黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ラスト・メメント 遺品蒐集家・高坂和泉の日常』鈴木麻純(角川書店)

2012-10-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
遺品蒐集を趣味とする青年・高坂和泉は、さほど有名ではない画家・比良原倫行が描いた、死をテーマにした絵画<死者の行進>を蒐集している。
そのうちの一枚である<幼児と死>を所有している写真家・杠葉敦が脳溢血で急死。彼から絵を譲って貰う約束だった和泉は、杠葉の家に向かう途中で、かつて杠葉の生徒だったっという駆け出しの写真家・国香彩乃と遭遇。一緒に杠葉家へと向かうが、杠葉の子供たち…姉・真弥と弟・諒太郎に拒否され、門前払いを食わされてしまう。
やむを得ず、ひとまず近くの民宿へ宿を取ることにした二人はそこで、杠葉の弟子・松原茜に出会う。どうやら真弥は、茜を嫌っているらしく……『第一話 幼児と死』、
画家である和泉の父・五樹の、モデルをつとめる娘・今井千明は、実家が資産家。彼女には余命いくばくもない祖父・正晃がいるが、その遺産を巡って騒動ば起きているという。彼がどこかに隠した遺言書を見つけたものに、遺留分を除いた財産を相続させると言い出したのだ。
父に頼まれ、千明の代わりに遺言書を探すことになった和泉。そこで、正晃の遺影用のポートレートを撮影にきた彩乃と再会。
一緒に遺言書を探すことに……『第二話 元老院議員と死』、
彩乃から相談が持ち込まれた。
彼女の友人・四条由佳里の、恋人・上光司が突然事故で亡くなったという。その少し前、彼は、彼女の誕生日プレゼントを贈ったというのだが、住所を間違え、自宅へ返送されており、彼女の手元には渡らず終い。
彼の母・朝子に挨拶をする前であったため、由佳里という恋人の存在を認めず、プレゼントも渡そうとしない。それを何とか受け取りたいというのだった。彼の後輩と称して、朝子と親しくなる和泉。
そこに現われた謎の葬儀屋・藤波透吾。彼と一緒にいたのは、先の一件で出会った尊大な態度の少女・唐草万里だった……『第三話 貴婦人と死』の3話収録。

和泉は、生命感あふれるものが苦手で、死の静謐を愛する。死者の想いを読み解くことができる<鑑賞眼>の持ち主…という設定で、それによって事件を解決してゆく感じかな?ミステリテイストなお話。
彼は(表紙の印象から)もうちょっとクールな性格なのかと思いきや、話が進むにつれて子供っぽさが露呈。何だか25歳というより18歳くらい?
どうやら続きそうな気配ですが、さて…。

<12/10/10>


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
メメントとは違う良さがあるよ! (taco)
2013-10-06 00:51:55
新作「僕とカミサマの境界線」が出ましたね~。
強くはないが勇敢な男子の冒険ファンタジーに脱帽です!

birthday-energy.co.jp/
ってサイトは鈴木麻純さんの本質にまで踏み込んでましたよ。今後に期待です!
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こんにちは。 (似夜)
2013-10-07 18:06:30
>tacoさん
こんにちは。コメントありがとうございます♪
鈴木さんの新作はまだ読んでないです~。
今度読んでみますね☆
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