黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『GENTE ~リストランテの人々~ 1』オノ・ナツメ(太田出版)

2007-08-31 | 読了本(漫画)
紳士好きの妻・オルガの趣味に合わせ、新しく始めるリストランテの従業員を老紳士で揃えようと思い立ったロレンツォは……『casetta dell'orso カゼッタ・デッロルソ』、
カメリエーレ・ルチアーノの娘がヴァイオリンを習っており、今度演奏会に出るという。その練習の間、孫のフランチを預かることになったルチアーノ。一方、元ヴァイオリン奏者である、店の常連客・サヴィーナから演奏会に誘われ…『Luciano ルチアーノ』、
夫は浮気癖が治らず、離婚も考えたルチーアは、相談に行くが……『una coppia ある夫婦』、
カメリエーレ・ヴィートは、スポーツジムでひとりの女性に出会う。彼女はある理由から強くなりたいというのだが……『una giornata di Vito ヴィートの一日』、
リストランテが開店し、一周年を迎え、パーティが開かれた。その最中、厨房手伝いのマルツィオが腰を痛める。そして彼からある話が切り出され……『il primo anniverario 一周年』の5話の他、店を辞めたマルツィオが客として訪れる『buona serata ブォナ・セラータ』を収録。

『リストランテ・パラディーゾ』の外伝。(『リス・パラ』の)数年前のお話で、メンバーも若干違いますね。続きも楽しみ♪

<07/8/31>

『カブールの燕たち』ヤスミナ・カドラ(早川書房)

2007-08-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
タリバンの支配下にある、アフガニスタンの首都・カブール。廃墟と化した町では、私刑が横行し、人心は荒廃していた。
死刑囚の拘置所の看守を務めるアティク・シャウカトは、重い病に身を蝕まれている妻・ムサラトを抱えている。彼女の存在が重く心に圧し掛かり、鬱々とした毎日を送る彼だが、妻がかつて命を救ってくれた恩人であることから、見捨てることが出来ずにいた。
一方、夫婦ともに上流階級出身のモフセン・ラマトと、妻のズナイラ。職を失い、鬱屈を抱えるモフセンは、広場で行われていた、民衆の石打ちによる公開処刑に衝動的に参加したことをきっかけに、妻との間に溝が生じる。その仲を修復すべく、町の市場へ買い物に行くことにした2人だったが、その途中に起こった事柄により、さらなる断絶を生むことになるのだった。やがて口論の末、足を滑らせたモフセンは、運悪く死亡。かくして夫殺しの罪で死刑宣告されたズナイラは、アティクの拘置所に収容されるが、彼はその美貌に一目惚れしてしまい……

いろいろと切なくなるお話でしたが、一番の問題は、人々の心を荒廃させる、この環境なのでしょうね;

<07/8/30>

『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。』桜庭一樹(東京創元社)

2007-08-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京と、実家のある鳥取を行き来しつつ執筆を続ける桜庭さんの、読書と日常を描いた日記……Webミステリーズ!に連載されていた、2006年2月から2007年1月までの、桜庭さんの1年間。

ちょうどこの時期に書かれていた、あの作品やこの作品を書かれた裏側などもかいま見れて、ちょっと楽しかったり。
それにしても本当に読書家ですよね~。しかもバラエティーに富んだセレクトで(笑)。

<07/8/29>

『若冲の目』黒川創(講談社)

2007-08-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸時代中期に活躍した画人・伊藤若冲。平賀白山という人物が残した『蕉斎筆記』には、晩年の彼は、“妹”と一緒に暮らしていたというが、画集『若冲』に採録されていた伊藤家の過去帳には、その記載はなかった。そこで過去帳の現物を確認すべく、保管する光蔵寺へと赴いた“わたし”は、そこにさらなる矛盾を見るが……『鶏の目』、
美術館の学芸員をしていたIと能登を旅行中のヨーコ。しかし数日前に若冲の作品が京都で発見されたという新聞記事を読んだIは、京都にも行きたいと主張し、彼女は途中下車して一人旅に。
若冲の大幅の代表作『動植綵絵』は、いま知られている全30幅の他にも存在するのではないかと…そしてその謎を解く鍵は夏目漱石の作品に中にあるのではないかという仮説を抱いているIは……『猫の目』の2編収録。

繋がっていないけれど、どちらも若冲がらみのお話。
若冲に関する内容は、いろいろと興味深く楽しく読めましたが、いかんせん若冲に関する記述が多すぎて、本筋がさっぱり頭に残りません(笑)。

<07/8/28>

『黄昏の異邦人 魂葬屋奇談』九条菜月(中央公論新社)

