関西財界と万博カジノ~その狙い② 「インフラ整備」9.7兆円
「連名要望書」は政府に何を求めているのでしょうか。
第1回要望書(2021年7月)では、「万博関連事業において、会場周辺のインフラ整備等に加え、『いのち輝く未来社会のデザイン』の具体化や大阪・関西全域での『未来社会の実験場』の体現等に向けたソフト事業や規制改革にも取り組むことが不可欠」―「会場整備」と「インフラ整備」「ソフト事業や規制改革」だと描きます。
四国縦貫道整備も
「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」をうたっています。
これらについて「万博の開催に支障を生じさせないよう」「財源の確保や適切な地方財政措置」を求めました。
万博の名で進められている淀川左岸線2期工事現場=大阪市北区
政府は「満額回答」
これに対して政府は2021年8月、第1回要望書がだされた翌月に「大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画」をだし、「満額回答」を与えます。これらのインフラ整備の総額について、政府は昨年、「9・7兆円」と公表しました。この巨額に大きな批判が生まれると、吉村大阪府知事は「万博が決まる前から計画されていたものもあり、それはちょっと違うんじゃないの」とうそぶきました。ご都合主義は今に始まったものではありませんが、「連名要望書」は自身が署名し、政府に求めたもの。見苦しい責任逃れです。
この「インフラ整備」のなかには、「安全性の向上」として、「南海トラフ巨大地震対策」「アクセスルートの安全性」などもうたわれていました。しかし、大阪府・市はみずからの責任で防災対策をすすめることはおろか、いまだに「避難計画」さえありません。政府の「アクションブラン」も、「防災DXに係る研究開発」をうたうだけです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月11日付掲載
「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」を。
万博に乗じて、この際なんでもありですね。
「連名要望書」は政府に何を求めているのでしょうか。
第1回要望書(2021年7月)では、「万博関連事業において、会場周辺のインフラ整備等に加え、『いのち輝く未来社会のデザイン』の具体化や大阪・関西全域での『未来社会の実験場』の体現等に向けたソフト事業や規制改革にも取り組むことが不可欠」―「会場整備」と「インフラ整備」「ソフト事業や規制改革」だと描きます。
四国縦貫道整備も
「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」をうたっています。
これらについて「万博の開催に支障を生じさせないよう」「財源の確保や適切な地方財政措置」を求めました。
万博の名で進められている淀川左岸線2期工事現場=大阪市北区
政府は「満額回答」
これに対して政府は2021年8月、第1回要望書がだされた翌月に「大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画」をだし、「満額回答」を与えます。これらのインフラ整備の総額について、政府は昨年、「9・7兆円」と公表しました。この巨額に大きな批判が生まれると、吉村大阪府知事は「万博が決まる前から計画されていたものもあり、それはちょっと違うんじゃないの」とうそぶきました。ご都合主義は今に始まったものではありませんが、「連名要望書」は自身が署名し、政府に求めたもの。見苦しい責任逃れです。
この「インフラ整備」のなかには、「安全性の向上」として、「南海トラフ巨大地震対策」「アクセスルートの安全性」などもうたわれていました。しかし、大阪府・市はみずからの責任で防災対策をすすめることはおろか、いまだに「避難計画」さえありません。政府の「アクションブラン」も、「防災DXに係る研究開発」をうたうだけです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年6月11日付掲載
「会場周辺のインフラ整備等」として並べたのは、「此花大橋拡幅」「夢舞大橋拡幅」「大阪メトロ中央線延伸(鉄道南ルート)」「淀川左岸線(2期)整備」「うめきた2期開発」「なんば駅周辺における空間再編」「北大阪急行延伸」などから、「四国縦貫自動車道の4車線化」まで。「関西国際空港の機能強化」も盛り込み、今年1月の要望書では、「IRも開業予定」であることから、「年間発着回数30万回の実現」を。
万博に乗じて、この際なんでもありですね。