高野街道限界走行で筋肉が痛い。
森口が一緒だから気合を入れていく、待ち合わせ場所まで2時間、植益は結構引くけど大丈夫。予定時間に到着、ここから高速で走られるとまずいので、最初は俺が先頭でコントロール、それでも最初の長い坂で植益が中切れ、追い抜いて森口の後ろに着くが踏んでるギヤが違う、どんどん苦しくなり脚も心拍もオールアウト。一応ここまではアップのつもりだが、アップじゃ無い。
下って西高野街道に入るとエンジン全開、高速で俺達を引きずり回す、たまったもんじゃないが、ここが一番の練習だから耐えるしかない、アップダウンが続く20分が勝負だ。
番手は森口、植益、俺だが、植益と森口の間隔が微妙に広く、中切れするのではという恐怖感が襲ってくる。
そして遂に2回目の試練が始まった。ここを乗り越えないと話にはならない。
森口先頭で番手が植益、今日は絶対に切れてはいけない植益がギヤをかけている、(俺はギヤを見てやばいと思った。悪あがき) このままだと中切れすると思い、森口の後ろに回り頂上通過、この時点で植益は人生初のオールアウトとなり姿が小さくなっていった。
森口と二人でランデブーが始まる、何とか先頭交替は出来るが明らかに引く距離と速度が違う、違いすぎる。
ここからゴールまで平坦基調だがパワーがある森口はギヤを踏んで速度を上げる、向かい風で後ろについていても休めず何時切れるかと言う状態。
速度が鈍るのを待つが、全く衰えない、それどころかグングン速度が上がる絶好調森口。
気温も今の時期としては高い。長手袋を脱いで、しっかりハンドルを握る、汗でサングラスが汚れ前が見にくくなる、(冬だぞ)
残り10km先頭交替を数回休んで回復を試みるがほとんど無駄だった。
残り5km通過、加速について行けず数メートル離れるが、全力を出して追走、筋肉がもう限界でバランスが崩れて来た。
最後の数百メートル穏やかな坂道、森口が加速するのに合わせたが、全く相手にならず置いて行かれ終了。
まだ帰り道の試練が残ってる。(帰りは少し上りがあるのだ)
森口と別れた時点で植益は足がもう限界、紀見峠が不安だと口にする。
ポケットのエネルギードリングをチャージして橋本通過。
ここからいやらしく上る、勾配は緩いが練習が終了した安堵感から集中力が切れ結構きつい、そして遂に紀見峠ここを上ればあとは下るだけだ。(かなり緩い坂)
この時点で無言の植益、気が付いたら姿は無かった。