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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「新しい資本主義」の正体① 科学技術立国 税金にたかる大企業

2021-11-19 07:09:36 | 経済・産業・中小企業対策など
「新しい資本主義」の正体① 科学技術立国 税金にたかる大企業
岸田文雄政権の目玉政策、「新しい資本主義」。その実現に向けた「緊急提言」案が「新しい資本主義実現会議」で示されました。「新しい資本主義」の正体はなにか、提言案などから考えます。

提言案は冒頭、「1980年代以降、短期の株主価値重視の傾向が強まり、中間層の伸び悩みや格差の拡大、下請企業へのしわ寄せ、自然環境等への悪影響が生じている」と述べ、新自由主義への反省ポーズを示し、「持続可能な資本主義を構築していく」とします。そのために必要なのが「成長と分配」であり、成長戦略ではとりわけ科学技術立国の推進が重要だと強調。その際、民間の技術開発などを「官が支援することを基本とする」としました。大企業のもうけを行政が税財政で支援するというまさに「たかり資本主義」です。

財界戦略と符合
「科学技術立国の推進」で具体的にあげられているのが、社会のデジタル化やグリーン、バイオなど「先端科学技術」です。これらは経団連が昨年11月に策定した「新成長戦略」で「集中投資」すべきとされた分野と重なります。
提言案は「ライフサイエンス分野の強化」として、新型コロナウイルスの経口薬について「国産の経口治療薬の研究開発を支援」「国による買い上げ」など極めて具体的に記述します。新型コロナウイルス対応の飲み薬を開発している国内企業は中外製薬や塩野義製薬など。「新しい資本主義実現会議」の有識者構成員には塩野義製薬の沢田拓子副社長が就任しており、自社の事業支援を政府文書に書き込ませたとみられても仕方ありません。
「クリーンエネルギー技術の開発・実装」では、「再生可能エネルギーの導入拡大」をうたいます。しかし、蓄電池の整備や余剰再エネ電気による水素製造などが具体策となっており、再エネ電気を送電線に優先的に接続する原則の導入などは盛り込まれませんでした。むしろ「再生可能エネルギーのみならず、原子力や水素などあらゆる選択肢を追求」するとしました。臭体的には、高速炉開発や小型モジュール炉の実証など原子力利用を明記。結局、再エネ拡大を看板倒れにする「口先資本主義」です。



中国で開かれた上海モーターショーにトヨタ自動車が出展した電気自動車をチェックする参加者=4月19日(ロイター)

自動車に手厚く
提言案は自動車産業について、「国内で550万人の雇用を抱える」基幹産業と強調。自動車の電動化推進を支援すると述べます。
具体的にあげられているのが車載用電池の生産支援です。「電池及び電池材料の大規模生産拠点の国内立地を支援する」としました。
国内自動車最大手のトヨタ自動車はこれまで、ガソリンと電気を併用するハイブリッド車を重視。電気自動車(EV)は製造していませんでした。しかし4月に15車種のEVを将来的に世界販売すると発表(10月に販売時期を22年中と公表)。9月には電池の開発と供給に対し、2030年までに累積1・5兆円を投資すると表明しました。提言案の車載電池生産支援はトヨタの動きとも符合します。
さらに、提言案は「電気自動車・燃料自動車等の購入を支援する」としました。生産から販売まで国が税財政で自動車産業を手厚く支援する方針です。(つづく)(4回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月17日付掲載


トヨタ自動車が地球温暖化対策としてEV(電気自動車)にシフトするって。EVに投資するってことは、将来に売れ筋になると見込んでいるからの事。
脱炭素の為には、官も民も投資が必要ですが、民の投資は利潤を目当てにしたもの。そこに官が税金で支援する必要なないのでは。



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