チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

晩秋

2021年11月11日 10時29分15秒 | 日記
イチョウの葉が色づくと秋も終わりだなあと感じる
今朝の散歩では新宿はまだイチョウの葉は青々としている
しかし一昨日行った浜町のイチョウ並木は三分の一は色づいていた
場所によっては紅葉の仕方も様々
自然はその違いを如実に見せてくれる

しかし今
人間はみんな一様に同列平等を求めている。同じ木でも場所により太陽の光の受け方で微妙に違う、そこが個性だ

日本人は個性的でなくなった
もっと各々が光っていて面白かった時代を知っている
「日本沈没」という小説を書いた小松左京は、日本人が個性を失うことで、日本という国が無くなっていくのを、感じていたのだろうか
ある日気が付いたらみーーーんな一緒
時々テレビを見るとタレントの顔も話し方も一緒、誰が誰ってわからない
切りそろえられた芝生のようだ
上にいる人が使いやすい人がタレントに向いているのだろうか

この季節同じ場所に育った木々の葉も赤や黄色、そしてまだ青々とした緑がそれぞれ織りなしていて、光に向かってキラキラ輝いている。だから見飽きない。その下を歩いている人間はチャコールグレイの衣裳に白いマスク、下を向いて黙々と同じ方向に歩幅も同じように歩いていく

個性的にというと、一気に髪をオレンジに染めてみたり、真っ赤なズボンをはいて人との違いを強調するが、それは個性的とはいいがたい
人と違うことをするのが個性でもない
多数決というのも個性的ではない
みんな同じがいいということだ、嘆いても仕方がないが、個性ある人々が輩出しないと文化はすたる。文化のない国は亡びる

晩秋の美しさに会うと個性美を尊重したいと思わされてしまう
人生の終わりもかくありたいと願う


コメント
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