宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

日本初の有人宇宙施設が完成

2009年07月19日 | こっくり亭日記


JAXA
       
宇宙空間に着々と建造が進む、国際宇宙ステーション(ISS)。宇宙ステーションといえば、昔からSF映画やアニメの世界では空気や水のように当たり前の存在だったが、いよいよ現実世界に本格登場だ。
 
といっても、計画から実現までには、すでに20数年を経過している。当初は「西側諸国の結束の象徴」とされる国際プロジェクトだったのだが、実現するまでの間に、ソビエト連邦がいつのまにか滅亡してしまった。アメリカ側のたび重なる設計変更、スペースシャトルの爆発事故などに振り回されつつ、ようやくココまでこぎつけた。
 
そんな国際宇宙ステーションの中の、日本の実験棟「きぼう」が、ようやく完成。日本国の主権が及ぶ、初の有人宇宙施設だ。アーサー・C・クラークの「2010年宇宙の旅」に、「宇宙船ディスカバリー号の内部には、アメリカ合衆国の主権が及ぶ」という場面が出てきたのを思い出す・・・。もちろん、国際宇宙ステーションはアメリカ主導のプロジェクトだけに、真の意味で日本の独自施設とは言いがたいものの、なんだかんだ言いつつ、日本の宇宙開発もここまで来たのは確かだ。
 
「きぼう」は、今回が3度目の宇宙飛行となり、いまやロボットアーム操作の第一人者となった若田光一宇宙飛行士の活躍により完成。若田飛行士は、「尿をリサイクルした飲料水」の試飲もやっていた。あまり飲みたくはないものだが、長期滞在型の有人宇宙施設では、かねてから不可欠とされていた技術の実用化。専門家の間では、「画期的なこと」だという。かつては、宇宙船のトイレから放出された尿が、寒い宇宙空間で瞬時に凍りつき、太陽光を乱反射して七色に輝く「ダイヤモンド・ダスト」となって、それはそれは美しい眺めだったという。いまや、尿もリサイクルする時代。世の中は、変わったものだ・・・。
 
日本政府の宇宙開発戦略本部は、今後も着々と計画を練っている。2030年頃には、月への有人飛行を実現する計画だ。2020年には、その先陣を切ってロボット飛行士が月に行くという。ロボット君の活躍に期待したい。
 
 

干上がって、砂に埋もれるアラル海

2009年07月19日 | こっくり亭日記
European Space Agency
 
 
ヨーロッパ宇宙機関が、衝撃の画像を発表した。なんと、世界でも最大級の内陸湖だった中央アジアのアラル海が、いよいよ干上がって、砂に埋もれる寸前だというのだ。
 
もっとも、アラル海の水位が年々低下しているということは、旧ソ連時代から知られていた。ソビエト連邦による無謀な灌漑農業、「自然改造計画」が原因で、アラル海に流れ込む内陸河川・アムダリア(アム川)の流れが細る一方だったのだ。

せっかく、ソ連がなくなったというのに、後をついだカザフスタン政府は、まだ開発をやっていた。なんと、2009年までの3年間で、アラル海の面積は8割も縮小。まさに、社会主義、恐るべし・・・。

アラル海と、そこに流れ込むアムダリア・シルダリアの2大河川が囲む地域は、ソグディアナと呼ばれ、古代から東西交易の十字路となっていた。かつて、サマルカンドやブハラは、世界屈指の大都会。遠い中国から、はるばるとシルクロードを越えてやってきた隊商は、この地に憩い、目的地のインドやペルシャへと、それぞれの道に向かったものだ。もちろん、商業だけでなく、河川流域での農業も盛んだった。
 
この地域は、イスラム文明の一大中心地でもあった。11世紀のブハラには、かの高名なイブン=シーナーが登場して、その頂点に達する。人類の精神史に偉人は多いが、イブン=シーナーは別格ともいえる巨人のひとりだ。ヨーロッパでは「アヴィケンナ」と呼ばれ、著書「医学典範」がヨーロッパで何百年も医学の教科書として使われたほど有名。医学と同様、哲学でもその名は不朽で、カトリック神学の大成者・トマス=アクィナスも、何かと言えば「アヴィケンナによれば・・・」と盛んに引用している。当時、「世界一の蔵書数を誇った」と言われるブハラの大図書館があったからこそ、こんな大知識人が生まれた。

そんな偉大なる文明の母・アラル海が消滅するのは、まことに嘆かわしい。人類の損失と言える。

10年ほど前から、アラル海はいくつもの小さな湖に分かれ、細々と存続していた。ここ数年のカザフスタン政府の工事は、北側に残った湖の水位回復に力を入れた結果、皮肉にも南側の湖が極端に弱体化してしまったのだという。

いまや、かつての湖は、「アラル・カラクーム砂漠」と呼ばれる、広大な砂漠地帯と化した。

もっとも、同様な危機は、世界各地で進行している。

身近なところでは、中国北部を流れる黄河だ。中国4千年の文明を育んできた黄河は、水量が細る一方で、海まで届かない内陸河川と化して久しい。

もっとも、黄河の衰退は、ここ最近の出来事とは言い切れない。過去2千年ほどの中華の歴史を眺めると、北部の黄河文明が徐々に衰退して、南部の長江文明へと、文明の中心が移ってきた様子がよく分かる。それだけ、黄河の土地は長年の農耕に疲れ切ってヤセ細り、長期的に衰退してきたのだ。
 
「未来を遠隔透視する」というので有名な、「元FBIの超能力捜査官ジョー・マクモニーグル氏」(←いったい、何者だ・・・?)は、「未来の中国をリモートビューイングしたところ、北部にはほとんど人が住んでいなかった」と語っていた。黄河もまた、消滅に向かっているのだろうか・・・。