チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

勝てばいいの?

2009年01月26日 11時32分05秒 | 日記
相撲は神事。
五方向をきちんと納めるためにある

土を塩で清め
水で体内を浄化し
一般人に成り代わって
力士が天地人のエネルギーを
強めてくれる

初場所は特にめでたい
とチャコちゃん先生は思っていた

歌舞伎の市川家が
不動明王に成り代わり
年の初めに睨みを利かせてくれるのも
一年の庶民の幸せを祈ってのこと

ああそれなのに
マスコミあげて
「勝てば官軍」のもてはやしよう

土俵での体を叩いてのパフオーマンス
みんなやんやとはやす

あれ横綱のやること?
時代が変ったといっても
横綱は強くて当たり前
しかもどっしりと受けてたつのが美しい

前に
ある横綱の紋服を見たことがある
其の羽二重の質の良さに仰天した
どっしりとした風合い
深くて品の良い黒
つい手が出て触ったが

きものの仕事を何十年もしている身でも
あんなにすばらしい羽二重の紋服は珍しい

職人達の魂が宿っていた
ココに日本の手仕事の凄さを見る

化粧まわしもそう
一針ヒトハリの刺繍技の結晶が
気品のある化粧まわしになり
それを身に付けている横綱に格がでる

取り組みにも
存在感だけで相手を威圧する気迫があり
さらに受けてたつ取り組みは
どこからせめてもオーケーの万全さ

そうすると
日ごろの稽古や
日常の立ち居振る舞いから
人々の尊敬を集め
さらに
腹の据わった勝負が出来るようになっていなければならない

コレで初めて
神事としての相撲が成り立つ

アアそれなのに
勝てばいい
強ければ何しても許される
相撲も格闘技としてみるしかありませんの?

土俵上の裸に
本当の品格が出ることを自覚しろよなオイッ

そして
其の裸を包むものに
日本の手仕事の粋を集めた芸術があることも
知ってほしいワン
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