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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

白書が描く経済① 物価高騰 中小企業7割が利益減

2022-08-13 07:23:05 | 経済・産業・中小企業対策など
白書が描く経済① 物価高騰 中小企業7割が利益減
各省庁から2022年版の白書が刊行され始めています。政治や経済などの実態と、政府の政策を紹介する白書が日本経済の直面する課題をどう描くのか、迫ります。

物価高騰が日本経済を襲っています。経済産業省「通商白書」は「世界的な供給制約の高まり」のあらわれとして物価高騰に触れています。
通商白書は物価高騰の要因として、第一に新型コロナウイルス感染拡大の影響をあげます。「ロックダウン等の感染拡大防止のための行動制限、渡航・移動制限といった対策に起因する経済の停滞や人手不足による影響のみならず、大規模な財政措置による急激な需要喚起もあいまって、物流の遅延や価格の高騰を招いている」
食料に関しては天候要因も指摘し、「世界各地での豪雨、ハリケーン、寒波、干ばつ等の異常気象によって資源・食料等の不足や不作が起き、食料価格の上昇も見られる」と述べています。
これらに拍車をかけたのがロシアによるウクライナ侵略です。「ロシアやウクライナは一部の資源やエネルギーの主要な供給国であることから、世界全体での供給量に直接与える影響は大きい」





米・テキサス州にあるブライアン・マウンド国家石油備蓄基地(ロイター)

為替相場変動
同時に日本では為替相場の変動が物価高騰をさらに深刻にしています。通商白書は「足下では円安ドル高の状況が続いており、我が国にとっての資源・エネルギーを含む製品の輸入価格が押し上げられている」と指摘します。ただ、この円安を生み出している日銀の異次元緩和についてはなにも触れません。
物価高騰が国内産業にどのような影響を与えるのか。経済産業省「ものつくり白書」は企業へのアンケートから営業利益の減少要因を分析。「売上原価の上昇」(52・9%)、「コストの増加」(22・9%)などが上位にきていることを紹介しています。
企業にとって原材料の高騰を価格転嫁することは経営を左右する問題です。ものづくり白書は「上昇したコスト等の適切な転嫁対策を進めるべく『パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ』を取りまとめた」などの対策を紹介します。

企業努力のみ
一方、中小企業庁「中小企業白書」は原油・石油製品の価格高騰によるコスト上昇分の価格転嫁について「まったく転嫁できていないとする割合は全体の約7割を占める」と指摘。さらに「コスト変動を価格転嫁できなかった際の対応」としてもっとも多かったのは「利益の減少(対応なし)」で、71・4%に上ることを紹介。多くの中小企業が価格転嫁できず、適切な対応も取れていないことが浮かび上がります。
また、中小企業白書は取引価格や単価の交渉の機会のきっかけは「自社から提案する」「販売先・自社の双方から提案」が合わせて9割超となっているとして「交渉機会を設けるためには、自社から積極的に提案する姿勢が重要」と中小企業自身の努力に期待するだけです。
資源・エネルギー庁「エネルギー白書」は世界的なエネルギー価格の高騰について天然ガス、石油、石炭などエネルギー源ごとに分析します。同時に中長期的な対応策として「原子力や石炭を含む化石資源に対する評価が見直される傾向にあります」などと言及。エネルギーの高騰や安定供給への不安につけ込んで、世界の流れに逆行する石炭火発と原発への依存を国民に押し付けるものです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月9日付掲載


物価高騰の要因として、第一に新型コロナウイルス感染拡大の影響。食料に関しては天候要因も指摘。これらに拍車をかけたのがロシアによるウクライナ侵略。
同時に日本では為替相場の変動が物価高騰をさらに深刻に。
中小企業庁「中小企業白書」は原油・石油製品の価格高騰によるコスト上昇分の価格転嫁について「まったく転嫁できていないとする割合は全体の約7割を占める」と指摘。
深刻な実態です。

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