きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

マンション 地震防災① 崩壊しなくても、被害は・・・

2011-01-19 21:33:19 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
マンション 地震防災① 崩壊しなくても、被害は・・・

危機管理教育研究所代表 国崎信江

 日本で地震が起きないところはありません。気象庁の震度データベースをみれば、日本の陸域や海域で年間およそ2千回の地震(震度1以上の有感地震)が発生していて、毎日どこかで地震が起きています。さらに、いまわが国は地震の活動期にあり、巨大地震発生の切迫性が指摘されています。今後30年間にマグニチュード8クラスの巨大地震や、7クラスの大地震がいくつも発生すると考えられています(イラスト参照)。




室内の安全は
 このような背景から、私たちは生活の中に防災をうまく取り入れていくことが求められています。
ところで、家庭防災は建物の耐震化や家具固定方法に見られるように戸建て住宅を中心に話が進められている傾向にあります。そのため、集合住宅に住まわれている方はその居住形態の特性にあった適切な対策がなされていないように思います。
 居住者の方で、「マンションは地震に強い」と信じている方もいるようですが、正しくは「マンションは地震で倒れない」という認識が適切です。新耐震基準では、震度6強から震度7程度の地震に対して人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことが基準になっています。
 適切な施工がなされていれば建物の崩壊はないでしょうが、被害が全くないということではないのです。少なくとも、室内の安全対策を怠れば被害は免れません。


上層になると
 マンションには、低層マンションから超高層マンションまでさまざまな特徴があり、地震時の被害はマンションの構造(工法)や階層に影響されます。単純にいえば、上層になるほど揺れの振幅は大きくなります。揺れの繰り返し時間が長く、まるで船に乗っているかのように大きく揺さぶられます。
 たとえ揺れが地上で収まったとしても、上層ではさらに何分もの間揺れ続けることが考えられます。そのため、室内にある固定されていない家具・家電製品・ガラス製品・生活雑貨といった、あらゆるものが移動して破損し、それらが室内のあちらこちらに勢いよく床を走り続けます。
 耐震枠でない玄関ドアや室内ドアなら、変形してドアが開けられず、避難もままならない状況になるかもしれません。万一、在宅していたならば負傷や閉じ込めの危険があるのです。
 室内の被害に留まらず、生活を継続する設備類が被害を受ければ、自室で過ごすことが難しくなります。
過去の地震では、高置水槽の転倒・脱落、建物内や地中埋設配管の破断・損傷、電気設備(動力設備、TV共聴設備、電話配管設備等)の配管・配線の露出・損傷、空調室外機・バルコニーの脱落などの報告があります。
 「地震に強いマンション」にするためには、こうしたひとつひとつを見直していく必要があります。次回からは、命を守る室内づくりやマンション全体の災害対応など、マンション防災について詳しく紹介していきます。
(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年1月7日付掲載

確かに、建物自体は倒れなくっても、阪神・淡路大震災では、家財が倒れてきて下敷きになったり、貯水槽や電気設備などの被害や漏電、階段やわたり廊下などが壊れて避難できなくなったりしました。
総合的に考えていかないといけないのですね。
コメント
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