黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

† 新刊情報(08/12) †

2008-12-31 | 新刊情報
<12月>
12/1
雪乃紗衣『彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる』角川書店(文庫:ビーンズ)

12/4
香月日輪『完全版 地獄堂霊界通信 1』講談社(ノベルス)

西尾維新『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』講談社(ノベルス) 

皆川博子『蝶』文藝春秋(文庫)

12/6
せきしろ『去年ルノアールで 完全版』マガジンハウス(文庫)
 
12/上
あさのあつこ『あした吹く風』文藝春秋 

辻村深月『太陽の坐る場所』文藝春秋

12/10
月村奎『秋霖高校第二寮リターンズ 1』新書館(文庫:ディアプラス)

12/中
佐々木丸美『雪の断章』東京創元社(文庫)

津原泰水『綺譚集』東京創元社(文庫)

12/14
菅野彰『女に生まれてみたものの。』河出書房新社

12/15
野村美月/竹岡美穂『“文学少女”の追想画廊 (ガレリア・デ・アール)』エンターブレイン

京極夏彦『南極(人)』集英社

12/16
乙一『GOTH モリノヨル』角川書店

浅暮三文『ぽんこつ喜劇』光文社

坂木司『短劇』光文社

12/19
浅田次郎『夕映え天使』新潮社 

12/24
荻原浩『押入れのちよ』新潮社(文庫)

12/25
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』角川書店(文庫)

12/26
野村美月『“文学少女” と恋する挿話集(エピソード) 1』エンターブレイン(文庫:ファミ通)

椹野道流『現人奇談』講談社(文庫:ホワイトハート)

今野緒雪『マリア様がみてる ハローグッバイ』集英社(文庫:コバルト)

12/27
喬林知『前はマのつく鉄格子!』角川書店(文庫:ビーンズ)


日付不明
真藤順丈『RANK』ポプラ社




『庵堂三兄弟の聖職』真藤順丈(角川書店)

2008-12-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す“遺工”を家業としてきた。
当代随一の名匠と褒めそやされた先代である、父・明雄の跡を継いだのは長男・正太郎。
三男・毅巳は、暴走しがちな持病“汚言症”をやや持て余しながら、そんな長兄を手伝っている。
次男・久就は、高校卒業後、上京。職を転々とした後、コピー機製造販売会社のバイトを経て、正社員となっていたが、過酷な都会での生活に疲れはてていた。
父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。
そんな中、仕事に追われる正太郎の元に、先代から関係を絶っていた関東立花会系豊島興業の会長・美濃田夫妻から依頼が。不慮の事故で亡くなった一人娘・さおりの遺工を引き受けることになった正太郎だったが、毅巳もまた恋人・美也子に絡み、問題を抱えていた……

第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
“遺工”という設定がホラーといえばホラーですが、内容的にはホームドラマな感じかも。
でも毅巳の汚言症は、わかっていてもかなり気分が滅入りそう;

<08/12/31>

『黒百合』多島斗志之(東京創元社)

2008-12-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
1952年夏。父の古い友人である浅木氏の六甲山の別荘に招かれた14歳の少年・寺元進は、彼のひとり息子で、進と同い年の一彦と親しくなる。
別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で、池の精と名乗る少女に出会った進。彼女は、倉沢香といい、大きな別荘住んでいたが、亡父が外に作った子供で、義母には疎まれ、味方となるのは叔母である日登美だけだった。
3人は、夏休みの宿題、ハイキングなどで交流をする中、次第に淡い恋を育んでいたが……

3人の少年少女が出会ったひと夏に起きた出来事を主軸に、昭和10年に宝急電鉄の会長・小芝翁と寺元・浅木両氏(2人の父)がドイツで出会った相田真千子という謎の女性の話、昭和16~20年、香の叔母・日登美と彼女が恋している相手の話を挟み、展開するミステリ。
瑞々しく描かれる青春も素敵でしたが、張り巡らされた伏線と、最後でのひっくり返しっぷりに見事に騙されました~(笑)。

<08/12/30>

『訪問者ぶたぶた』矢崎存美(光文社)