2007-08-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
終業式を終えた相原深波の元に、見知らぬ客がやってきた。彼は魂葬屋であるユキの弟子で、魂葬屋見習いの千早……名前は日本風だが、容貌は外国人そのもので、あやつる日本語も怪しげ……と、使い魔見習いの胡白(外見は鳩。でも飛べない)だという。
深波の元に行くようにと指示されたというが、何のことだかわからない深波はユキを探す。
千早は、外国で暮らしていたが、たまたま来ていた日本で死亡した為、ここで魂葬屋になることにしたという(壁がある為、故郷には戻れない)。
その後、鳩が大嫌いなユキに頼まれ、最終試験のサポートを引き受ける羽目になった深波は、試験課題である魂を求めて町中を東奔西走。おまけに胡白が話しているところを小学生・時任晶に見られてしまったりして苦労が絶えない。
しかも千早には不審な行動があり、仮世(あの世)から調査員・矢那が彼を監視する為にやってきて……表題作他、矢那が魂葬屋だったころのお話、余話『茜色の追想』を収録。

シリーズ第3作目。
今回初登場の矢那さんの、見た目の硬そうなイメージを裏切ってるところが、ちょっと楽しいですね(笑)。今後も期待♪

<07/8/27>

『遠い遠い街角』井上雅彦(東京創元社)

2007-08-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
家のテレビを壊してしまった“私”は、たまたま知り合った女性の部屋でたびたびテレビを共に楽しむことに。しかしある日……『遠い遠い街角』、
街角にひとつだけ、異界に通じるドアがあった。それは、赤い、貸本屋の扉……『書肆に潜むもの』、
小学校の同級生だったゴトーから調査の依頼を受けた、探偵“私”。飲んでいた店のバーテンダーに勧められ、昔なつかしい雰囲気を漂わせる駄菓子屋に行くが……『菓子宵』、
いつものように空き地の土管で遊んでいた、タンテーやユキコたちは、突如土管から男が現れるのを目撃する。彼がやってきたのは21世紀の未来だというのだが……『土管という扉』、
幼い日、底なし沼だというの御陵池へ探検に行ったゴトーとオサムは、そこで巨大な影を見たという。オサムとその話をしながらコーヒーを飲んでいた私は、地響きのような音を聞く……『跫音の夜』、
家の押入で、古い箱を見つけた慎子は、子供時代の宝物が納められた、その中から一枚のソノシートを見つける……『33回転の螺子』、
小学校の同級生だったゴトーから調査の依頼を受けた、探偵“私”。飲んでいた店のバーテンダーに勧められ、2人は昔なつかしい雰囲気を漂わせる駄菓子屋に行くが……『菓子宵』、
いつものように空き地の土管で遊んでいた、タンテイやユキコたちは、突如土管から男が現れるのを目撃する。彼がやってきたのは21世紀の未来だというのだが……『土管という扉』、
幼い日、底なし沼だというの御陵池へ探検に行ったゴトーとオサムは、そこで巨大な影を見たという。オサムとその話をしながらコーヒーを飲んでいた私は、地響きのような音を聞く……『跫音の夜』、
家の押入で、古い箱を見つけた慎子は、子供時代の宝物が納められた、その中から一枚のソノシートを見つける。それは彼女が仲間たちと共に作ったもので……『33回転の螺子』、
“標的”を尾行する私は、秋葉原へ。そこはかつてキョージュたちと共にが鉱石ラジオの材料を買いにきた街でもあった……『結晶の囁き』、
大阪万博の会場で、吸血鬼騒動が。その調査をすべく、仲間を集めたタンテーは、囚われの身に。彼の行方を捜す仲間だったが……『幻の博覧会』の8編収録の連作短編集。

視点が、昭和40年代の少年時代と、大人になってからの21世紀を現在を行き来する物語。
ノスタルジックな雰囲気の漂う幻想モノ、というあたりは、朱川さんっぽい?

<07/8/26>

藤城清治 光と影のファンタジー

2007-08-26 | おでかけ
 新潟県立近代美術館で開催中の、影絵作家・藤城清治さんの作品展を観に行ってきました♪
 ポスターにもなっていたアリスの影絵が気になっていたのが、観に行きたかった一番の理由だったのですが、観に行ったらどの作品も想像以上に素敵でうっとりvv
 影絵という作品を存分に鑑賞できるよう、照明は暗めで壁は黒く、作品によっては前面に水が置かれていたり、側面に鏡が置かれていたりと、工夫が凝らされた会場作りになっていました。

 個人的には、カルピスのビルにあるという、水玉の中にいろんな画が入っている作品がお気に入りなのですが(両側にある鏡に映って、無限に広がっていく感じが綺麗でしたv)、モチーフ的にも猫がたくさん使われていて、かなり嬉しかったです♪