九州の風来坊

今は自由人で風来坊、何処までも突っ走る男は何処に行くのやら

高崎山のチンネン

2011年09月27日 09時35分45秒 | Weblog
昨夜,突然チンネンから電話が掛かってきた。
それは復活の兆しを耐える電話だった。電話の向こう側でイケると言う手ごたえを感じているのは手取るようにわかる。

思い起こせば数年前の夏、台湾から帰国した俺に6の称号を持つ男から、チンネンが車に突っ込んで危篤ですと慌てて電話が掛かって来た。
あれから長い時間意識が戻らず心配した。しかしチンネンは幸い泳げないから三途の川を渡れず、閻魔には俺からの使命をまっとうしていないからと追い帰されて、この世に戻ってきた。

その後、記憶もまばらな時に俺に電話をしてきた。あの時怪我が治ったらすぐに練習だなと言うと、それが乗れないんですと言ったのを思い出す、だが、その後回復の兆しを見せて、自転車に乗り始めた。

当然昔の力には簡単に戻れない、それでも復帰後のレースで後方でブッチギレテ行く姿を見るたびに良くここまで回復したなという目で見ていた。

ほんの少し前、スイスで嬉しそうに山岳賞とればジャージもらえるんですよねと言うチンネンの姿が思い出される。
ここまで回復すれば良いか?怪我をしたから走れないのか?一種の妥協が本人の心の中に芽生える、だが俺達は違うぞ、この冬、和歌山を訪れた時、どうだチンネン、怪我する前と何が違うんだと尋ねたら記憶がまばらで忘れる事が多いですと答えた。

そこでまず食べた食事の事や色々質問すると、完璧に答える、何処にも記憶障害なんかないじゃないか?チンネンよお前が弱くなった原因は事故かも知れない、しかし自転車に乗るかぎり全力を尽くして走れ、そうじゃないと近畿に来る必要は無いぞ、怪我したから走れないは言い訳にしかなららい、普通の人には理解されても、ここでは通じないんだ。
厳しいかもしれないが全力を尽くし練習を走り、レースを走るのがここでの礼儀だ。

何かをつかんで夜行バスに乗り帰って行くチンネン、その後徐々に復活の兆しを見せ始めた。
チンネンよ、お前の強さは何だったんだ?得意な所を伸ばせ、妥協するな、お前が走れないのは自分の努力が足らないからだ。
親父がエベレスト登頂なら、お前は無酸素登頂しかないだろ、一歩ずつ確実に踏みしめて頂上を目指さないと転げ落ちるぞ、山は高くなれば高いほど難易度が高くなる、強くなるのも同じだ、頑張れチンネン。
そして今度、血の池地獄に行って閻魔に広言して来い、俺はやるって。

俺も時間が出来たら血の池地獄に行こうと考えている。

同じく和歌山でも事故で苦しみまさに今走り始めた選手が居る、数日前に後ろについて走ったが良くここまで回復してきたと思うほどだった。
スタートダッシュなんて俺より速いじゃないか、これからいかに練習でその力伸ばせるかが課題だな。

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