2008-12-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
東京から夫・光之の故郷にひっこして1年が経つ、主婦・飯田朋香。今日から町でお祭りが行なわれるが、今年は飯田家に“神様”が泊まりにやってくる当番になった。そんな彼らの家にやってきたのは……『神様が来た!』、
店のナンバーワンだったオトヤが六本木の大手ホストクラブに引き抜かれ、オーナーの都築は病に。さらに新しいナンバーワン・ヒカルは事故で入院してしまう。ホストになってまだ三ヶ月のコウは、先輩のタクヤから伝説のホストの存在を聞かされ、会ってみたい、できれば店の危機も救って欲しいと考え、ヒカルやオトヤに頼み込んだ。ヒカル曰く、彼は“普通で不思議、不思議で普通な人”だというのだが……『伝説のホスト』、
健康診断を受けた後、思いがけず早く家に帰ることになった川柳勇。折りしも、今日は息子・智樹の学校の家庭訪問だという。妻・小百合と智樹は二人で出かけてしまい、留守番することになった彼の前に現れたのは……『気まずい時間』、
明日の朝が締め切りだというのにアシスタントがつかまらず困っていた、人気少女マンガ家・羽島あゆ。そこにやってきた助っ人は、山崎ぶたぶただった。その仕事ぶりは天才的で……『ふたりの夜』、
全面禁煙の職場で、隠れてたばこを吸っている井岡は、ある日、しぼるとかしぼらないとかいう不思議な会話をきく。
雪乃は有名なお菓子メーカーのロゴの入った赤白チェックの小さなキャップを拾う。それを公衆電話の脇に置いておくと、取りにきたのは、ぶたのぬいぐるみ。
徹夜明けでよれよれしながらエレベーターに乗った梅本は、コンテナを押すぬいぐるみを目撃する……『冬の庭園』の5編収録。

ぶたぶたシリーズ短編集。
いろんな職業で、いろんな人のところに出没しているぶたぶたさんが楽しいです♪
(ホストって…/笑)

<08/12/29>

『短劇』坂木司(光文社)

2008-12-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
ラッシュの地下鉄に乗り込んだ“私”。ぎっちりと詰め込まれた車内で、ぎすぎすした気分になるが、そこでひとりの青年に癒されて……『カフェラテのない日』、
“私”は、会社の給湯室にある、ありふれたステンレス製の流し台。アルバイトのA子の女上司は、苛立つことがあるとアルバイトの女の子に当たり散らし、意中の男性の前では猫をかぶる嫌な性格。苛められたA子の仇をとるべく、私は……『目撃者』、
結婚間近の女友達に密かな思いを寄せる僕。しかし彼女の結婚相手は……『雨やどり』、
先に女の子が乗っていたエレベーターに乗り込んだ“俺たち”。ところがエレベーターが地震で停まってしまい、閉じこめられて……『幸福な密室』、
ストレス発散に、愚痴を言い合う為の掲示板を見るのを楽しみにしている、“私”。そこでランキングの常連に入る投稿者は“MM”。その内容は、まるで私を指しているようで……『MM』、
堅実すぎる私。その迷い道のない人生を嫌い、家を出た娘。孫が生まれたと妻から知らされ、娘の元を訪れることにした私は、わざと道を迷うことにしたのだが……『迷子』、
場所は、とあるフレンチレストラン。ほどほどの人生で手を打った夫婦。年下の同僚にバースデイを祝われる女性。店のパティシエの父と彼につきあった家出少女。それぞれの思惑をはらみつつ、蝋燭の火は吹き消される……『ケーキ登場』、
ステカン(使い捨て看板)を取り付けるのが“俺”の仕事。一週間前に見かけた、あるステカンは一見素人の手による仕事に見えたが、結ぶことを楽しんでいるようなその仕事ぶりに、その存在が気になり始める……『ほどけないにもほどがある』、
中年男が三人。“最後のドライブ”に出発した。蕎麦に女…、人生の最後を楽しむ彼らだったが……『最後』、
過去二度、自分の人生に実害をもたらす人物には容赦なく鉄槌を下してきた“私”。そんな中、コネで入社したあの女が、私の人生に三度目の実害を与えようとしていた……『しつこい油』、
どの大陸からも遠く離れた島に、生き残った兵士がふたり・AとB。彼らが選んだ選択とは……『最後の別れ』、
二人の老人が椅子に腰掛けて会話をしている。彼らが怖いものは……『恐いのは』、
人間そっくりなロボットが出回るようになって十年ほど。三人の男たちはロボットを使った自分の隙なプレイについて語り合う。ひとりは、雨の中に待たせておくこと、もうひとりはわざとできないことをいい、あやまらせること、そして……『変わった趣味』、
ひたすら穴を掘っていた“俺”。地表からはさまざまな虫や石、玩具などが出てきた。やがて女と知り合い、子供が産まれても、穴を掘り続け……『穴を掘る』、
流行とテクノロジー、双方の最先端をゆくネイル・カレイドスコープ。しかしそれは高価で手が出せない“あたし”。ある日、同僚が見つけた、格安のカレイドスコープもどきを教えてもらい…『最先端』、
工場で働く男の仕事は、落ちてくる肉を拾うこと……『肉を拾う』、
街を歩いていて、ふと暴力的な衝動が芽生えることがある。そんな俺は、携帯サイトで女性を監禁するメンバー募集を見つけ参加するが……『ゴミ掃除』、
離婚して住む場所も失った“私”は、ちりちりパーマの中年女性に声をかけられ、物件を紹介された。入居条件は、大家さん夫婦に週一回夕食をつくること……『物件案内』、
友人の留守中、インコの世話を頼まれた大学生の“僕”。ふとした拍子に、壁に貼られたポスターの後ろに穴が開いてあるのを見つけるが……『壁』、
インターネット懸賞で、映画の試写会が当たった。仕事を辞め、妻に逃げられたばかりの“私”は、重い足取りでその会場に向かうが……『試写会』、
出先で駆け込んだビルのトイレで、不思議な正方形を見つけた“私”。その向こうには、通路があって……『ビル業務』、
営業帰りの地下鉄の駅で、自分そっくりの格好をした男を見かけた“俺”。電車が事故で止まった為、歩いて帰ることにした俺は、競うように歩く中でシンパシーすら感じるようになるが……『並列歩行』、
仲の良かった町工場の社長が自殺し、夢も希望も失い中で、40歳の誕生日を迎えた“俺”は、樹海へと足を向けるが……『カミサマ』、
とある地方のとある村に、他言無用の秘祭があるという。それは、17歳の男女を中心にした、通過儀礼的な祭りらしい。それを取材できることになった“私”。村人曰く、親しい者すらも信じられなくなるほどの恐怖を感じるらしく……『秘祭』、
昔々あるところに、眠り姫がいた。眠り続ける彼女の元へ行こうと心に決めた冒険者が見た光景とは……『眠り姫』、
夜。友達の家からの帰り道。石を蹴りながら歩いていた“私”は、「いてっ」という声を聞く。その後、落ちた石を拾おうとした私の手は、ぐにゃりと柔らかいものに触れた……『いて』の26編収録。

