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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

朝鮮半島の激動と北東アジアの平和⑥ 軍事から対話へ 9条の力を示す流れ

2018-08-25 09:24:29 | 国際政治
朝鮮半島の激動と北東アジアの平和⑥ 軍事から対話へ 9条の力を示す流れ
「朝鮮半島の大きな転換を見据え強く感じるのは、アジアへの侵略戦争の反省にたって軍事を否定し、核戦争を体験し軍備の全廃を決めた日本国憲法第9条のすばらしさだ」
和田進神戸大学名誉教授(憲法学)はこう述べます。
日本国憲法第9条が登場した背景には、ヒロシマ・ナガサキへの核兵器の投下があります。内閣が日本国憲法公布直後に発行した『新憲法の解説』は、原爆の出現で「まず文明が戦争を抹殺しなければ、やがて戦争が文明を抹殺するであろう」と軍備全廃の意味を語っています。



安倍政権退陣、9条守ろうとデモ行進する人たち=6月3日、東京都新宿区

阻止力生む
和田氏は、「核兵器の登場とその巨大な蓄積、体系の成立は、9条とともに、核戦争を阻止する新しい民衆的基盤を持った恒常的、日常的運動をもたらした。核の出現は、まさに核を阻止する力を生み出した」と指摘します。
朝鮮半島での核戦争の危機の中で、「すべてをかけて戦争だけは防ぐ」とした韓国の文在寅(ムンジェイン)政権と韓国の民衆は、南北首脳会談から米朝首脳会談実現への流れをつくりだしました。昨年7月には歴史上初めての核兵器禁止条約が国連で採択されました。9条の精神が北東アジアと世界に広がりつつあるのです。
和田氏は、「現在の流れは、単に核兵器だけでなく、米韓合同軍事演習の中止、北のミサイル実験場解体など軍事的対抗そのものをやめていく動き」と注目。他方、南北で軍事通信線を回復し鉄道連結を進めるなど、「軍事一本やりだったものが、その行きつく先は核戦争による数千万人の戦死者という極限までいくことで、軍事的なものを否定していく流れとなっている。9条がさし示した道だ」とし、「いま9条の意義を語るチャンスだ」と強調します。9条に基づく平和外交のイニシアチブを強め、北東アジア諸国と紛争の平和的解決の合意を進める可能性の広がりを訴えます。

路線“転換”
他方で安倍晋三首相は、米朝首脳会談を受け、拉致問題に関し「日本が北朝鮮と向き合い解決する」と対話路線へ“転換”の姿勢を示さざるを得なくなりました(6月12日)。また同18日の参院決算委員会では「今般の会談においてトランプ大統領は、相互信頼を醸成しながら非核化の先の明るい未来を共有し椙手の行動を促すという新しいアプローチを採用した。今回の会談は、互いの相互不信の殻を打ち破る、突破口を開くものであった」と“対話路線”を積極評価せざるを得なくなっています。
「北朝鮮の脅威」を最大の口実に進めてきた9条破壊の「戦争する国づくり」は大きな矛盾と破たんを抱え込み、根源から動揺し始めています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年8月21日付掲載


核戦争の危機を阻止するのは、軍事力ではなく憲法9条とそれに基づく民衆の運動。
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