チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

龍神

2011年06月25日 17時58分08秒 | 日記
山ちゃんのきものは
墨流しの模様の中に竜神様が3柱もいる
そのきものを着てくるたびに雨を呼ぶ
そしていま雨が降り始めた
雨は財なので嬉しいが
今日はもうがっかり

何故なら
ここ2・3日の暑い日遊びほうけていて
チャコちゃん先生のルーフバルコニーは水が不足でカラカラ
昨日から気になっていたが夕方から出かけるところがあり
知らん振り

そうしたらなんと今朝見たら
紫陽花もバラもみんなしおれて打ちひしがれていた

「ごめんごめん」
着ていたきものの上からモンペを履き
セットの出来ている頭に麦藁帽子をかぶり
長靴はいて太陽の照りつける中ジャージャーと水撒き
暑いたらありゃあしない
かんかん照りだもの

水を撒いて、やっと心も落ち着きヤレヤレ
もう大仕事だ
「比佐子つれづれ」の下準備もわき目も振らずに集中し
ヨシダが着ている着物を剥いで
刺繍襟の美しい着方を伝授
彼女は今日のモデル
今日は「半衿」についてアレコレ勉強した

いつものごとく山ちゃんがこっそり静かにチコクして表れ
「やや龍神のきものだ」
と思ったらなんと暫くして外は雨

だったら山ちゃん朝10時頃現れてくれれば
水やりしなくてすんだじゃあないの
といいたくなる

この竜神様のきもの
先月も雨を呼んだ
これから梅雨が終わり雨のほしい地域は
山ちゃんの龍神さまのきもの姿を配達しようかな

墨流しなので
龍の目をみんなで探す
このきものは高橋孝之さんの作
一反の長さの容器に染料を流し其処へ反物を張る
一瞬に染まるのだが
染料に漬けすぎていてもその逆でもきものの柄にならない

実に神経を使う染だ
しかも計算道理に行かない自然の気のまま
ヘタに人間が計算できないだけ出来上がりに趣がある

「龍が飛び込んできた感じの染め上がりなんだよね」
この一言に山ちゃんが飛びついた

「龍の目を上手に活かしたかったのでアレコレ柄合わせが楽しかったわ」
と仕立ての矢澤先生

関わった人たちが思いをこめて作り上げるって
ほんとうにきものが生き生きしてくる
これで山ちゃんの風邪も完治

しかしチャコちゃん先生の労働はどう解釈する?
くたびれもうけ?

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