きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

欧州危機(ユーロ危機)の行方 緊縮財政は国民生活を苦難に 危機の再生産の危険

2012-01-12 22:13:30 | 経済・産業・中小企業対策など
欧州危機(ユーロ危機)の行方 緊縮財政は国民生活を苦難に 危機の再生産の危険

欧州危機(ユーロ危機)が叫ばれて、EUが各国に緊縮財政を主導しています。でも、果たして緊縮財政をして国家予算の赤字を減らしたところで欧州危機、いわゆる通貨危機は収まるのでしょうか疑問です。
国債残高が増えて返せる見込みがなくなっていくことで、国債の買い手がつかなくなる。国債の金利が高騰してますます国家財政を圧迫する。
だから国債発行額を減らす緊縮財政に・・・。

でも緊縮財政にして真っ先に削減されるのは福祉や教育予算ってことは日本でもヨーロッパでも同じ事。一番とばっちりを受けるのは、労働者や中小業者や農漁民、子どもたちや高齢者です。
国民の購買力が減って、産業全体のお金の周りが悪くなる。それが税収減に結びついて、さらに国債発行を強いられる。

財政危機のもともとの根源は、取れるところから税金を取ってこなかった事にあるのではないでしょうか。
欧米では富裕層から、「私たちに税金を課してくれ」と声が上がっているといいます。

欧州諸国はもちろん日本でも、国家として大企業や資産家への税金の応能負担をするべきではないでしょうか。
それがユーロ危機やGDPの2倍までにも膨れ上がった日本の国債残高を解決していく道ではないでしょうか。

マルクスも『資本論』で述べているように、強制によらないとその解決の道はないことです。


以下、「しんぶん赤旗」日曜版の記事です。


 欧州を中心に資本主義諸国の債務・金融危機が深まっています。その中で昨年11月23日、衝撃的な出来事が生じました。
 ドイツ政府が新しく発行した「10年物国債」が市場で4割も売れ残り、「札割れ」となったのです。これまでも「札割れ」はありましたが、このように大量に売れ残ったのは異常です。残りはドイツ連邦銀行が引き受けました。主要国の国債に対する不信が、とうとう欧州最大の経済大国ドイツにまで広がりました。これは債務危機の深刻さを反映したものです。

 そのため各国の国債が価格暴落しました。国債を売る時の利回りが上昇し、イタリア国債は再び危険水準である7%台となりました。同時にロンドン市場のドル建て銀行間取引金利(LIBOR)もリーマン・ショック以来最高の0・5%台となり、銀行の資金コストが上がり経営基盤の弱体化がさらに進んでいます。
 その結果、格付け会社による国債や金融機関への格下げが行われたりしています。昨年11月と12月にアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの大手銀行の格下げが発表されました。今後さらなる格下げの検討もされます。またユーロ圏15力国の国債が格下げの方向にあるとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は12月5日に明らかにしました。
 このような危機的状況に対して、欧州連合(EU)は12月8、9日首脳会議(サミット)を開き、危機対策の「最終回答」を出しました。その主な内容は次の3点です。
 第一に財政赤字対策として、赤字ゼロの達成義務を原則とする新条約の今年3月の成立をめざす点です。この新条約はEU26力国の参加となります。ここで最大の問題は、イギリスが反対し不参加となったことです。
 第二は金融危機対策として国際通貨基金(IMF)を活用し、総額2000億距-(約20兆円)の支援制度をつくることです。このIMF強化と既存の欧州金融安定化基金(EFSF)により金融「安全網」の強化をはかろうというのです。
 第三は欧州安定化メカニズム(ESM)を2013年設立予定から、今年7月に早める点です。



欧州共通通貨ユーロの彫刻の前に設けられた「占拠」運動のテント=2011年12月8日、ドイツ・フランクフルト(ロイター)


