チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

婚礼衣装

2011年05月03日 14時02分18秒 | 日記
緑滴る田園のような庭を眺めながらアフタヌーンテイを楽しんだ
ここは大隈重信の屋敷あと
近くに大隈講堂の時計台が見える
と其処へ花嫁花婿登場!
撮影会だ

打掛姿の花嫁に黒紋付の花婿
まず階級の格差がここにある

つまり打ちけ衣装は武家夫人の礼装だ江戸時代の装束
それに対して黒紋付は明治の町民の礼装
これだけでも女の方が身分が高い
こういう階級バランスの崩れた婚礼衣装を
チャコちゃん先生激しく糾弾し続けているのだが
一向に効き目が無い

ふーーとのんびりしていたのにその二人の姿を見て
俄かに怒りがこみ上げて来てしまった
しかもカメラマンやスタイリストのネーちゃんたちが
アレコレ二人にポーズをつけるのだが
それがまたとんでもないルール違反

花嫁と花婿は立つ位置がちゃんと決まっている
東京は花婿向かって右
これはお雛様の並び方と一緒

ロイヤルウエデイングでも向かって右にウイリアム王子がいたでしょうに
なのに花婿を向かって左にしたり右にしたりといい加減

結婚衣装に日本の衣装を選択したのなら
儀式にのっとって美しく決めて欲しい
其れが伝統の美ということ

それにしてもあの花婿の羽織の紐のお品の無いこと
チャコちゃん先生ぎしぎし歯を鳴らす

もうひとり憤慨している女がいた
サチコだ川辺サチコ

「打掛にあのリボンなんで許されようか花婿のヘアスタイルも馬だよアレは」
とこちらは速く立ち上がる
一緒にお茶している「こけし」が
「ま、めでたいお日和だから今日のところはーーね」
「まあね私達の撮影ではないのだから」
「個人の好みだからーー」
と鉾を収める

それにしても根本がおかしくなっていれば
先へさきへと大きく間違ってとんでもないことになってくる
「私達もすでに前の世代に言わせればいい加減なところがあるのだから」
「きちんと残すべきところは残すように声を大にしていかないと」
「それには更に勉強ね」
「死ぬまでやることいっぱい」

やっと落ち着いてロイヤルミルクテイのお代わり

「じゃあ比佐子ちゃん花嫁と花婿同格にするには何をきるの?」
「花嫁が打掛なら花婿は裃、男が紋付なら女も黒紋付の振袖」
「アアそうだわね」

「サチコちゃんヘアスタイルは」
「花婿ちょんまげとはいかないから花嫁の頭を小さめの日本髪に
そして黒紋付の振袖では日本髪が良く会うけど大振りのアップでもいい」
「バランスと時代感覚ね」

「基本的におんなが格調高く美しく見えるように装うのが婚礼衣装なのね」
と小芥子なにやらうらやましそう
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