黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(08/11) †

2008-11-30 | 新刊情報
<11月>
11/4
安房直子『春の窓 安房直子ファンタジスタ』講談社(文庫:ホワイトハート)

11/6
北山猛邦『『石球城』殺人事件』講談社(ノベルス)

長嶋有『電化製品列伝』講談社

本多孝好『チェーン・ポイズン』講談社

11/7
海堂尊『イノセント・ゲリラの祝祭』宝島社

服部真澄『わらしべ長者、あるいは恋 清談佛々堂先生』講談社

11/10
津守時生『三千世界の鴉を殺し 14』新書館(文庫:ウィングス)

菅浩江『カフェ・コッペリア』早川書房

11/14
辻村深月『凍りのくじら』講談社(文庫)

11/15
山崎ナオコーラ、柴崎友香、中上紀、野中柊、宇佐美游、栗田有起、柳美里、宮木あや子『29歳』日本経済新聞出版

11/20
桜庭一樹『ファミリーポートレイト』講談社

近藤史恵『寒椿ゆれる 猿若町捕物帳』光文社 
  
吉田篤弘『小さな男*静かな声』マガジンハウス 

11/21
米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』新潮社

中村弦『天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語』新潮社

恒川光太郎『草祭』新潮社

川上弘美『どこから行っても遠い町』新潮社

11/22
いしいしんじ『白の鳥と黒の鳥』角川書店(文庫)

11/25
茅田砂胡『クラッシュブレイズ 追憶のカレン』中央公論新社(ノベルス)

11/26
小路幸也『のこされるもの』小学館

三浦しをん『光』集英社

宮木あや子『泥ぞつもりて』文藝春秋

橋本紡『橋をめぐる いつかのきみへ いつかのぼくへ』文藝春秋

いしいしんじ『四とそれ以上の国』文藝春秋


日付不明
山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』東京創元社

加藤実秋『インディゴの夜 ホワイトクロウ』東京創元社

北山猛邦『踊るジョーカー』東京創元社

坂木司『山の学校』理論社(ミステリーYA!)



『真夜中のタランテラ』麻見和史(東京創元社)

2008-11-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
“義足のダンサー”として有名だった桐生志摩子が、T県菜我原市の野外劇場の搬入口近くのベンチで遺体となって発見された。
健常だった右足は切断されて行方不明。左義足と、持ち主不明の右義足に、彼女のトレードマークであった赤い靴を履かせたものが、舞台上に置かれていたのだった……彼女が自らの人生を重ねてきた、アンデルセンの童話『赤い靴』の踊り続けた少女・カレンのように。
彼女をイメージモデルにしていた仲井義肢製作所に勤める、若き義肢装具士・香坂徹は、義足の妹・奈緒が志摩子のバレエスタジオでバレエピアニストをしていた関係から、志摩子の夫である芸術家の間島勤から相談を受け、いとこのひとみの夫である再生医療の研究者・鴇圭一郎と共に事件について調べることに。
そんな中、奈緒が拉致され、さらに徹の同僚である沖も……

義肢や障害者の心理などについて描かれていて、とても興味深く考えさせられる内容でした。
改めて考えてみると確かに『赤い靴』は、ちょっと不可解なお話ですね~。

<08/11/30>

『草祭』恒川光太郎(新潮社)

2008-11-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
中学3年の初夏、友人の椎野春が失踪した。かつて彼と一緒に出かけ、“のらぬら”を見た“けものはら”に行ったのではないかと確信した持田雄也は、4年ぶりにそこにやってきたが……『けものはら』、
美奥の尾根崎地区には、家の守り神である猩猩を屋根に乗せる風習があった。
クラスで山添京子を筆頭にしたグループからいじめにあっている高校生・藤岡美和は、ある日、タカヒロという少年に出会い、たびたび彼と話をするようになる。そんな中、彼と一緒にファミレスにいたところを京子たちに絡まれて……『屋根猩猩』、
幼い頃、山に住んでいた少年は植物の知識に長けた叔父を殺害した後、リンドウという僧侶に拾われ、春沢という村にやってきた。叔父の死と共に声を失い、テンと名付けられ、リンドウの娘である絹代、孫の花梨らと過ごす中で、再び話せるようになった。
やがて数年が経ち、山で山賊に襲われていた女を助けたテンだったが、その復讐として絹代たちが攫われてしまう……『くさゆめがたり』、
建築士である傲慢な父を嫌い、家を出てきた少女・望月ゆうか。そこでタッペイとコウヘイという双子の少年たちに出会い、“クトキ”だと彼らの家に連れてこられた彼女は、親分やおばさんと共に“天化”という不思議なゲームを興じることに。そんな中、ゆうかは密かに思いを寄せていた少年・黎磁と、彼が付き合っていたアミのことを思い起こしていた……『天化の宿』、
ある事情から家を出た香奈枝は、長船という中年男性の元に身を寄せ、彼の世話をしていた。彼が語る美奥に惹かれていた彼女は、ある日、彼が自分の町を持っているという話を聞く……『朝の朧町』の5編収録。

“美奥”という不思議さが同居する町を舞台とする連作短編集。
恒川ワールド全開で、とても幻想的かつ魅力的なお話でしたvv

<08/11/29>

『時が滲む朝』楊逸(文藝春秋)

2008-11-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
高校時代から共に優秀で、親友同士だった梁浩遠と謝志強。
1988年、揃って秦都の秦漢大学に入学した2人は、30代の教授・甘凌洲や多くの学生たちの中で、民主化運動へと傾いてゆく。ところがそんな中で天安門事件が勃発。失意を味わった彼らは、街でささいな諍いから暴力事件を起こし、大学を退学処分になってしまう。そして、甘教授は亡命、女学生のリーダーで、2人が思いを寄せていた白英露は行方不明に。
その後、近所に住んでいた日本人残留孤児二世の梅と結婚し、日本に渡った浩遠だったが……

