チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 253

2019年10月28日 11時33分32秒 | 日記
帯付きの季節
このシーズンは羽織るものもいらないので帯を楽しめる
着物は紬や小紋にして帯に主張をさせる楽しさがある

着物をつくる技術者が年々減っている
いつの時代から見て年々減っているのかが問題
高度成長期、バブル期から見てそのように考える人が多いが
あの時代が異常だったと思えば技術者の数の心配はいらない
消費者も着物持ちすぎだったから

江戸時代を見ると大きな商いをしていた呉服商は何軒もない
その多くが後に百貨店になった
新しい着物を買える層はそんなには多くなかった

古着屋や担ぎ屋という商人が持っている着物を自分で修理し縫って着ていたのだ
悉皆屋という職業は業者のものを扱い、また各自の高級着物の手入れをしていた
悉皆屋を通じて刺繍、紋入れ、引き染、友禅職人、仕立て屋たちがいたのだ

着物を帯にしたり、羽織に仕立てかえたり、また布団にしたりと「くりまわし」という方法も着物ならではの特徴。みんながみんな新しいものを買い漁っていたわけではない

だから着たときの雰囲気を変えるためには帯が大活躍
帯の素材も繻子織から塩瀬、縮緬、紬、に染職人たちが腕を振るう
また織の帯も錦や綴れなどなど種類が多くそれぞれの機屋は古代からの文様の研究に精を尽くした

流石にと言おうか染めの帯は東に多く、西は織の帯を締める人が多い

帯の楽しさは季節を締めることだと思う
それは自分だけの楽しみではなく眺める人にも季節を思い起こさせて和む
どんな柄を帯にしてもよい、それはそれぞれの楽しみだから
帯付き季節だからこそみんなで楽しみたい

季節のわからないようなこの時代だからこそ旬の味わいを帯で見せることができる
着物って味わい深いね

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