ないシンプルな間取りとなっています。
大きな回転ドアを過ぎると 吹き抜けの伸びやかな空間 居間が広がっています。
ボランティアのかたが、窓の秘密などを説明していました。












たてもの園の中でも、ひときわ好きな場所です。
ソファーに座ると、心地よい風が通り過ぎていきます。
お昼を過ぎると、ボランティアの方が休憩に入り
静かなひとときを過ごしました。





美の巨人たちの取材風景で、モデュロール兄弟の写真が展示してありました。
8/22 放送されるそうです。
■建築シリーズ 前川國男「前川國男邸」

左手のモデュロール
ここに息づいています。


設計 前川國男
竣工 1942年(復元 1996年)
所在 東京都小金井市桜町3-7-1(江戸東京たてもの園)

2009.7.19
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東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大学)・観測所

2009-08-09 | 近代建築
海の記念日に開催された東京海洋大学(越中島キャンパス)一般公開に行ってきました。
駅前とはいえ、家からはあまり交通の便が良くなく、なかなか訪れられなかった場所です。
正面入口受付で、「海の日」記念行事のパンフレットとキャンパス内史跡めぐりパンフレット、そしてブルーのうちわを頂きました。
品川キャンパスヘの連絡バスも出ていました。雨が落ちてきそうな空模様。さえないお天気のせいか、人出もまばらです。







1号館(本館)

大学の歴史は古く、1875年に三菱商船学校として開校し、戦後東京商船大学となり、
2003年に東京水産大学と統合しました。
越中島キャンパスには、歴史ある建物が多く残っています。
1号館屋上には、航海船橋を模した建造物や気象観測室があったそうです。



第一観測所

以前知り合いのスケッチで見た、この小さな建物が見たくて来たのでした。
レンガ造りの天体観測所。八角形の小さな建築物。
屋根の半円ドームは、かつて手動で360度回転し、
内部には東洋一といわれた最新鋭7インチ天体望遠鏡がありました。
航海天文学の研究用に使用されていましたが、1945年米軍に校舎接収の際に撤去されました。
使われていた頃は、きっと周囲にはこんなに木々は無かったはず。




 
 




第二観測所
こちらは屋根も八角形。
内部に子午儀を備え、子午緯方向にだけ動く望遠鏡が設置され、精密に時刻を測定記録する印字機が置かれていましたが、
これも米軍によって撤去されました。
航海には、天文学が必要だったのですね。

建物内は、今はがらんどう。何度もぐるぐる歩き回ってみましたが
ロマンが消えていきそうなくらいの藪蚊の襲撃にあい、撤退しました。

百年記念講堂では、OBの方が楽しそうにボランティアとして活躍していました。
ロープワークの手品を教えてもらいました。
「結び KNOTS」(財)帆船日本丸記念財団発行 というロープワークの小冊子を購入。
帆船時代に考案されたロープの結び方が載っていて、面白そうです。
家で練習してみようっと。日常生活にも役立ちそう。
手作りの厚紙に貼った、もやい結びと巻き結び、引き解き結び(トラックの荷締め)のカラーワイヤー見本を頂きました。



内燃機関工学実験室を見学。建物内はとても暑いです。
船のエンジン、とてつもなく大きいのでびっくり。





明治丸

キャンパスの芝地の奥に どーんと見えます。

1873年(明治6年)日本政府が発注し、英国グラスゴーのネピア造船所で灯台巡廻船として建造された補助帆付汽船で、現存する国内最古の鉄船です。
1897年に商船学校に移管され、教育訓練の場として活用されましたが、
1964年に構内に陸上固定され、1978年に重要文化財に指定されました。
1980年から1988年にかけて修復工事が行われました。
説明文は、史跡めぐりパンフレットよりの抜粋です。
なんだか今回は、社会科見学風になってしまいました。
天体観測所、思ったより小ぶりで味のある建物でした。


東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大学)
所在◇東京都江東区越中島2-1-6

■1号館(本館)
竣工 1932年
設計 文部省+大蔵省

■第一観測所(旧赤道儀室)
竣工 1903年
設計 三橋四郎

■第二観測所(旧子午儀室)
竣工 1903年
設計 三橋四郎

2009.7.20

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国立科学博物館 ハーブガーデン

2009-08-04 | 屋上
気になっていた場所へ行ってみました。
大好きな 国立科学博物館の地球館屋上にある
ハーブガーデン。




ウッドデッキに囲まれた小さなハーブガーデンです。小さいながらもさすが科博。種類は多いです。
お料理に使ってみたい。





そして大好きな小川三知のステンドグラスを見て







建物をぐるっと見て 帰ってきました。
かすかにステンドグラスが見えて どきどき。





建物正面は工事中で撮りませんでした。
今はもう夏休み。さぞ混んでいるのでしょうね。


竣工 1931年
設計 文部省
所在 東京都台東区上野公園7-20

2007.7.5
コメント (24)
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東京女子大学 本館(旧図書館)

2009-08-01 | アントニン・レーモンド





刻まれた文字はラテン語
「すべて真実なこと」
ここが真理探求の場であることの意



昨年秋のオープンキャンパスで訪れた時は、関係者以外立ち入り禁止の立て札がありましたが、今回は「新渡戸記念室 特別公開中」との掲示がありました。
入り口扉や照明に心奪われながら、階段を昇っていきました。









 

2階、3階と吹き抜けになっていて、その明るさに驚きました。
図書館というと、薄暗いイメージがありますが ここは違います。

東京女子大初代学長の名を採った記念室。
設立の歴史と建学の精神に触れることができます。
写真撮影は禁止だそうです。

窓ガラスは、凸凹のある透明度の低い型板ガラスを使い、芝の緑がぼんやりと見えます。外が見えないのは、読書に集中できるようにとの配慮なのでしょうか。松葉をかたどったステンドグラスが、伸びやかな窓を飾っています。
ちょっと独房のような東寮の再現や、戦時中迷彩食に塗られたチャペルの写真など、興味深い資料が並んでいました。


◇東京女子大学■旧図書館(本館) 
設計 アントニン・レーモンド
竣工 1931年



2009.7.19
コメント (10)
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