反原連 官邸前抗議8年 「廃炉時代」幕開けを
首都圏反原発連合(反原連)が毎週金曜日に行っている首椙官邸前抗議がスタートして、8年になります。「原発ゼロ」を求める多様な取り組みが全国に広がり、「原発ゼロの日本をつくろう」と声をあげ続けています。(内田達朗、前田智也)
反原連の首相官邸前抗議は、東日本大震災・東京電力福島第1原発事故をきっかけに、2012年3月29日にスタート。
「再稼働反対」「原発ゼロ」を求める声は急速に広がり、同年6月には約20万人が参加。当時の野田佳彦首相との懇談を実現し、国民の声を直接突き付けました。
350回を超えた抗議には、退職した労働者、子どもづれなどさまざまな人たちが駆けつけます。

反原連の国会前集会で「原発再稼働反対」とコールする参加者=2019年11月10日、国会正門前

反原連のメンバーらと一緒に「原発ゼロで野党は共闘」とコールする、共産党、立憲民主党の国会議員=2019年7月7日、国会正門前
東電福島原発事故で故郷を追われた女性が自らの苦難や「こんな思いを誰にもさせたくない」との訴えに、多くの参加者が「私たちは福島を忘れない」と応えるなど、被災者と連帯を深める場となっています。誰もが安心して参加できるよう、非暴力・直接行動の立場を守ってきました。
参加者の声は、政治を大きく動かし、野党による「原発ゼロ基本法案」の共同提出につながりました。「原発ゼロ(基本法案)を審議せよ」と安倍政権や自民、公明両党に迫っています。
福井県高浜町の元助役が関西電力役員へ金品提供していた問題では、関電東京支社前での抗議や癒着の一掃を求めるキャンペーンを行っています。
反原連は、ステートメント(声明)で「今後も市井の人々の意思表示の場として、金曜官邸前抗議や様々な活動を継続すべく、努力をしてまいります」と述べ、「2020年が『原発廃炉時代』の幕開けとなるよう、尽くしましょう」と呼びかけています。
安倍政権を倒すのみ
ミサオ・レッドウルフさん

自分たちでもここまで続けられるとは思っていませんでした。続いていることがいいことだとは思いませんが、安倍政権が原発の維持・推進を続ける以上、声をあげ続けていく必要があると思っています。
安倍政権は、東京オリンピック・パラリンピックを“復興五輪”とうたっています。しかし、万単位で避難している人たちを置き去りにして「復興」などありえませんし、この事故を風化させてはなりません。
2012年には、官邸前に20万人が集まり、官邸で野田首相と会い、民主党政権に“2030年代に原発ゼロ”と表明させるまでになりました。
現在、官邸前抗議では、かつてほどの参加ではないものの、ずっと参加されている人も半数ほどいる一方で、初めて参加するという若者や学生もいます。この「器」を維持している意味はあると考えています。声を絶やさない、原発に反対している人がいることを示し続けることが私たちの役割だと思います。
毎週の抗議で寄せていただくカンパだけでは活動を継続することが難しいと考え、17年にドネーション(寄付)を呼びかけたところ、大きなご支援をいただきました。「現場に来ることができなくても、これだけの人が応援してくれている」と励まされました。㌧
今回、原発事故から10年となる来年まで活動を継続することをめざして、多くの賛同もいただいてドネーションを呼びかけました。すでに多くの方から支援が届いています。
現在、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、抗議を中止しています。消毒液の確保などをしてきましたが、移動の際の公共交通機関などでの安全が確保されないと判断したからです。
原発をなくすには、野党の共闘を進め、安倍政権を倒すしかありません。「原発を絶対に止める」との思いでご一緒に声をあげていきましょう。
各地で金曜行動
官邸前抗議に呼応して各地に広がった行動は「金曜行動」と呼ばれ、ねばり強く取り組まれています。
秋田市
秋田市では、2012年の9月から「さよなら原発県民アクション」が市内にある中通の仲小路で声をあげ続けています。「原発ゼロ法実現させよう」などのプラカードを手に行動しています。
当初から参加している鈴木政隆さん(78)は、「全国の行動に背中を押されて、私たちも立ち上がりました。命や暮らしよりも優先すべきものなんてありません。絶対に原発はなくさないといけない。国民の願いが届く政治を実現するためにこれからも行動を続けていきたい」。
北九州市
北九州市では、「さよなら原発!北九州連絡会」が12年7月からJR小倉駅前で行動しています。時には合唱も交えながら参加者がリレートーク。原発ゼロを求める署名にも取り組んでいます。
事務局長を務めている深江守さん(63)は、原発ゼロを求める世論は圧倒的と指摘。「国民の多くが、原発がなくても電気は足りていることが分かっている。それなのに原発がなくならないのは、政治が決断しないからです。私たちはそうした政治を変えるため、行動を続けていきます」と話しました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月28日付掲載
原発再稼働反対、原発ゼロ、自然エネルギー普及の運動は粘り強く続けられ、野党共同で「原発ゼロ基本法案」の提出につながった。
毎週金曜の行動。毎回参加している人もいれば、初めての人もいるとか。この「器」を維持していくことの意味はあるとミサオ・レッドウルフさん。
神戸では、お盆もお正月も休まず、毎週金曜の行動を、関西電力兵庫支店前で続けています。
首都圏反原発連合(反原連)が毎週金曜日に行っている首椙官邸前抗議がスタートして、8年になります。「原発ゼロ」を求める多様な取り組みが全国に広がり、「原発ゼロの日本をつくろう」と声をあげ続けています。(内田達朗、前田智也)
反原連の首相官邸前抗議は、東日本大震災・東京電力福島第1原発事故をきっかけに、2012年3月29日にスタート。
「再稼働反対」「原発ゼロ」を求める声は急速に広がり、同年6月には約20万人が参加。当時の野田佳彦首相との懇談を実現し、国民の声を直接突き付けました。
350回を超えた抗議には、退職した労働者、子どもづれなどさまざまな人たちが駆けつけます。

