宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

物質的ヴァイブレーション ~ 葦原瑞穂氏

2012年03月08日 | 精神世界を語る
 
どんな本でもそうだけど、葦原瑞穂氏の「黎明」を読むためには、使われている独特の用語に慣れなきゃいけない。その最たるものは「物質的ヴァイブレーション」という言葉だろう。これが、実に良く出てくる。では、「物質的ヴァイブレーション」とは何を意味しているのか。本文からアチコチ引用してみると、

>このように粒子という概念は、自然界に表現されている物質レヴェルの波動を、ある時間軸にそった瞬間の断面で参照していった時に観測される状態を、心の中に理解できるような形で投影した映像のひとつなのですが、人間がより高いエネルギーの領域に意識を向けるにつれて、その領域を表現するために、さらに「細かく精妙な粒子」という解釈が造られ続けてきたという事情があります。

>光は波としての側面と、粒子としての側面をあわせて持っていると書きましたが、物質を構成するあらゆる粒子もまた、粒子としての表現の他に、波としての表現という、2つの側面を持っています。

>本来、自然界の現象面には、無限に続く波動領域が重なって表現されているだけで、境界のようなものが存在しているわけではないのですが、これまでの科学で取り扱ってきたような、人間の五官を通して知覚している世界の範囲を、便宜上、「物質的ヴァイブレーション」と呼ぶことにします。

>私たちの多くは物質というと、何か恒久的な存在とか、確かな実体があるものというイメージを思い浮かべがちですが、これまで何度も述べてきましたように、これらのイメージは心の中で作り上げた固定観念に過ぎないことを、よくよく理解していただくことが重要です。

>私たち人間の多くは、自然界の膨大な表現領域の中から、物質的ヴァイブレーションというごく限られた側面を、五官の小さな窓を通して見ているにすぎない・・・(以下略)。
  
 
・・・つまり、葦原氏いわく、「物質」とか「粒子」といったものは、「心の中で作り上げた固定観念」もしくは「心の中に投影された映像」といったようなものにすぎず、実体のあるものではない。物質世界とは、無限に広がっている波動領域の中のごく一部、人間の意識によってとらえられる範囲におさまった、一定の狭い波動領域を指しているにすぎない。普通なら「物質世界」と言えばすむところを、あえて「物質的ヴァイブレーション」と呼ぶのは、そういう面を強調するため。
 
なんだか、カントの「純粋理性批判」のような認識論を、現代的に突き詰めたという感じだ。でも、ここでは「認識論」というより、「物質世界とは何なのか」ということに重点がある。それはつまり、物質とは、実体のない幻影(マーヤー)なのである・・・ということ。いかにも物質っぽく見えるような、波動(ヴァイブレーション)の一定領域にすぎないんですぞ・・・ということになるだろう。

とはいうものの、頭では分かっていても、目の前にそびえる物質世界の堅牢さには、ついつい圧倒的な実在感を覚えてしまうというのが日常生活の常。いつの間にか、地球の物質世界という牢獄につながれた囚人と化してしまう。そう、それはまさしく、遠い宇宙のサイハテで過ごす懲役囚そのものだ・・・。

では、そんな物質的ヴァイブレーションよりも、上にある波動領域とは何だろうか。

葦原氏によれば、その少し上には、「エーテル体」と呼ばれる波動領域がある。これは、神智学の言葉。エーテル体は、物質的なヴァイブレーションによって表現された体(・・・要するに、肉体)と重なり合って存在している。エーテル体は、肉眼では見えず、潜在意識として機能している。われわれが、自律神経の働きによって、日頃は意識しなくても呼吸や内臓がコントロールされているのは、このエーテル体のおかげ。

ヨガの行者には、常人にとっては潜在意識でしかないエーテル体をも顕在意識とすることにより、自律神経を自在にコントロールできる者がいるという。呼吸や脈拍、体温まで思い通りにできるというから、まるで変温動物だ。カエルのように、寒くなったら体温を下げて冬眠すれば良いのだから、さぞかし冬には便利なことだろう。

エーテル体の上には、アストラル体がある。「アストラル」とは、「星のような」という意味。この波動領域まで見える視力を持つ人にとっては、煌めく星のように見えることから名付けられた。さらにその上にあるのは、メンタル体。
 
この辺りが、葦原瑞穂氏の「黎明」の中心となる世界観ということになるだろう。普通の人なら「物質世界と幽界」とでも呼ぶところを、この本では「物質的ヴァイブレーションとその近辺の波動領域」といったような表現になるので、ここに戸惑わないことが円滑に読み進めるコツとなる(笑)。ちなみに、この辺りは、まだ序論。まだまだ、本題には入っていない・・・・。