黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ラ・パティスリー』上田早夕里(角川春樹事務所)

2006-01-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
製菓学校を卒業したての森沢夏織が、新人パティシエとして就職したのは、関西では名前の知られたフランス菓子店『ロワゾ・ドール』。
しかし、新人の夏織は、まだ厨房には入れず、売り子や雑用が主な仕事。
そんなある日、オーブンを温めておく為早朝に出社した夏織は、店内で見慣れぬ青年の姿を発見。巧みな技巧を駆使し飴細工の腕を披露した彼は、この店のシェフであるといい、しかも店名は『パティスリー・ロワゾ・アルジャンテ』……“ドール"(金)ではなく“アルジャンテ"(銀)だというのだった。
市川恭也だと名乗る彼は、どうやら記憶を失っているらしいと判明。しばらく店で働くことになり……。

今まで上田さんの作品は読んだことはなかったのですが、SFを書かれている方だという認識はあったので、読み始めてしばらくは、恭也さんはパラレルワールドから来たのだと信じて疑いませんでした(笑)。
出てくるケーキはとても美味しそうで、かつ綿密な取材や資料が生かされた内容が興味深く、とても楽しめたのですが、若干いろいろ詰め込み過ぎて、テーマ的にちょっと散漫な印象を受けました。

<06/1/31>

『アクアポリスQ』津原泰水(朝日新聞社)

2006-01-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島・アクアポリス。
そこに巨大な黒牛が現れた晩、小学生・タイチは校庭で全裸の少年・サイトを見つける。しかし、その後その姿は鴎と共にかき消えてしまった。
それから数年後。スーパー・サイエンス・スクールに通うタイチの前に、Jと名乗る白髮の女設計士が現れ、“濡女を見たはずだ"と告げる。自らを蘆屋道満の末裔、そしてアクアポリスの守護者であるというJ。
そんな彼女や仲間を襲う存在に巻き込まれていくタイチ。それはあらゆる利権を手中にと、Q市壊滅計画をめぐらす統治府の要人たちによるものだった。そしてQ市の護符そのものであるアクアポリスの、呪術に裏打ちされた完璧なセキュリティを破壞し沈没させる為、伝説の“牛鬼”を召喚し、利用しようと目論んでいたのだった……。

思ったよりもジュブナイルテイストなお話。
個人的にはあまり話に乗れないうちに終わってしまった感があるので、倍くらいのページ数でじっくり書いてもらってもよかったかな、と思ったり。

<06/1/30>

『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスとつぼみの淑女』青木祐子(集英社)

2006-01-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
19世紀のイギリス。
ロンドン郊外にある一軒の小さな仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』。そこで仕立てたドレスは、“恋を叶えてくれるドレス”と、もっぱらの評判。
けれど、そんな評判とはうらはらに、店主のクリスはいたって地味な装いで、客の応対は、華やかなで社交的な友人・パメラの役目。
ある日、店の噂を聞いたハクニール公爵家の令息・シャーロックが、妹・フローレンスの為に、ドレスを仕立てて欲しいと依頼する。落馬事故により歩けなくなってしまったという彼女は、以来屋敷に引きこもりがちになり、原因となった婚約者・アンディが訪れても、冷たく接しているという。
採寸の為、屋敷を訪れたクリスは、フローレンスが何かを隠しているらしいことを読み取るが……。

普通の恋愛ものなのかと思いきや、闇の組織(?)の暗躍があったりして、クリスがどんなドレスを作り出すのかということも合わせ、今後の展開が楽しみです。

<06/1/29>

『レモネードBOOKS 1』山名沢湖(竹書房)

2006-01-28 | 読了本(漫画)
普通の女の子・森沢可菜は、好きな男の子からもらった本を、拾ってもらった事が縁で岩田くんと知り合う。やがて二人は付き合いはじめるが、彼は実は読書オタクで……。
『古本とレモネード』、『扉を開けて』『ゴドーを待ちながら』『いつか晴れた日に』『彗星問答』『ノンちゃん雲にのる』『趣都の誕生』『おもいでエマノン』『明るい部屋』『浮世風呂』『われは幻に棲む』『ゆっくりさよならをとなえる』『夏の栞』の1+12編のショートストーリー。

ほのぼのと微笑ましいお話です。
本好きには、より楽しめる作品かも(1話ごとのタイトルは本のタイトルだし/笑)。
森沢さんの中学時代からの友人・朝霞ちゃん(やはり読書オタク)が、付き合い始めるにあたって、森沢さんにふさわしいかどうかチェックを入れる為、彼にあれこれ質問してるのですが、その中に「BLは?」という質問が(笑)。……彼がどう答えたのかとても気になります(笑)。

<06/1/28>



『ヨキ、コト、キク。』コゲどんぼ(ジャイブ)

2006-01-28 | 読了本(漫画)
猫神家の家督、猫神サヘイが急逝した。
その莫大な遺産の跡を継ぐ人物は猫神家の長男・スケキヨだが、下の三つ子……良子(よきこ)・琴助・菊乃と、スケキヨの許嫁・タマヨにも家督を継ぐ権利が与えられた。しかしスケキヨは、従軍しており留守。
かくして猫神家の中で、遺産を巡りひそかな攻防が繰り広げられるのだった……。

ギャグです(笑)。
……スケキヨの容貌にちょっとウケていたり(アレは各方面から文句はこないのでしょうか?/笑)。
読み切りっぽい感じですが、もうちょっと続いてもいいかも。

<06/1/28>


『Presents』角田光代(双葉社)

2006-01-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
『名前』『ランドセル』『初キス』『鍋セット』『うに煎餅』『合い鍵』『ヴェール』『記憶』『絵』『料理』『ぬいぐるみ』『涙』の12編。沢山の思いと共に綴られるプレゼントたち。