掌編集。
これまでの坂木さんの作風とは違った、ブラックな感じもあり、楽しめました。
個人的には、『ケーキ登場』『秘祭』あたりが面白かったです。

<08/12/28>

『橋をめぐる いつかのきみへ、いつかのぼくへ』橋本紡(文藝春秋)

2008-12-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
父との折り合いが悪くずっと実家に帰っていなかった広告代理店で働く桜井友香27歳。仕事で世話になっている彫刻家の伊東が上京。彼を案内した時に、ふと実家のある深川の方へと足を向けた。しかししばらく来ていなかった町は、至る所に変化が……清洲橋、
銀座でならしたバーテンダー・高村耕平は、深川で『楓』という店を始めた。昔からもめ事の仲介を頼まれることが多かった耕平だったが……亥之堀橋、
進学校に通う秀才・松本陸と不良少年・嘉人はかつて隣の家にすんでいた幼なじみ。陸の同級生で互いに成績を競っていた吉岡が、恋愛で失敗し成績を落とし……大富橋、
一人息子・翔太と暮らすバツイチの相良佳子は、英会話教室で講師をしている。そこで知り合った“not”をうまく発音できない三崎を持つが……八幡橋、
新居を探す美穂と哲也がたどり着いたのは、川に面した一戸建て。古いながらも気に入るが、シロアリにやられていた。他の候補はイマイチで、口論に……まつぼっくり橋、
世田谷の豪華マンションに住む島村千恵は、父方の祖父・エンジの元に夏休み預けられた。祖父との交流の中で、カルチャーショックを受ける千恵。エンジの友人・シゲの孫美紀とも仲良くなるが……永代橋の6編収録。

深川にかかる橋を舞台に、そこで暮らす人々を題材とした短編集。
昔ながらの下町らしさもあり、現代らしさもある雰囲気が、舞台と融合していて良い感じでした。

<08/12/27>

『“文学少女”の追想画廊(ガレリア・デ・アール)』野村美月、竹岡美穂(エンターブレイン)

2008-12-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
これまでの表紙、口絵等に使われたカラーイラスト集、構想段階からのキャラクタの設定を記した『“文学少女”のスケッチブック』、(モノクロの)挿画集、各作家からのメッセージ『“文学少女”に贈る言葉』などの他、心葉が遠子先輩と別れて、4度目の春。最終巻での再会直前の流人と心葉のエピソードを描いた、特別ショートストーリー『いつか、きみに会う日まで』を収録。

新たな掌編なども収録され、とても豪華で素敵な一冊でした~♪

<08/12/26>