きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目で見る経済① 税逃れ 世界の損失144兆円 英国は“租税回避地の親玉”

2021-11-28 07:08:52 | 経済・産業・中小企業対策など
目で見る経済① 税逃れ 世界の損失144兆円 英国は“租税回避地の親玉”
多国籍企業と富裕者の税逃れによってどれくらいの税収が失われているか。国際NGOのタックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)などが試算しています。

原因は米英に
国別にみると税収損失が最も大きいのは米国です(グラフ①)。年1135億ドルの税収を失っています。日本も152億ドル(約1兆7千億円)の損失を被っています。全世界では年4830億ドルの税収が失われています。
これらは、企業と個人の税逃れによる直接的な損失額です。法人税減税競争などの波及効果を含めると、全世界で年1兆ドル(約114兆円)を超す税収損失が生じているとTJNは試算します。
他方、TJNは税逃れに責任がある国とその額についても試算しています(グラフ②)。ここからわかるのは、大きな損失を被っている米英両国が、自ら税逃れの原因をつくっていることです。特に英国は“租税回避地の親玉”ともいえる重大な役割を担っています。海外領土のケイマン諸島・バージン諸島や王室属領のジャージー島などを含めると、英国グループは企業による税逃れの約3分の1に責任があります。






欧州とアジアの人口の少ない国・地域が税逃れに深く関わっていることもわかります。シンガポール、ルクセンブルク、オランダ、香港、スイス、アイルランドなどです。
これらの国・地域では実体経済に見合わない巨額の投資の流出入がみられます。例えば2014年時点で香港に名目GDP(国内総生産)の5・6倍の直接投資が流入し、同5・5倍の直接投資が香港から流出しました(16年5月26日、政府税制調査会国際課税ディスカッショングループ資料)。香港への直接投資元は主にバージン諸島と中国。香港からの直接投資先は主に中国とバージン諸島です。
財務省は「企業・投資家の実質的な税負担を相当程度軽減」するために「『実質的な経済活動とは関係の薄い第三国』を導管のように経由する取引」が行われていると指摘しました。バージン諸島は典型的な租税回避地であり、香港は中国とバージン諸島を結ぶ「導管国」だというわけです。
税逃れに責任がある国の中に「世界の工場」中国が入っていることも見逃せません。

不公正な世界
政治経済研究所の合田寛理事は「租税回避地はグローバル資本主義の中心的要素として組み込まれている」と話します。
「国境を越えた資本移動が自由化されるにつれて、多国籍企業は世界市場への支配を強めました。同時にその力を、各国政府への影響力を強めるために行使してきました。米英両国をはじめとする主要国政府は、国際機関での指導的立場を利用して、多国籍企業に都合の良い国際課税のルールをつくってきました」
諸国民が知らないうちに、多国籍企業と富裕者だけが国境をまたいで課税を逃れることができる、不公正な世界がつくられていたのです。
(杉本恒如)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月25日付掲載


タックスヘイブンなどで税逃れをしている筆頭に英国があるんですね。大航海時代に、世界を席巻した国の一つですからね。
現在は、欧州とアジアの人口の少ない国・地域が税逃れに深く関わっていることも。シンガポール、ルクセンブルク、オランダ、香港、スイス、アイルランドなど。
これらの国・地域では実体経済に見合わない巨額の投資の流出入が…。
諸国民が知らないうちに、多国籍企業と富裕者だけが国境をまたいで課税を逃れることができる、不公正な世界がつくられていた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 円安ってなんですか? Q ... | トップ | 目で見る経済② 国際競争の不... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済・産業・中小企業対策など」カテゴリの最新記事