何気に移動中バスの中で読んでいて、『涙』のところでうっかり泣きそうになってしまったり(てゆーか泣いてましたが/笑)。
生まれてくる子供の名前の話『名前』に始まり、やがて終焉の時を迎える『涙』に終わっていて、その間でだんだんと年齢を重ねた人たちが描かれている構成が凝ってますね~。

<06/1/28>

『I LOVE YOU』伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好(祥伝社)

2006-01-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
遠距離恋愛目前の恋人・千穂と共に、動物園にデートに出かけた優樹は、そこで失踪した姉の最後の恋人・富樫と彼の現在の恋人・芽衣子に出会う……伊坂幸太郎『透明ポーラーベア』、
失恋したばかりの隆介は、飾らない性格の幼馴染み・萌枝に失恋話を聞いてもらって以降、食事に行ったりする仲になるが……石田衣良『魔法のボタン』、
木内は、“渡辺"と名乗る青年に声をかけられる。彼女は、彼の容貌から中学時代に仲良くしていた“ミンク"だと思っていたのだが、話しているうちに、実は当時彼女が恋していた同姓の“かわちゃん"であることに気付き……市川拓司『卒業写真』、
先輩・宮崎には、学校一の美人・神林がいて公然の仲だったが、もうひとり百瀬という恋人がいた。幼いころから彼を慕っていたノボルは、神林に彼女の存在を隠したいという宮崎の為に、彼女が自分の恋人であると装うことに……中田永一『百瀬、こっちを向いて』、
週3回の電話と1度のデートという淡泊な恋愛を続ける大野。そんなある日、友人・坂本に誘われ、彼の地元の先輩である木戸のアパートに出かけて後、木戸の元で鍋をするのが習慣になり……中村航『突き抜けろ』、
離婚届を受けとる為、最後の食事を共にする僕と彼女は、これまでの過去を振り返る……本多孝好『Sidewalk Talk』の6編。

男性作家6人による恋愛ものアンソロジー。
中田永一さんが、乙一さんだという噂なのですが、いわれてみればそんな感じがしなくも……(笑)。

<06/1/27>

『罪と罰(ツミトバチ) 2』鈴木有布子(新書館)

2006-01-26 | 読了本(漫画)
かつて一色家を呪っていた座敷わらしの神さんも、今や家族の一員に。
太郎の運が悪い事を除けば、至って平穏な日々が続いていた。
そんなある日、家の前で休んでいる妊婦・茂美に出会い、家に招き入れるが、彼女いわくお腹の子の父親は、太郎の父・一郎であるらしい……『罪と罰3』、
太郎の幼馴染み・みのりには霊感があり、その所為で具合が悪くこともしばしば。学校に太郎の忘れ物を届けにきていた神さんは、彼女との話の中で、その昔太郎に言われた言葉が彼女を深く傷ついていることを知る……『罪と罰4』、
借金を作り、ギャンブル生活をしながら、全国を放浪している、父・一郎が帰宅。早速、神さんで一儲けを企み、ハジメを怒らせる。仕事の都合で帰ってきたと告げる彼の真意は……『罪と罰5』、
生まれる前の景色を見、その時の思いをよみがえらせることができるという枕。結婚の為暇をもらう少女が、その前日、奉公先の坊ちゃんにねだられ一緒にその枕で夢を見る。それは……『おもひでまくら』、
妻・基子が亡くなる直前、病室を訪れた一郎が彼女と交わした約束とは……『罪と罰番外編 一生のお願い』を収録。

『おもひでまくら』のみ、ノンシリーズもの。ものすごく短いお話ですが、切ない感じが良いですね♪
『罪と罰』は、いよいよ諸悪の根源・一郎さん登場(笑)。
破天荒な彼ですが、中身は寂しがりやの子供と同じ。そんな彼を許容していた奥さんの基子さんが素敵です♪

<06/1/26>

『一週間のしごと』永嶋恵美(東京創元社)

2006-01-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
拾い癖のある女子高生・菜加。
渋谷の雑踏で子供が置き去りにされたのを目撃。思わず家まで送り届けるが、その住まいは荒れ放題で、母も帰宅する様子もない。放ってもおけず、弟・克己と二人で暮らす家に連れ帰り、名前を名乗らないその少年にタロウと名付ける。
そんな中、テレビで集団自殺のニュースが報道され、その現場がタロウのアパートであることを知る彼ら。
昔から菜加の巻き起こす騒動に振り回され、後始末をする役割を負っている幼馴染の恭平は、警察の関与をかたくなに拒む菜加に、タロウを身内の元に送り届けることを提案する。
ところが、事態は思わぬ方向へ……。

菜加の性格に、かなりむかつきました(脇役の養護教諭の女性の存在は、かなりいい感じでしたが/笑)。
ちょっとほろ苦い青春ミステリといった感じですが、ミステリ的にはもうちょっと犯人にひねりがあってもよかったかな、と思ったり。

<06/1/26>

『Rozen Maiden(ローゼンメイデン) 6』PEACH-PIT(幻冬舎)

2006-01-25 | 読了本(漫画)
“領海”で水銀燈の寂しい心を知ったジュン。
そして、眠るジュンから溢れ出した海の水とともに、真紅の前に姿を現した、少女人形。
……真っ白な髪とドレス、そして片目から薔薇の花を生やした彼女は、第7ドール。
一方、雛苺の前に、以前の持ち主・コリンヌに似た少女が現れ……。

7番目のドールが登場です(ここではまだ名前は出てませんが……)。
アニメでは、すでに登場済のようですが見ていないので……(というか放映してないし;)。
そんな訳でアリスゲームにも新たな動きがありそうですね~。

<06/1/25>