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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「国民連合政府」提案で見える面白さ 小林節・慶応大学名誉教授

2015-11-10 17:02:24 | 平和・憲法・歴史問題について
「国民連合政府」提案で見える面白さ 小林節・慶応大学名誉教授

憲法学者の小林節・慶応大学名誉教授は全国各地で行っている講演で、日本共産党が提案した「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」と、その実現のための野党の選挙協力などについて語っています。3日、高知市内で開かれた「高知九条の会」と「女性九条の会」主催の講演会での講演(要旨)を紹介します。


講演する小林節・慶応大学名誉教授=11月3日、高知市

憲法9条2項は、陸海空軍を持たないだけでなく、交戦権を持たないと規定している。交戦権は国際法上の戦争ができる資格をいうわけであり、交戦権がない以上、戦争を切り結ぶ法的資格はありません。
戦争できない国が、戦争する国になる法律をつくった。これを「戦争法」と呼んでどこが悪いのか。一番わかりやすいじゃないですか。何でこれが「平和安全法」なんですか。それこそレッテル貼りですよ。
(共産党の)「国民連合政府」の提案で、他の野党党首や幹部、地方の幹部、連合の幹部の人たちと話をすると、面白いものが見えてきます。
いま民主党の細野豪志政調会長は「政策が違う政党と連立を組むことはできない」といっています。けれども、戦争法案が騒ぎになり始めたとき、公明党の山口那津男代表は“自民党と公明とは別の党だから、政策が違って当たり前”といいました。しかも、(自公)連立合意の中には「憲法」という合意がありません。憲法観が違っても、自民党と公明党は(連立で)権力の座についている。少なくともわれわれはプライドがありますから、そこまでは許されない。権力のために権力を求めることはしません、ちゃんとした大義がいります。

政策をうんぬんいう前に、国の憲政の仕組みそのもの、政策を論じる前提が壊されている。主権者国民のものである仕組みが、自公連立政権に奪われてしまっている。それを取り返す。われわれは憲法を、主権を、まず取り戻すために団結する。これ以上の大義はないではないですか。
それに対して「政策が違う党とは…」なんて、何かっこつけているのですか?といいたい。政治というのは、妥協・調整の業じゃないですか。互いに議論し合って、5割・5割、あるいは3割・3割で手を打つのが政治です。
まずは、議会が機能するように連立で政権を取り戻したあと、政権を壊さないように、みんなが見ている前で議論をして、政策を詰めていけばいい。
私の教え子に、長島昭久代議士がいます。民主党の中で「一番安倍総理に近い」といわれ、(彼は)“共産党と手を組むと保守層が逃げる”という。民主党は「第2自民党」として出発した。つまり政権交代可能とは、自民党と基本的な国策が変わらないという前提。しかし、民主党が政権を失ったときに、保守層は民主党から去り、自民党に戻りました。だから“共産党と組むなと保守層が逃げる”というのはデマです。言らわれたら言い返してください。
いま「安倍ちゃん、気持ち悪い」という風が吹いている。いままで政治にかわらなか
かった層、選挙で棄権していた層が、アンチ安倍で投票する。民主党が共産党と手を組めば「これは政権がとれる」と、さらに勢いがつくと思います。
労働組合の大幹部には、「共産党とつきあうと、組織をとられちゃう」という人もいました。すごい実感があった。それで僕は「いいじゃない、とられたら」と言いました。
だって人間には結社の自由がある。誰と手を組むかは自由。自由競争で負けたら仕方がない。取り返せばいいじゃないかと。でもやられた体験があり、やり返す自信がないのですね。そのとき一言。
「安倍ちゃんに日本をのっとられているのだから、それを取り返すために、苦手な共産党でも、もっと楽な相手でしょ」といいました。すると、「ああ、なるほど」となりました。

新しい政治を迎えるときに何が起きるか。
「第三極」への期待はもうなくなっています。最近の地方選挙を見てみると、「共産党がんばるね」「あの頑固さが良い」と。私のまわりにも、「共産党だけはいや」といっていた人が、「冷静に考えたら共産党のほかに入れるところない」と言い出している人がいます。「安倍政権気持ち悪い」「共産党がんばれ」というのが続いています。
来年7月の参院選挙で32ある1人区では、がまんして各党の取り分を決め、何回も議論して、全力でささえあう。そこで20もとれば、参議院が逆転できます。参議院の問責決議は、法的拘束力はないが政治的拘束力はあるので、やめなかった閣僚はいないのです。そういう形で追い込んで、どこまで逃げても3年以内に総選挙はくる。参院の1人区で野党共闘が成功した実感を持って、衆議院の295の小選挙区で野党が共闘すれば、もっととりこぼしが少なくなると思います。政権交代です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年11月10日付掲載


共産党アレルギーに対して、小林さんの「安倍ちゃんに日本をのっとられているのだから、それを取り返すために、苦手な共産党でも、もっと楽な相手でしょ」という対応は的を得ていますね。
参院選挙の1人区で選挙協力が成功すれば、総選挙での小選挙区でも協力できる。
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