16年度予算 概算要求の焦点⑨ 軍事費 南西諸島・九州で戦争準備
軍事費の2016年度概算要求額は5兆911億円(SACO=沖縄に関する特別行動委員会、米軍再編関係経費含む)で、過去最大の要求額です。15年度予算比で1110億円(2・2%)の大幅増。第2次安倍政権の発足以来4年連続の軍拡で、史上初めて、当初予算での5兆円突破を狙っています。
16年度の軍事費は、安倍政権が13年末に策定した「中期防衛力整備計画」を具体化する3年目にあたります。中国へ軍事的に対抗するため、南西諸島・九州での戦争準備・基地強化策が年々顕著になっています。
日米で基地強化
宮古島(沖縄県)への警備部隊、地対空ミサイル部隊、地対艦ミサイル部隊の配置に向けて、駐屯地の用地取得・敷地造成費などで108億円を計上。
奄美大島(鹿児島県)へも、同様の3種類の部隊配置に向けて駐屯地造成工事費86億円、移動式警戒管制レーダーの展開基盤整備費3億円を盛り込みました。
さらに与那国島(沖縄県)の沿岸監視部隊関連の施設整備に76億円、九州でも水陸両用車部隊の拠点整備(長崎県・崎辺分屯地)に74億円、水陸機動団関連施設の整備(長崎県・相浦駐屯地) に34億円を計上しました。
南西諸島での基地強化は、日米一体で進んでいます。その中核となる沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費などを含む米軍再編経費は15年度と同額の3078億円(契約ベース)で仮置きし、沖縄の民意を一顧だにしない姿勢をみせています。


陸上自衛隊が導入する水陸両用車AAV7(米海兵隊ウェブサイトから)
兵器面でも軍拡
兵器面でも戦争法案による海外派兵拡大に備えて、異常な速度での大軍拡を狙っています。
4月に成立した防衛調達長期契約特措法を利用して垂直離着陸機V22オスプレイー2機(1321億円)など兵器3件を6年契約で一括購入。長期契約による“ツケ払い”額の増加は長期間にわたり財政を圧迫します。
16年度の契約で17年度以降に支払いが生じる「新規後年度負担」額は2兆5648億円(15年度比で0・1%の増)と高止まりとなっています。
「後方支援」能力の強化のため、新型の空中給油機KC46A(価格未定)を購入する予定。戦車に比べて軽量で、空輸により迅速な海外展開が可能な機動戦闘車(36両・259億円)の導入も開始します。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年9月20日付掲載
日米政府は、中国の軍事力強化を批判し警戒していますが…
自分のところを棚に上げて言えるものではありません。軍事に軍事で対応すれば、エスカレートするばかりです。
軍事費の2016年度概算要求額は5兆911億円(SACO=沖縄に関する特別行動委員会、米軍再編関係経費含む)で、過去最大の要求額です。15年度予算比で1110億円(2・2%)の大幅増。第2次安倍政権の発足以来4年連続の軍拡で、史上初めて、当初予算での5兆円突破を狙っています。
16年度の軍事費は、安倍政権が13年末に策定した「中期防衛力整備計画」を具体化する3年目にあたります。中国へ軍事的に対抗するため、南西諸島・九州での戦争準備・基地強化策が年々顕著になっています。
日米で基地強化
宮古島(沖縄県)への警備部隊、地対空ミサイル部隊、地対艦ミサイル部隊の配置に向けて、駐屯地の用地取得・敷地造成費などで108億円を計上。
奄美大島(鹿児島県)へも、同様の3種類の部隊配置に向けて駐屯地造成工事費86億円、移動式警戒管制レーダーの展開基盤整備費3億円を盛り込みました。
さらに与那国島(沖縄県)の沿岸監視部隊関連の施設整備に76億円、九州でも水陸両用車部隊の拠点整備(長崎県・崎辺分屯地)に74億円、水陸機動団関連施設の整備(長崎県・相浦駐屯地) に34億円を計上しました。
南西諸島での基地強化は、日米一体で進んでいます。その中核となる沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費などを含む米軍再編経費は15年度と同額の3078億円(契約ベース)で仮置きし、沖縄の民意を一顧だにしない姿勢をみせています。


陸上自衛隊が導入する水陸両用車AAV7(米海兵隊ウェブサイトから)
兵器面でも軍拡
兵器面でも戦争法案による海外派兵拡大に備えて、異常な速度での大軍拡を狙っています。
4月に成立した防衛調達長期契約特措法を利用して垂直離着陸機V22オスプレイー2機(1321億円)など兵器3件を6年契約で一括購入。長期契約による“ツケ払い”額の増加は長期間にわたり財政を圧迫します。
16年度の契約で17年度以降に支払いが生じる「新規後年度負担」額は2兆5648億円(15年度比で0・1%の増)と高止まりとなっています。
「後方支援」能力の強化のため、新型の空中給油機KC46A(価格未定)を購入する予定。戦車に比べて軽量で、空輸により迅速な海外展開が可能な機動戦闘車(36両・259億円)の導入も開始します。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年9月20日付掲載
日米政府は、中国の軍事力強化を批判し警戒していますが…
自分のところを棚に上げて言えるものではありません。軍事に軍事で対応すれば、エスカレートするばかりです。