 このサミット合意を、どのように評価すべきでしょうか。
 第一に、これまで各国バラバラであった財政規律を統合化する方向では、大きく前進したと評価できる面があります。しかし現実に実施できるかは、まったく不透明で、その見通しはありません。イギリスが反対したのと同時に、各国間の経済格差をそのままにして、財政の統一化は不可能との考えが強くあるからです。
 実際、緊縮財政は国民の犠牲のもとで行われており、各国国民は生活を守るために反対運動を繰り広げています。
 第二に金融対策も金融機関を救うのみで、国民生活や景気回復には役に立っていません。
 欧州危機克服の根本的対策は、金融取引税実現、金融機関への監督強化など投機取引規制と、それぞれの国の国民生活の向上・安定を通じての経済再建以外にありません。そうしなければ危機はさらに続くでしょう。
今宮謙二(いまみや・けんじ 中央大学名誉教授)

「しんぶん赤旗」日曜版 2012年1月15日付掲載



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再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州④ 市町村で地産地消

2012-01-10 23:17:54 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州④ 市町村で地産地消

 イタリア南部プーリア州のニキ・ベンドラ州知事、同国最大の環境団体レガンビエンテ(環境同盟)のプーリア州責任者、フランチェスコ・タランティニ氏に、原発反対と再生可能エネルギー普及への思いについて聞きました。(イタリア南部プーリア州=島田峰隆 写真も)


州知事 ニキ・ベンドラ氏



 原発反対と再生可能エネルギーへの転換は、選挙で当選するために掲げた公約ではありません。私は18歳のときに原発反対の運動を始め、今も続けています。いわば、人生の課題として取り組んでいるたたかいです。
 福島第1原発の事故を見れば、原発の危険性は明らかです。日本と同じく地震国であるイタリアに原発を置けないことは当然です。
 以前、ローマ北西にある都市に原発建設が計画されていました。試算によると、もし重大な事故が起きれば、約350万人が避難する必要があるとされていました。しかし、これほどの人が一度に避難することは、実際には不可能なのです。
 イタリアでは、原発を全廃しましたが、原子炉を廃炉にする作業に時間がかかり、その費用は、今も国民の電気料金に上乗せされています。
 やはり原発ではなく、住民や地域社会にとってやさしいエネルギーを探求する必要があります。それが再生可能エネルギーだと思います。州として再生可能エネルギーの活用を進めた結果、住民もそれに信頼を寄せています。エネルギーを全面的に自給できる市町村がいっそう増えるよう、計画をさらに充実させたい。



環境団体レガンビエンテの州責任者
フランチェスコ・タランティニ氏



 福島第1原発の事故によって、イタリア国民は、原発の危険性に改めて気付きました。国民意識の変化は、政府の原発復活計画の是非を問う国民投票(2011年6月)で、約2600万人もの人が反対を表明したことに示されました。
 原発は、建設と維持に膨大なコストがかかるだけではない。いったん事故が起きてしまうと、放射能被害が限りなく広がる。福島の現実が、こうした事実をさらけ出し、原発反対の世論と運動が盛り上がりました。
 いま州は、再生可能エネルギーの普及に向けて、野心的な目標を掲げています。私たちは州と合意を結び、国による奨励策の活用方法、市町村の先進的な取り組みなどを紹介した冊子を市民に配っています。小中学校の授業の一環として、再生可能エネルギーの重要性について講義することもあります。
 再生可能エネルギーの普及でエネルギーの地産地消を実現するには、政治家、行政、市民団体が力を合わせることが不可欠です。私たちは昨年、再生可能エネルギーに関する報告書のプーリア州版を初めて出すことができました。こうした啓発活動をこれからも続けたい。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年1月6日付掲載



自然エネルギー(再生可能エネルギー)の地産地消を小さいレベルから進めていき、経験を積み重ねて行く。そして、都市レベル、都道府県レベルでも自然エネルギーで自給可能な社会を作っていく。

一般的な風力や太陽光だけでなく、潮力や地熱を利用した再生可能エネルギーが期待されます。
地域の発電施設に不具合があった場合のバックアップは必要ですが、その技術は現在でも可能だと思います。
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再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州③ 小水力発電を開拓

2012-01-09 14:20:37 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州③ 小水力発電を開拓

 再生可能エネルギーによる発電方法のうち、イタリア南部プーリア州で最も利用されていないのは、小型水力発電です。同国最大の環境団体レガンビエンテ(環境同盟)によると、全部で258ある市町村のうち、小型水力発電施設がある市町村は五つにすぎません。(2011年時点)


