チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物を繋ぐもの 84

2019年01月19日 20時38分19秒 | 日記
浴衣が苦手
浴衣が似合わない
浴衣を着る場所がわからない

ある時
「私浴衣がとても苦手です。なにか着こなせない」
竺仙で浴衣を見ながらつぶやいていると
「比佐子さんどういう風に苦手なの?」
「体がシャントしないんですよ襟元も腰も決まらないのです。さらにこの半幅の結び方がどうも手に負えない
帯の位置が定まらない感じがして、裾がすぐ開いてしまうのも不安材料
襟がどこまでもぼんやり開いていくのも落ち着かない」

いろいろと苦手材料をぶち曲げていたら
「浴衣を品よく着こなすことができたらもう着物はなんだってすてきにきられる。比佐子さんはまだそこに到達していないのかもしれないね」
魚釣りが鮒に始まって鮒に落ち着くというように
着物も浴衣に始まって浴衣に終わるのかもしれないなと思った
(そして今もまだ浴衣が苦手きものの途上人間だ)

そしてそれからしばらくして
「むかし縮緬浴衣というのがあってね木綿の浴衣を着ない階級の人が着ていたの」
「その階級って上流階級ですか?」
「いや芸者さんやお妾さん」
「これは絽縮緬だけどこういう感じの浴衣を素肌に着ていた時代がある」
「これ素敵普通にも着られますよね」
「普通に着ないのが粋なんだよ」
「わおー」

早速絽縮緬に越後型を染めていただいて素肌に着てみたが気持ちの良さは格別、帯結びは文庫にしたら似合わず片流しにして初めて落ち着いた

このときの感触があるので最近は麻の着物を素肌に着て片流しの帯結びで浴衣代わりの着方をしている
それにしても昔の人はなんとおしゃれ(つづく)

# 浴衣 #絽縮緬 #妾
 


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