芥川賞受賞作。
民主化運動に挫折した青年たちのお話。
天安門事件が絡んでますが、割とあっさりした表現になっているので、青春小説色が強い感じ。

<08/11/28>

『わらしべ長者、あるいは恋 清談 佛々堂先生』服部真澄(講談社)

2008-11-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
贅沢品ばかりを集めたカタログ販売を行なう会社に勤める、平の取締役・榊原多恵。会社のオーナー社長である漆原仁志は、取締役5人に対し、“金では買えない、贅沢の極み”を味わう食事の席を準備するようにと指令を出した。それで選ばれた者が、常務取締役に選ばれるらしい。知己である、知恩堂に相談に行くと、いい人がいるという。言われるまま二月堂へ向かった多恵は、そこで“先生”に出会い……縁起 春 門外不出、
会社の退職と前後して、妻・美保子を失った田辺昌一の元に、便利屋のおっちゃん然とした男がやってきた。生前、美保子に彼をある場所へ連れて行くように頼まれていたというのだが……縁起 夏 極楽行き、
母・知加子が盗んだ山野草を、密かに返して歩く高校生・高久友樹に出会った佛々堂は、2人を連れて、素封家・樺島浪美子が持つ、荒れ果てた箱根の別荘へとやってきたが……縁起 秋 黄金波、
オリーブ農園を経営するかたわら、骨董にも通じていた風見龍平が亡くなった。ある事情から、そんな彼が育てていたレース鳩の行方を探す佛々堂。長男の秀一曰く、龍平は臨終の際に、“チョウイワイ”という言葉を残していたというのだが……縁起 冬 初夢の4編収録。

骨董や食、あらゆることに精通している数寄者・佛々堂先生の活躍する、待望の続編♪
やはりなんといっても先生のキャラクタが素敵v
今回も楽しい一冊でした。

<08/11/27>

スティックバーム@結城堂

2008-11-27 | スイーツ
 おまんじゅうが有名なお店(温泉地なので)で、少し前からバウムクーヘンも作っていると聞き、ずっと気になっていたのですが、会社のお土産でもらいました♪
 スティック状のバウムクーヘン。
 ほどよいしっとり感で美味しいです。

 結城堂:新潟(新発田・旧月岡)

『ガリレオの苦悩』東野圭吾(文藝春秋)

2008-11-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
マンションで一人住まいをしている女性・江島千夏が、転落死した。警視庁捜査一課の女性刑事・内海薫は、冷蔵庫に用意されていたオードブルや、玄関に置かれていた宅配の荷物から、彼女の恋人が犯人だとにらむ。しかし疑わしい人物・岡崎光也は、転落時には、行き合わせたピザ屋の青年と一緒にいたと主張する。何らかのアリバイ工作が行なわれたのはないかと考えた彼女は、先輩の草薙に湯川を紹介してもらえるように頼み込むが……第一章 落下る(おちる)、
かつて、“メタルの魔術師”という異名を取っていた、帝都大学理工学部の元助教授・友永幸正は、脳梗塞の後遺症により思うように身体が動かせず、車椅子生活。その世話はもっぱら、亡き内縁の妻の連れ子・奈美恵に頼っている。自宅の離れには実の息子・邦宏が住んでいたが、多額の借金を作るなど問題を起こしてばかり。
そんなある日、かつての教え子たちを自宅に呼んでパーティをしていると、離れで火事が発生、焼け跡から刺殺されている邦宏の遺体が発見された。事件後、その場に合流した湯川は、事件の捜査に乗り出すが……第二章 操縦る(あやつる)、
湯川の大学時代の友人・藤村伸一が、妻・久仁子と経営する山の中のペンションで、客・原口清武が、崖から転落死するという事件が発生。先に彼の部屋が密室であったことを確認していた藤村は不審に思い、湯川に相談。かくしてペンションにやってきた湯川だったが……第三章 密室る(とじる)、
息子一家が海外旅行に出かけ、老女・野平加世子がひとり留守番をしていた家に強盗が入った。加世子は殺害され、彼女が仏壇に隠し持っていた、10kgもの金塊が盗まれていたことから、犯人はその事情を知る者と思われた。そこで、捜査線上に浮かび上がってきたのは、彼女の家に出入りしていた保険外交員・真瀬貴美子。
貴美子の中学生の娘・葉月は、そんな母の疑いを晴らすべく、常日頃から愛用している振り子を用い、行方不明だった野平家の飼犬の死骸を探し当てた。葉月の言葉の真偽を確かめることになった湯川は……第四章 指標す(しめす)、
“悪魔の手”と名乗る人物から、警視庁と湯川の元に挑戦状めいた怪文書が届いた。自在に人を葬ることができると豪語する犯人は、次の文書で建築現場の作業員・上田重之を転落死させたと告げる。何故か湯川に対して挑戦的な態度を取る犯人は、さらなる犯行を告げ……第五章 攪乱す(みだす)を収録。

『聖女の救済』と同時刊行の、探偵ガリレオシリーズの短編集。
(テレビ版でメインキャラクタとなっている)内海薫は、『落下る』が初登場のようなので、時間の流れ的には、『聖女の救済』よりは先かも。『聖女の~』を読んだ時にも思いましたが、テレビの彼女より小説の彼女の方が何気に有能そうな気が…(笑)。

<08/11/26>