プーリア州の地図を指さしながら説明するアントニオ・デレオ氏=モルフェッタ

水道管を利用
 しかし、この分野でも、新たな開拓が始まっています。上下水道事業を運営する「プーリア水道公社」の取り組みもその一つです。
 同州で小型水力発電が普及しないのは、そもそも河川が少ないからです。同州では昔から水の確保に苦労し、20世紀初めの大事業で、隣接する州の水源から水道管で水を引いて確保してきました。
 公社が目をつけたのは、この水道管です。公社は現在、州内の約2万1千キロの水道管を管理。この水道管の12カ所に小型ダムによる発電施設をつくる計画を10年から始め、うち4カ所が、すでに稼働しています。
 そのうちの一つ、州南部のグロッタリェの発電施設を訪ねました。120メートルの高さから流れてくる水の勢いを利用してタービンを回し、450キロワットを発電します。騒音防止のため、タービンは分厚い壁の建物の中に設置されていました。
 ここで発生させた電気は、公社の浄水作業などに活用します。12カ所の施設がすべて完成すれば、公社の電力消費の6~7%を賄う電気をつくることができるといいます。



小型水力発電機のタービン=グロッタリェ


社会的に価値
 公社のアントニオ・デレオ産業局長は、取り組みを始めた理由を次のように話します。
 「これはもちろん、再生可能エネルギーを活用しようという州の方針に沿った動きです。地球温暖化で問題になっている二酸化炭素の排出削減につながり、環境を保護できます。公社としても電気代を節約できますからね」
 州内の水道管の傾斜は、ほとんどの部分で緩やかなため、発電施設を設置できるだけの高低差がある場所は限られます。このため、今後どれほど施設をつくれるかは、まだ分からないといいます。
 デレオ氏は「状況に左右されるので、単純ではありません」と述べながらも、「しかし潜在的な可能性はあります。企業が自ら使う電気を自らつくるという取り組みは、社会的に価値のあることです」と強調しました。(プーリア州グロッタリェ=島田峰隆 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年1月5日付掲載



水道管の傾斜による小水力発電なんてよく考えつきましたね。やはり、「自然エネルギを活用したい」というもsのずごいこだわりがあるのでしょうね。
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再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州② 景観保護と両立へ

2012-01-08 19:31:09 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州② 景観保護と両立へ

 イタリア最大の環境団体レガンビエンテ(環境同盟)によると、同国南部プーリア州で、再生可能エネルギーによる発電施設を一つでも持つ市町村は2006年から急増し、11年には、州内258すべての市町村に広がりました(表)。今、住宅や事業所に設置されている中小規模の発電施設の数は約2万です。



畑の中の風車
 同国経済紙ソレ24オレは、プーリア州のこれらの施設が約168万5千キロワットの発電能力を持ち、再生可能エネルギーの活用が進んでいる有数の州だと紹介しました。(11年12月7日付)
 一方で、議論になっているのが、風力発電機や太陽光パネルの設置を、同州の主要産業である観光業や農業とどう両立させるかという問題です。
 プーリア州北部の都市フォッジャから西へ20キロ余り。アペニン山脈の麓近くの町トロイアを訪れると、畑の中に50基を超える風力発電機が緩やかな風を受けて動いていました。この一帯は、風の通り道で、国内で最も風力発電機が集中している場所です。
 州都バリに住む技師のジュゼッペ・チンカバッリさんは、「風力発電に市民はおおむね賛成です。しかし風車の数が増えるにつれて、景観が破壊される、動植物に影響が出るという議論があるのも確かです」と話します。
 太陽光パネルを設置する際に、プーリア州を代表する農産物であるオリーブ栽培用の農地の一部が使われる場合もあり、批判の声が上がっています。


プーリア州で再生可能エネルギーを活用している市町村の数
太陽熱
太陽光
風力
水力
バイオマス
合計
2006
11
24
37
2007
12
156
23
176
2008
65
218
40
11
240
2009
72
248
45
15
249
2010
82
255
64
15
255
2011
110
255
74
15
258
合計は重複あり<レガンビエンテの報告から作成>



