チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

伝統の技

2008年11月12日 10時00分07秒 | 日記
昨日は江戸刺繍の審査会
毎年質の良い作品が集まる
昨日も都知事賞同点決戦
理事長賞同点決勝
他にも一票違いなど競っている

其の中で
ひときわチャコちゃん先生の目を引いたのは
「オランダ返し、市松縫い」
もちろん見たことはあるが
こんなにセンスある作品は初めて

こんもりとしたつくりで
立体感があり
見ているだけで豊かな感じになる

黒いビロードの地に
白と黄色のボカシで乱菊を描いている

会社の紋章
関取の化粧回し
昔は緞帳などにも使われていたという

今この技法を継いでいるのは都内に一軒
もともと東京の技術らしいので日本に一軒となる

優秀賞に入ったので
どういう方かと聞くと女子美の大学院生
其の一軒に弟子入りしての応募

このオランダ返しの手法で廻しを作るのが
横綱のステータス
なんと大鵬や柏戸は50枚以上の
この化粧回しを持っていたという
相撲博物館に行くと其の中の一部を
目にすることが出来る

「大鵬、柏戸、若乃花はいい化粧回しをもっていましたよ」
大体「白木屋」が窓口で
タニマチが注文したという
なぜなら「白」は勝ち星の「しろ」になるからーー

その白木屋も今はない

五年前
国技館に行ったとき
相撲取りの化粧回しが
パンダやきらきら光るのや何か下品だった

「いまは力のあるタニマチも少ないし関取も軽い感じですものね」
化粧回しをこのオランダ返しで作ると
一枚150万円はかかるそうだ

がんばってこの技術を残すお金を稼ぎたい
とりあえず
「この手法で帯を作ってください」
とお願いしてしまった

次期横綱で
コレという力士が居たら
みんなでお金出し合って
オランダ返しの化粧まわしを贈呈したい

ついでながら
輪島にも力のあるタニマチが付いていて
龍の化粧まわしを作ったとき
玉は本翡翠、目は??キャラットの大きいダイヤ

そういう化粧まわしを土俵上で見ることの出来た頃は
日本も豊かであったし
相撲界も品格があった


コメント
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