チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

災い転じて福となす

2008年11月10日 09時36分12秒 | 日記
きものサミットIN結城
11月8日無事終了
よく分からないが
一日かけて産地のこと、きもののことを
じっくり話し合う会にすべきであると思った

ところで
パネラーのチャコちゃん先生
アレコレ三人の紳士に決めていただいた無地の結城に
東京友禅で5つ紋を描いてもらうべく
懇意の染織家に依頼

後ろ紋は松竹梅
後ろ袂は松
胸は紅梅
八卦は笹

と図案も決めてワクワク待っていた

「比佐子さん先生自らお持ちになりました!綺麗ですよ」
と加奈子からの電話
スキップして帰り反物を広げる

やややーーー・???

五つ紋であるべき柄が全て裾や胸後ろ肩に描かれ
完全な訪問着に染め上がっている
広げただけで余りの派手さにガックリ
ショック

染織家に
「どうしてこうなったんでしょう」

結局お互いになーなーになり、馴れ合って確認を取り合わなかったのが原因
「描きたくて描きたくてということでしょう、舞台衣装と割り切れば?」
とタナカ

しかしチャコちゃん先生期待が強かった分立ち上がれない
しかし日は迫っている
白の通し裏にして派手さを押さえよう

仕立てあがった着物を見て驚いた
派手ではなく「ほんのりはなやか」という状態になっている
コレも結城の素材が持つ品格であろうか

「この扇面柄がなきゃね、それに紅梅がチョット幼稚」
とまだ腑に落ちないチャコちゃん先生
其処へ
「きものできた?明日よろしくね」
と奥順の専務から電話
「首から下二十代で行きます」
「なによそれ」
「見れば分かる、お饅頭買っといてね」
ショックなくせに食い意地は弱っていない

そして当日
「結城紬は素材を活かしこのように染めの着物にしても品格がある」
と奥澤専務の言葉で会場大拍手
「これからは絣という技術にこだわらず、素材の良さをもっと生かそう」
という案も採択

きものは化け物
着る人の意識によって
年齢など吹き飛ばしてしまう

先ずはめでたし
しかし馴れ合いで仕事をしないこと
この教訓は活かさねば
コメント
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