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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

周体制10年  「強さ」と「ひずみ」 中国共産党大会を前に③ 人権抑圧 弁護士や社会運動弾圧

2022-10-13 06:40:05 | 国際政治
周体制10年  「強さ」と「ひずみ」 中国共産党大会を前に③ 人権抑圧 弁護士や社会運動弾圧
2000年代に入り、人々の意識の高まり、インターネットの普及などにより、中国でもさまざまな社会運動が発展しました。
しかし、14年ごろからメディアやネットに対する管理が強化。メディアの独自報道はほとんどなくなりました。SNSなどを通じて意見を発表した市民が「デマを流した」として拘束される例も相次いでいます。経済発展とともに進んだ貧富の格差拡大や人権侵害など社会の「ひずみ」を顕在化させたのが社会運動でしたが、こうした運動への規制も強まりました。

いまも拘束続く
ある政治評論家が、「社会運動に対する最大の攻撃だった」と語るのが、15年7月の「709事件」です。各地で弱者を支援する人権派弁護士や活動家ら300人以上が「国家政権転覆罪」などの容疑で一斉摘発されました。
「人権派弁護士は中国の社会運動や権利擁護活動の最も重要な力だった。709事件以降、中国で組織的な社会運動はほぼ消えた」と分析します。
同事件で摘発され出所した人権派弁護士は「弁護士資格も剥奪され、当局の圧力も強いため、助けを必要としでいる弱者への支援は以前のようにはできない」と語ります。
いまも当局による人権派弁護士や活動家の拘束は続いています。さらに、弁護士事務所管理法(16年施行)で、弁護士は、メディアやSNSなどを通じて意見を発表することが厳しく制限されるようになりました。



北京の天安門広場周辺を警備する警察車両

党がすべて指導
女性運動や労働運動なども弾圧され、非政府組織への管理も強まりました。「民間組織が、中国共産党のコントロールを超えて発展することを恐れ、管理を強めた。党が強調するのは『党がすべてを指導する』ということだ」と、ある政治学者は話します。
大学でも変化が起きています。元大学教授は「この10年で思想面での管理が強まった」と話します。授業で教科書として使う外国書籍が大学からチェックを受けるようになり、授業で話した内容を学生が通報し、教員が処分される事件が起きています。教員らは本音を話さなくなったといいます。
知識人は自らの意見を語らなくなり、社会から異論が聞かれなくなりました。新彊ウイグル自治区や香港などでの当局による弾圧は国際社会から強い批判を受けていますが、中国の知識人はこれらの問題で口を閉ざしています。
前出の政治学者はこう強調します。「改革開放後は、思想の解放や社会の多様化に向かっていた。しかしこの10年は抑圧が強まり、明らかに社会は後退している。さまざまな面での活力が失われた」(北京=小林拓也 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月12日付掲載


「人権派弁護士は中国の社会運動や権利擁護活動の最も重要な力だった。709事件以降、中国で組織的な社会運動はほぼ消えた」
同事件で摘発され出所した人権派弁護士は「弁護士資格も剥奪され、当局の圧力も強いため、助けを必要としでいる弱者への支援は以前のようにはできない」と。
「改革開放後は、思想の解放や社会の多様化に向かっていた。しかしこの10年は抑圧が強まり、明らかに社会は後退している。さまざまな面での活力が失われた」
経済発展はしても、国民の声が届かない政治では異常な状態ですね。

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