2009年10月3日(土) シアターコクーン 中2階 ML列 26番
阿部寛、勝村政信、石丸幹二、池内博之、別所哲也、長谷川博己、紺野まひる、京野ことみ、美波、高橋真唯、佐藤江梨子、水野美紀、栗山千明、とよた真帆、大森博史、松尾敏伸、大石継太、横田栄司、銀粉蝶、毬谷友子、瑳川哲朗、麻実れい、他。
作=トム・ストッパード、翻訳=広田敦郎、演出=蜷川幸雄、他。
Ⅰ部:VOYAGE「船出」 12:00-13:15(休憩15)13:30-15:05(休憩30)
前近代的な農奴制が根強く続いている19世紀ロシア。舞台の中心は名門貴族バクーニン一家の領地。家長のアレクサンドル(瑳川哲朗)と妻ヴァルヴァーラ(麻実れい)の四人の娘たち(リュボーフィ・紺野まひる、ヴァレンカ・京野ことみ、タチヤーナ・美波、アレクサンドラ・高橋真唯)は、長男・ミハイル(勝村政信)の突然の帰還に大喜びする。しかし、仕官学校を勝手に退校したミハイルに両親は怒りを隠せず、深まる親子の断絶。姉妹の自立への憧れが強まると共に、一家はゆるやかに離散へと向かっていく。
一方、新しい思想や哲学に触れた若い知識人たちがミハイルの元に集まってくる。思想家・ゲルツェン(阿部寛)、詩人・オガリョーフ(石丸幹二)、文芸批評家・ベリンスキー(池内博之)、作家志望のツルゲーネフ(別所哲也)、哲学者・スタンケーヴィチ(長谷川博己)・・・。
母国を愛するが故にやがて革命に向かって進む彼らの友情、そして四姉妹や進歩的な考え方を持つバイエル夫人(銀粉蝶)の娘ナタリー(佐藤江梨子)らとの報われない恋の数々が鮮やかに喜劇的に描かれる。
Ⅱ部:SHIPWRECK「難破」15:35-16:55(休憩15)17:10-18:30(休憩45)
ユートピア社会実現の夢に燃え、祖国ロシアから西欧各地へと旅立つ―。
パリに移住したゲルツェン一家の元に集まる仲間たちは、パリから広がった王政打倒の1848年革命に期待を高めたが、その挫折を目の当たりにする。希望を喪失したゲルツェンは、友人であるドイツ人詩人、ヘルヴェーク(松尾敏伸)とその妻エマ(とよた真帆)を迎え、ニースで奇妙な共同生活を始めるが、流行するロマン主義に影響を受けたゲルツェンの妻・ナタリー(水野美紀)は、ヘルヴェークとの情事に走る。
青春の時代が過ぎ去り、生活者となった彼らの理想と現実、そして愛する者との別れ―。全てを失ったゲルツェンは、イギリスへ向かう船上で、無政府主義者となり投獄中のバクーニンの幻を見る。破壊と革命への情熱を説くバクーニンに、「現在の幸福も手配できない我々が、未来の幸福を手配しようというのは思いあがりだ」と語る。
愛と人生を模索しながら、母国・ロシアの迷走を見つめ続ける姿が克明に浮かび上がる。
Ⅲ部:SALVAGE「漂着」19:15-20:35(休憩15)16:15-22:20
失意の底にあったゲルツェンはロンドンに亡命。自宅をヨーロッパ各地で革命に失敗した亡命者たちの社交場として提供し、新しい人脈を得てロシア・ポーランド自由印刷所を立ち上げる。個人の自由こそ絶対的であるべきだと論じた『向こう岸から』のロシア語版を出版。あきらめていた母国語での自著の記念すべき一冊目を、亡妻ナタリーとの息子に熱い想いと共に手渡す。
やがて、盟友オガリョーフと共に大衆誌『鐘』を創刊する一方、オガリョーフの奔放な妻、ナターシャ(栗山千明)との関係を深めていく。
1861年、ついにロシアは農奴解放を実現する。喜びも束の間、不徹底な改革に落胆するゲルツェンは、流刑地から逃亡し、テロを企てる強硬派のバクーニンと決裂。暴力革命に反対するゲルツェンは、次世代の革命家たちに「死人」であると罵られる。
壮年期を迎えた彼らの胸に去来する、永い間求め続けた、革命の意義、本当の人間の幸福とは・・・。
(以上、あらすじは特設HPより。上演時間は会場タイムテーブル表にて)
長い長い…。チケット取る時には覚悟の上(笑)、チケ代(S席29,000円)も含めてだけど、色んな意味で後々の記憶に残るであろう舞台であった。
席は中2階シモテ側、一番端っこ。身体的には斜めだったけど、これが良かったのか、右隣・前後に人はいないし、かなり好きな格好で観られたのだった。
もちろん幕間の休憩時間にはストレッチを欠かさずにしたので、思いの外オシリ・腰・クビに来ることは無かった。
またしても予習ナシで望んでみた(^_^;)
やっぱり難しかった。特にニガテな人名。「…ネフ」「…ニン」とか同じ様な名前が一杯だし、Ⅰ部~Ⅲ部までで役違いで出て来たりするもんだから、膝上にキャスト表を置いて見ながら。
それと、時系列が凄く飛んだり、または戻ってきたりして、「今何年だっけ?」と思うこともしばしば。
きっとオソロシイ程の台詞の数だろう。通しで出ていた阿部さん・勝村さんは凄い。けっこう怒ったりするシーンもあるので、テンションの維持も大変だと思う。
特に勝村さんはⅢ部での「あの」姿、かなり反則ワザで、笑わせていただきました。客席もダレる時間帯なので。
出色だと思ったのはⅡ部に出演の水野美紀さん。ゲルツェンの妻役ですが、愛人ヘルヴェークとの関係、ヘルヴェークの妻エマ、さらにはナターシャ(栗山千明)との女同士の愛情と、何だか凄いドロドロ五角関係(?)で、最初は理解出来なかったんですけど、だんだんと「それもアリかな」と思えました。
いつも農民役とか素朴な感じの大石継太さんが、ちゃんとしてたw
石丸さんが少し歌うシーンがあり、歌の上手さが際だつ。
舞台はセンターステージで、紗幕での仕切り。幕には映像が映ったり。
場面転換はスタッフさんが紗幕の中で行ったりしているのが良く見える。
道具で面白かったのはバクーニン家のシーンで、舞台上にいくつも立てられた、森をイメージする白樺を模した柱の数々。
沢山の椅子やロウソク、上から降りてくるシャンデリア。舞台は半分位スライドする可動式となっていた。
対面の客席の奥に字幕アリ(主に年号表示)。
Ⅲ部になったら、蜷川さんのお顔を拝見した。
それと、Ⅱ部~Ⅲ部の間の休憩時間用に、フンパツして松茸ご飯付きの松花堂弁当を予約(2,000円)。
相席させていただいた女性と意気投合。楽しいお話をさせていただき、なおかつ少々強引(汗)ながら、当ブログのアドレス等書いた名刺なんか渡してしまいました。
この場を借りまして、改めて御礼を。Nさん、ありがとうございました~!