場所の選定は
 こうした懸念を背景に、風力事業の関連企業や団体でつくる「全国風力エネルギー協会」とプーリア州のレガンビエンテは、風力発電機設置にあたっての合意を結んでいます。
 合意では、▽場所の選定については、住宅地からの距離を保ち、自然環境や歴史的建造物などへの影響を考慮する▽地域住民や自治体への情報提供を優先的に行う▽渡り鳥の移動ルートを避けるーことなどが盛り込まれています。
 ニキ・ベンドラ州知事は、「プーリアの美しい景観、歴史、文化、6千万本あるというオリーブの木を守る上では、州も責任を負っている」と述べ、こうした合意形成への支援を表明しています。(プーリア州トロイア=島田峰隆 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年1月4日付掲載



日本でも風力発電の設置では、景観や低周波振動などの被害が問題が起こっています。自然エネルギーの活用は進めるべきことですが、住んでいる人々と共存できないのであればそれは許されないことです。
イタリアでの取り組みを学んでいかないといけませんね。
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再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州① 雇用増にも貢献

2012-01-06 23:20:02 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
再生可能エネルギーへの挑戦 伊プーリア州① 雇用増にも貢献

今年もよろしくお願いします。
いつも通りに「しんぶん赤旗」の記事の紹介とかねてコメントを述べさせていただきます。

今回は「再生可能エネルギーへの挑戦」のシリーズです。



 イタリア南部プーリア州では、再生可能エネルギーによる小規模な発電施設の活用に力を入れています。取り組みの様子を現地からリポートします。


 「再生可能エネルギーの普及で地域に根ざした雇用が増える。これは実感しています。私たちの会社は5年前に4人で立ち上げましたが、今では約60人の社員が働いています」
 州都バリ郊外にあるモドゥニョ市。太陽光パネルの設置などを請け負うジェアテクノ社を訪れると、創立者の1人、ジュゼッペ・ブラッタ氏(41)が、こう話しながら出迎えてくれました。

需要が伸びる
 プーリア州は2005年、再生可能エネルギーを活用した発電施設を大規模に普及することを目指すエネルギー計画をまとめました。同社は、この計画に添い、06年に設立。これまでにプーリア州を中心に、住宅や事業所に、太陽光パネルや小型風車など、約700の発電施設を取り付けました。
 「この数年で需要が大きく伸びたため、雇用数を増やしました。固定価格買い取り制度など、家庭で発電、節電すればするほど収入が増える国の奨励策が功を奏しています」とブラッタ氏は続けます。
 ブラッタ氏とともに会社を創立したジョバンニ・ベントラ氏(45)は、雇用が増える背景を次のように説明しました。
 「太陽光や風力、水力などは無尽蔵であり、持続可能なエネルギー源です。そのことは、再生可能エネルギーを扱う産業自身も持続可能であり、長期闇発展する可能性を持つということです。大企業が進出して、短期間活動して引き上げるのと違って、雇用を継続できます」



ジエアテクノ社が開発を手がけた電気スクーターのそばで会社の説明をするジョバンニ・ベントラ氏(左)=2011年12月6日

私たちの仕事
 同社のスローガンは「君はぴったりの場所に生まれた」。ベントラ氏は、「プーリア州では太陽光と風が豊富です。それを生かせる場所に住んでいるということを大いにアピールしたかった」と言います。
 一方で、財政危機を理由に政府が緊縮政策を打ち出すもと、再生可能エネルギー普及の奨励策の予算も削減されて、仕事が減るのではないかという懸念もあります。
 ブラッタ氏は、「しかし」と述べ、次のように語りました。
 「化石燃料に頼らず温暖化ガスを減らして、きれいな地球を次世代に残すことは私たちの仕事です。自分たちだけがもうかれば良いという考えでは社会は成り立ちません。だからこそ再生可能エネルギーの可能性を追求したい」
(プーリア州モドゥニョ=島田峰隆 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年1月3日付掲載



プーリア州では太陽光と風が豊富。それを生かせる場所に住んでいることを大いにアピールしたい。
化石燃料に頼らず温暖化ガスを減らして、きれいな地球を次世代に残すことが私たちの仕事。

資本主義的な利益第一主義でなくって、「再生可能エネルギーの活用できれいな地球を次世代に残す」事を追及する。
期待される潮流です。
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