きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

16年度予算 概算要求の焦点⑦ 文教 少人数学級推進 要求せず

2015-09-19 22:46:12 | 政治・社会問題について
16年度予算 概算要求の焦点⑦ 文教 少人数学級推進 要求せず

2016年度予算の文部科学関係概算要求額は、15年度当初予算比9・8%増の5兆8552億円です。
安倍晋三首相が今年2月の国会で「さらに35人学級の実現に向けて、努力をしていきたい」と答弁したにもかかわらず、現在、法律で小学1年生で止まっている少人数学級化の再開・推進について要求すらしていません。

財務省の圧力
公立小中学校教職員数は、少人数指導の充実などのための定数改善は3040人の要求にとどまっています。一方、児童減少による「自然減」は3100人です。そのため、実質は60人減です。
少人数学級前進のための法改正は、自然減以上の定数改善は必要ないとする財務省側の圧力で先送りしました。
「アクティブラーニング」(授業改善)の充実などのために必要な定数改善は、19年までは毎年予算で決まる「加配定数」の拡充(1440人増)で対応するとしています。
ゆがんだ「愛国心」など、国家が特定の価値観を押しつける道徳の教科化を先取り的にすすめます。
使用義務のない副読本にすぎない文科省作成の「私たちの道徳」550万冊の配布、授業や教材の先進事例の映像資料の整備に15億円を計上しています。
競争主義に拍車をかける全国学力テストについては、経年変化分析も含めて57億円に増額。義務教育を複線化し、教育の平等を壊す「小中一貫」教育の推進に2億円増の3億円を計上しました。





教育予算増額や35人学級の前進を求める教育関係者=7月10日、東京都内

財界の要求で
財界が求めるグローバル人材の育成のためとして、小学校の英語教育早期化に向けて、新規5億円を盛り込みました。
国立大学運営費交付金については、「国立大学改革」として文科省が主導する「改革方向」に応える大学への重点支援枠として、新たに404億円を計上。大学を「世界で卓越した教育研究など」三つに分類し、財界の要求に応える大学・学部の再編・統合をすすめていくねらいです。学長主導で学部統廃合などをすすめられるよう「学長裁量経費」を去年と同額の400億円を計上しています。
大学の奨学金制度は、有利子を2万人減とする一方で、無利子を3・8万人増。返済額の軽減を図るとして所得連動型奨学金制度の創設に向けて、システム改修に25億円を計上しました。これは個人情報保護の保証がないマイナンバー制度を前提としたものであり、給付型奨学金には背を向けたままです。
「フリースクール」支援は、不登校の子どもへの支援も含め4億9200万円を計上。夜間中学設置推進に9300万円を要求しています。
(つづく)


「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年9月18日付掲載


少人数学級充実のための教員増員はなかなか実現できず。
大学の奨学金は求められる給付型には対応せず、無利子を増やすことでお茶を濁しています。
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