反原連の国会前集会で「原発再稼働反対」とコールする参加者=2019年11月10日、国会正門前

反原連のメンバーらと一緒に「原発ゼロで野党は共闘」とコールする、共産党、立憲民主党の国会議員=2019年7月7日、国会正門前
東電福島原発事故で故郷を追われた女性が自らの苦難や「こんな思いを誰にもさせたくない」との訴えに、多くの参加者が「私たちは福島を忘れない」と応えるなど、被災者と連帯を深める場となっています。誰もが安心して参加できるよう、非暴力・直接行動の立場を守ってきました。
参加者の声は、政治を大きく動かし、野党による「原発ゼロ基本法案」の共同提出につながりました。「原発ゼロ(基本法案)を審議せよ」と安倍政権や自民、公明両党に迫っています。
福井県高浜町の元助役が関西電力役員へ金品提供していた問題では、関電東京支社前での抗議や癒着の一掃を求めるキャンペーンを行っています。
反原連は、ステートメント(声明)で「今後も市井の人々の意思表示の場として、金曜官邸前抗議や様々な活動を継続すべく、努力をしてまいります」と述べ、「2020年が『原発廃炉時代』の幕開けとなるよう、尽くしましょう」と呼びかけています。
安倍政権を倒すのみ
ミサオ・レッドウルフさん

自分たちでもここまで続けられるとは思っていませんでした。続いていることがいいことだとは思いませんが、安倍政権が原発の維持・推進を続ける以上、声をあげ続けていく必要があると思っています。
安倍政権は、東京オリンピック・パラリンピックを“復興五輪”とうたっています。しかし、万単位で避難している人たちを置き去りにして「復興」などありえませんし、この事故を風化させてはなりません。
2012年には、官邸前に20万人が集まり、官邸で野田首相と会い、民主党政権に“2030年代に原発ゼロ”と表明させるまでになりました。
現在、官邸前抗議では、かつてほどの参加ではないものの、ずっと参加されている人も半数ほどいる一方で、初めて参加するという若者や学生もいます。この「器」を維持している意味はあると考えています。声を絶やさない、原発に反対している人がいることを示し続けることが私たちの役割だと思います。
毎週の抗議で寄せていただくカンパだけでは活動を継続することが難しいと考え、17年にドネーション(寄付)を呼びかけたところ、大きなご支援をいただきました。「現場に来ることができなくても、これだけの人が応援してくれている」と励まされました。㌧
今回、原発事故から10年となる来年まで活動を継続することをめざして、多くの賛同もいただいてドネーションを呼びかけました。すでに多くの方から支援が届いています。
現在、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、抗議を中止しています。消毒液の確保などをしてきましたが、移動の際の公共交通機関などでの安全が確保されないと判断したからです。
原発をなくすには、野党の共闘を進め、安倍政権を倒すしかありません。「原発を絶対に止める」との思いでご一緒に声をあげていきましょう。
各地で金曜行動
官邸前抗議に呼応して各地に広がった行動は「金曜行動」と呼ばれ、ねばり強く取り組まれています。
秋田市
秋田市では、2012年の9月から「さよなら原発県民アクション」が市内にある中通の仲小路で声をあげ続けています。「原発ゼロ法実現させよう」などのプラカードを手に行動しています。
当初から参加している鈴木政隆さん(78)は、「全国の行動に背中を押されて、私たちも立ち上がりました。命や暮らしよりも優先すべきものなんてありません。絶対に原発はなくさないといけない。国民の願いが届く政治を実現するためにこれからも行動を続けていきたい」。
北九州市
北九州市では、「さよなら原発!北九州連絡会」が12年7月からJR小倉駅前で行動しています。時には合唱も交えながら参加者がリレートーク。原発ゼロを求める署名にも取り組んでいます。
事務局長を務めている深江守さん(63)は、原発ゼロを求める世論は圧倒的と指摘。「国民の多くが、原発がなくても電気は足りていることが分かっている。それなのに原発がなくならないのは、政治が決断しないからです。私たちはそうした政治を変えるため、行動を続けていきます」と話しました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年3月28日付掲載
原発再稼働反対、原発ゼロ、自然エネルギー普及の運動は粘り強く続けられ、野党共同で「原発ゼロ基本法案」の提出につながった。
毎週金曜の行動。毎回参加している人もいれば、初めての人もいるとか。この「器」を維持していくことの意味はあるとミサオ・レッドウルフさん。
神戸では、お盆もお正月も休まず、毎週金曜の行動を、関西電力兵庫支店前で続けています。