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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

安倍官邸・財界一体 危険な「生産性革命」① 官邸会議体で推進

2018-05-24 14:40:11 | 経済・産業・中小企業対策など
安倍官邸・財界一体 危険な「生産性革命」① 官邸会議体で推進

政府は、生産性向上特別措置法を今国会で成立させました。人工知能(AI)などの新技術や新しいビジネスモデルを社会実装することで「短期間での生産性向上」を実現することが目的です。同法の問題点を見ていきます。(斎藤和紀)

生産性向上特別措置法は、新技術の実証実験を行うために法規制を一時凍結する「規制のサンドボックス制度」や、行政機関が持つデータの提供を認定事業者が要請できる制度の創設を盛り込んでいます。3年間の時限立法です。
1月の施政方針演説で安倍晋三首相は「『生産性革命』への流れを先取りすることなくして、日本経済の未来はありません」と語りました。
同法は、安倍政権の成長戦略「未来投資戦略2017」や、2017年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」に位置付けた「生産性革命」を受けたものです。
17年6月に閣議決定した「未来投資戦略2017」は、安倍首相が議長を務める未来投資会議で策定されました。民間議員には、榊原定征(さかきばら・さだゆき)経団連会長や、次期経団連会長である中西宏明・日立製作所会長などの財界メンバーが名を連ねています。
財界と官邸が一体となり政策決定を進める、さまざまな会議によって、こうした戦略が具体化されました。これはもともと産業競争力強化法の前身である産業活力再生特別措置法を制定した1999年の産業競争力会議が出発点でした。




ウィルス対策ソフト・アバストの「サンドボックス」
サンドボックスはアプリの実行、ファイルのダウンロード、ウェブサイトへの訪問をコンピューターの他の部分から隔離された安全な仮想環境で行えるようにします。


規制を「総点検」
規制改革推進会議は、業法で規制されている民泊やライドシェア(相乗り)事業の実現を推進しています。大田弘子議長は「生産性革命のために古い規制を総点検して、改革を進める」(2016年11月)と述べています。利用者の安全を守る業法を、営業の自由を脅かす不当な規制とみなしているのです。
内閣府は15年に「近未来技術実証特区検討会」を開催。民間事業者から規制の凍結が必要な実証実験プロジェクトを募集し、道路交通法など規制改革が必要な法律を抽出しました。安倍首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議では、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長(16年12月の会議)や日産のカルロス・ゴーン会長(17年2月)が、自動走行などの実証実験が行えるサンドボックス制度の創設を提案しました。
こうした議論を踏まえ、未来投資会議では、竹中平蔵東洋大学教授が「サンドボックスという考え方は、次の成長戦略の目玉の一つに据えなければいけない」(17年1月)と提案。同会議の議論で具体化を進め、生産性向上特措法にサンドボックス制度を盛り込みました。

官民データ利用
経団連は16年4月に「新たな経済社会の実現に向けて」と題する意見書を発表。利活用できるデータの質・量・速度が「企業や国の競争力に直結する」ため、官民が保有する、個人の行動、状況などの情報の利活用促進を要望しました。現行の規制が技術革新を阻害しているとして、規制改革の手続きの簡素化などを求めました。
安倍首相が本部長を務める高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT本部)や官民データ活用推進戦略会議で、公的機関が保有するデータの民間活用を推進する基本計画をまとめました。
世耕弘成経済産業相は、サンドボックス制度を運用するとき、規制緩和に消極的な大臣がいた場合、「(規制緩和に)後ろ向きであったら、(首相が任命する評価委員会が)勧告を行う」(4月6日、衆院経済産業委員会)と述べました。企業のため、官邸をあげての態勢で、国民の命と暮らしを守ってきた規制に大穴を開けようとしています。
(6回連載です)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年5月23日付掲載


「規制のサンドボックス」なんて聞きなれない言葉ですけど、ウィルス対策ソフト・アバストに「サンドボックス」という機能があります。
「サンドボックス」はアプリの実行、ファイルのダウンロード、ウェブサイトへの訪問をコンピューターの他の部分から隔離された安全な仮想環境で行えるようにします。
「アバスト」の「サンドボックス」は安全を強化するためにあるのですが、安倍流「サンドボックス」は安全性を緩めるため。
まるで真逆です。
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