黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『白へ』藤田千鶴(ふらんす堂)

2014-04-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
私はもう沼かもしれずつるつるの廊下をゆけば水の匂いたつ
晩白柚に深くナイフを刺しいれて月の破片を月より剥がす
とりあえず噛むには噛んだがというような戸惑いありき犬の側にも
耳というちいさな器に生きているあいだのやさしい記憶を仕舞う
飴色の小野さんである小野さんは小野さんを抜けて風を見ている
疑わず君の螺子だと思いいしに君が私の螺子だったのだ
金の羽ひとりひとりに差し出して冬のある日に消えてしまいぬ
あの猫は見覚えがあるシマシマの滑り降りたら楽しそうな背中
「特にカニを好むわけではない。」という但書つけしは蟹食い猿か
影だけの国の住人どこからが自分の身体かわからず眠る

第二歌集。真っ白な装丁が素敵です。
短歌の他に、童話4編が収録されているのが特徴的かも。
ちょっとファンタジックな雰囲気もあって、好み☆

<14/4/4,5>


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2 コメント

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Unknown (藤田千鶴)
2017-08-30 22:48:48
はじめまして。私の歌集をご紹介くださってありがとうございます。

小野さんの歌ですが、
「飴色の小野さんである小野さんは小野さんを抜けて風を見ている」に機会があれば直しておいていただけると嬉しいです。
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訂正しました。 (桔梗)
2017-08-31 08:06:28
>藤田さん
はじめまして。ご覧いただきありがとうございました。
誤記載申し訳ありませんでした。訂正させていただきましたので、よろしくお願いします。

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