大企業の広告部に勤務するビジネスウーマンのマーガレットは、会社での出世の為、バイオエンジニアリングを受け、昆虫の機能を持った。しかし事はうまく運ばず……『中間管理職のための出世戦略』、
JEK暗殺後、ゴールドウォーターが大統領に選ばれ、ベトナム戦争で核兵器を使い収束。ロバート・ケネディは暗殺されないという過去を持つ、1990年のアメリカ。ニクソンは大統領選に破れた後、テレビ司会者になっていて……『アメリカ国民の皆さん』、
現実とネットワークが半同一化した世界。
父に連れられ、試験センターにやってきた7歳の少女エリザベス・ラザフォードは、同様に試験を受けにきた子供たちの中で、シーナという少女とオジンガという少年と親しくなる。しかし、アジアセンターに行くといっていたシーナが、実は安楽死されるらしいと聞き、彼女たちを助けようとエリザベスは奮闘する……『コンピュータ・フレンドリー』、
コインランドリーで、左足のグレーのソックスをなくした女性。
しかしそれ以来、左足が勝手に動きだし……『ソックス物語』、
一人静かに息を引き取った老作家。
離れて暮らしていた彼の娘は、遺品整理のため彼の住んでいたアパートメントを訪れたが、そこにはあらゆるものにメモが貼られ、蔵書には書き込みがされていた……『遺す言葉』、
大海の側の森の端に、両親や兄たちと住んでいた少女ライカン。そんな彼女は、ある日、コイ目の生き物たちにつれて行かれ、寄宿学校でさまざまな技術を学び、7年が過ぎた。しかし今のままではいつまでも家に帰れないと知った彼女は、そこを飛び出し……『ライカンと岩』、
空飛ぶ知的生命体ジラトは、歓喜とともに死を迎えるべく<風の沙漠>を目指していた。
一方、アレックス・ザミャーチンは、ジラトを捕獲。ところが彼女はアレックスの頭の中に話しかけてきて……『コンタクト』、
異星人…ヘビ頭を持ったスロポたちが地球に来襲。おれたちの元にやってきた。どうやらスロポは、この星を侵略の為の調査に来たらしいのだが……『スロポ日和』、
イデオロギーを反映させるフルーツ・クリスプのレシピとテクスト分析……『イデオロギー的に中立公正なフルーツ・クリスプ』、
シエラネバダ山脈でスキーをする為、恋人のゼブとともに訪れていたミアは、昨夜の彼との喧嘩で自分に嫌気がさし、遠くへ行こうと決意する。
ところがその直後、池に死体を見つけ、引き上げようとしたゼブもまた、同様に池に沈みこんで……『春の悪夢』、
皆が超能力を持つコパーン高校。そんな中、予知能力を持つ女子高生バーバラは、テレポーテーションに失敗したラスボーン先生が湖水に沈む姿を見てしまう……『ニルヴァーナ・ハイ』(*レズリー・ホワットとの共著)、
1943年。アイザック・アシモフ23歳は、フィラデルフィアの海軍基地に配属され、ロバート・ハイラインと一緒に、テスラコイルを使って、感知されない船を作る実験船に乗り、女性軍人ホッパー少尉の元で任務を遂行することになったのだが……『緑の炎』(*アンディ・ダンカン、パット・マーフィー、マイクル・スワンウィックとのリレー小説)の12編の他、他作家から贈られた文章等を収めた1冊。
SF短編集。
1976年にデビューしつつも、超遅筆ゆえにこれが1冊目の短編集だとか。
たまたまアマゾンで表紙を見かけて気になり(イラストは七戸さん)、思わず手に取って見ました(笑)。
だいぶバラエティに富んだ作品群ですが、個人的には表題作と『コンピュータ~』あたりが好きかな。
<09/6/3>