黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ノスタルジア』埜田杳(角川書店)

2009-06-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
不眠症の少年・檜山は、毎夜、窓の外を見下ろしては、夜の街に海の底のような孤独を見ていた。
そんなある日、彼同様、眠れずに夜の町を彷徨していた同じ部活の少年・矢鳴に声をかけられる。あまり話したことのなかった2人は次第に心を通わせるようになり、さらに、彼が所属する園芸部の部長で、矢鳴の幼馴染の少女・キューピーさんも加わり、ささやかな交流が始まる。
そんな中、矢鳴が“あれ”…最初は猛烈な痒みに襲われ、その後、その部位に羽が生えて飛んでいくという奇病…に罹り……『些末なおもいで』、
二浪の果てに、ようやく希望の大学に合格した辻は、元担任に合格を報せるために、母校にやってきた。そこで、同様に就職報告に来ていた同級生・森川に再会する。
そんな彼のことを大嫌いで、近づきたく思っていた辻だったが……『dysprositos』、
幼い頃飼っていた犬は、一度噛み付いただけで両親により保健所に連れて行かれてしまった“彼女”。
そんなことがあってしばらく犬を飼うことを避けていたが、そんなことを知らない妹が犬を飼いたいと言い出し、同様に噛まれてしまう。
今回は幸い、処分される前に友人・葵の引き篭もり気味の兄・伊織がその犬を引き受けてくれた。一緒に犬の散歩にもたびたび出かけるようになった2人。しかし夏休みが終わった始業式に葵は休み……『熱い骨』の3編収録。

『些末な~』は単行本で読んでいるので再読(あらすじは前回のをコピペ)。他2編は短編。
『些末な~』は文庫化に際して加筆修正。ちゃんと比較してませんが、文章や表現が細やかになり、若干こなれた感じになっているかも。
他2編も、微妙な感情の流れの表現が良いです。

<09/6/19>